2
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 3 years have passed since last update.

Unreal Engine 4.24 で正確に往復移動するオブジェクト(アクター)を作る

Last updated at Posted at 2020-05-28

あちこち検索すると GetActorLocation に Timeline (float) の値を加えて SetActorLocation にセットすることでアクターを動かす方法が出てくるけど、その方法だとしばらく往復運動させていると位置がずれてしまう。ここでは、ずれないで往復運動する方法をメモしておく。

環境

  • Windows 10 Home
  • Unreal Engine 4.24

準備

とりあえず ThirdPerson テンプレートで作成したプロジェクトを使って説明してみる。ThirdPerson テンプレートでなくても、同じことはできる。

image.png

設定はデフォルトのままで、プロジェクト名は MotionSample としてみる。

image.png

最初に配置されている CubeMesh を上下に動くように改造することにする。

image.png

方針

  • CubeMesh の初期位置を Vector 変数に保存する。
  • TimeLine で往復運動をする物体の位置情報を作る。
  • 初期位置に Timeline で生成した数値を加えることで、物体の現在位置を算出する。

初期位置に、Timeline で位置の差分を加えて現在位置を算出することで、Timeline の値が 0 のときには正確に初期位置に戻るようになる。

手順

CubeMesh を選んだ状態で、右側にある「ブループリント/スクリプト編集」を押す。

image.png

「ブループリントを作成」を押す。ブループリント名はデフォルトのままでいい。

ブループリントのエディタの「イベントグラフ」のタブを開く。

image.png

右クリックして、Timeline と入力する。

メニューの一番下に出てくる「タイムラインを追加する」を選ぶ。公式サイトとかの説明だと、英語のメニューになっていて Add Timeline を選べと書いてあったりするので、つい Timeline という文字列を探してしまうかもしれないけど、ここだけ微妙に日本語化されてるのよね。

image.png

タイムラインが配置されたら、ダブルクリックしてタイムラインエディタを出す。

image.png

「フロートトラックを追加」を押す。ベクタートラックを追加するのでもできるけど、ここでフロートトラックでやっておく。

image.png

エディタの画面で、Shift を押しながら左クリックすると、グラフの点を追加できる。

image.png

こんな感じに、0の点から始まって0に戻るような線を描く。点を選択した状態で、上にある「時間」「値」のところに数値を直接入力することもできる。

image.png

上にある「ループ」のところにチェックを入れておく。これにチェックが入ってないと、一往復しただけで動かなくなる。

image.png

グラフを描画してからイベントグラフに戻ると、タイムラインの右下に「新規Track0」という緑色のポチが増えているはず(名前は多少違うかもしれない)。こうなってなければ何か操作をまちがっている(かも)。あとは、最初の方針に従ってグラフを作る。

初期位置を変数に保存する

左下あたりにある「変数」の横の「+」を押して、初期位置を入れる Vector 型の変数を作る。名前は DefaultPosition としてみた。

image.png

右側の「詳細」の欄で、変数の型を Vector にしておく。

image.png

変数をイベントグラフ内にドラッグドロップする。選択肢が出るので、Set DefaultPosition のほうを選ぶ。

image.png

イベントグラフで右クリックして、GetAct くらい入力して GetActorLocation を探して選ぶ。

image.png

イベントグラフ中に配置したら、下の図のように接続していく。BeginPlay に「セット」をつなぎ、GetActorLocation を値の入力とすることで、アプリ開始時点でのアクターの初期位置を DefaultLocation の変数にセットすることができる。

image.png

タイムラインより右側のイベントグラフも、下の図のように作る。

image.png

  • Default Position の黄色い箱は、変数の Default Position をイベントグラフにドラッグドロップして "Get DefaultPosition" を選ぶことで置ける。
  • "+" の黄色い箱は、右クリックメニューから "Add" と入力して "vector + vector" という項目を探して置く。
  • Speed の緑色の箱は、先に左側の「変数」のところで+を押して Speed という名前で作成しておく。右側の「詳細」で 「変数の型」を float にしておく。変数を作ったら、イベントグラフにドラッグドロップして Get Speed を選ぶことで置ける。
  • 右下の Make Vector は、右クリックメニューで "Make Vector" と入力して探して置く。
  • 中央下の "X" は、右クリックメニューで "mul" と入力して、Multiply の float * float を選ぶ。

image.png

最後に、メインのウィンドウで CubeMesh を選んで「トランスフォーム」の下にある「可動性」のところを「ムーバブル」に変更しておく。この変更をしないと、プログラムを書いてもアクターが動いてくれない。

これで動くはず

image.png

オブジェクトの初期位置をベースにして、時間が経過したときに Timeline のその時刻の値を、オブジェクトの位置の z 座標にセットするようにしている。初期位置をベースにしているので、Timeline の値が 0 になれば、必ず初期位置に戻る。これによって、往復運動をするごとに位置がずれていくことは防げる。

位置がだんだんずれる方法

検索でよく見つかる、位置がだんだんずれていく方法も参考までに載せておく。

image.png

初期位置を保存する変数を使わず、GetActorLocation で取得した位置ベクトルに、直接タイムラインの値を加える。つまり、タイムラインの値を z 軸の移動速度のように使う。加算による誤差が蓄積いしていくため、時間が経過するに従って、オブジェクトが動く z の範囲がだんだんずれていく。

image.png

動き方は、ずれない方法とは同じにならず、速度 0 の状態から次第に加速していって、途中からは次第に減速して 0 になるという、見た目には自然な動きになる。これは、タイムラインの値が z 軸の位置ではなく、速度として使われるためである。

ずれない方法でも同じような動きにするためには、タイムラインの線をサインカーブ状にすればよい。

2
1
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
2
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?