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DockerをMultipassで構築[Mac]

Last updated at Posted at 2021-11-23

Docker Desktopの代替案を探していたところMultipassがかなり良い感じだったので構築方法を記載しておきます。

Multipassとは

Multipassは手軽・高速にUbuntu環境を作成する仮想環境で、Linux, Windows, Macで動作します。

ホスト環境

この内容を実施するとホストのMacには以下の影響があります。

  • Docker Desktopを使わない。
  • Mac上でdockerコマンドを使うとMultipass上のdockerが使用されます。
  • Ubuntu構築用にCPU,メモリ,ストレージ等のリソースが必要です。
  • Homebrewでmultipass, docker, docker-composeをインストールします。
  • ~/.sshディレクトリのconfigファイルに必要な記述を追記します。
  • ~/.sshディレクトリにsshファイルを作成します。
  • Ubuntuにホームディレクトリをマウントします(任意)。
  • Docker Desktopのように各種アクセス先はlocalhostではなく任意の名前.localでアクセスが出来るようになります。localhostと切り分けができるので個人的にはこちらの方が好みです。
  • MultipassがHypreKitを利用しているので他の仮想化アプリケーションは無くても構いません。(任意で別の仮想化アプリケーションを利用する方法もあるようです)

参考
https://medium.com/@gourneau_38759/docker-engine-with-multipass-on-macos-dc44ff09ffb2

必要なパッケージをインストール

# もし、homebrewでdocker desktop及びdockerがインストールしてある場合は以下を実行で一旦削除
# brew uninstall --force docker docker-machine docker-compose
brew install multipass docker docker-compose

SSHファイル作成

multipass_dockerという任意の名前でSSHファイルを作成します。

your_email@example.comの箇所は必ず書き換えてください。メールアドレスである必要はありません。

ssh key gen
https://docs.github.com/en/authentication/connecting-to-github-with-ssh/generating-a-new-ssh-key-and-adding-it-to-the-ssh-agent

ssh-keygen -t rsa -b 4096 -C "your_email@example.com" -f ~/.ssh/multipass_docker
# your_email@example.comは以下のようにuuidgenを使ってランダムな文字列を使っても良い
# ssh-keygen -t rsa -b 4096 -C "$(uuidgen)" -f ~/.ssh/multipass_docker
chmod 600 ~/.ssh/multipass_docker
chmod 600 ~/.ssh/multipass_docker.pub

yamlファイル作成

Ubuntu構成用に以下のコマンドをターミナルで入力してファイルを作成する。

# 作成した.pubファイルを変数に読み込む
AUTHORIZED_KEYS=$(cat ~/.ssh/multipass_docker.pub )
# ヒアドキュメントでファイルを作成する
cat > ./multipass_docker.yaml << _EOF_
---
locale: en_US.UTF8
timezone: Asia/Tokyo
package_upgrade: true
users:
  - name: ubuntu
    sudo: ALL=(ALL) NOPASSWD:ALL
    ssh-authorized-keys:
      - ${AUTHORIZED_KEYS}

packages:
  - docker
  - avahi-daemon
  - apt-transport-https
  - ca-certificates
  - curl
  - gnupg
  - lsb-release

runcmd:
  - sudo curl -fsSL https://get.docker.com | sudo bash
  - sudo systemctl enable docker
  - sudo systemctl enable -s HUP ssh
  - sudo groupadd docker
  - sudo usermod -aG docker ubuntu
_EOF_

構築

以下の様式でMultipassを使ったUbuntuを構築します。

multipass launch -c CPU -m メモリ量 -d ストレージ容量 -n 任意の名前 20.04 --cloud-init ./multipass_docker.yaml

以下のコマンドでUbuntuを構築します。今回はdockerという名前のマシンで作成しており、これ以降docker.localで直接アクセス出来るようになります。

dockerという名前は任意ですので、他の名前でもかまいません。その際はアクセス先が任意の名前.localになります。

multipass launch -c 2 -m 4G -d 40G -n docker 20.04 --cloud-init ./multipass_docker.yaml

構築できたか確認

# SSH接続をする。
# 念の為、以下を実行してログイン記録を削除。
ssh-keygen -R docker.local
# sshファイルを使用してMultipassのインスタンスにログイン
ssh -i ~/.ssh/multipass_docker ubuntu@docker.local
# Multipassのインスタンスにログイン出来たら以下を実行してdockerがインストールされているか確認
docker info
# 確認出来たらインスタンスから出る
exit
# SSH接続が出来ることが確認出来たら構成用に使用したyamlファイルは不要になるので削除する。
rm ./multipass_docker.yaml

# 設定内容の確認
multipass info docker
# 一覧表
multipass ls

~/.ssh/configファイルに追記

ssh ubuntu@docker.localコマンドでログイン出来るように~/.ssh/configファイルに以下を追記します。無い場合は新しく作成しましょう。

Host docker.local
  HostName docker.local
  IdentityFile ~/.ssh/multipass_docker
  User ubuntu
  Port 22

ログイン出来るか確認

multipass shell

multipassコマンドで以下を実行することでログイン出来ます。

multipass shell docker
# 確認出来たらインスタンスから出る
exit

sshでログイン

# 念の為、以下を実行してログイン記録を削除。
ssh-keygen -R docker.local
# ubuntuにログイン
ssh ubuntu@docker.local
# ログイン出来ることを確認出来たらインスタンスから出る。
exit

.zshrcに追記

環境変数DOCKER_HOSTにUbuntuのアクセス先を記述することで、ホスト側でのdockerコマンドはUbuntuのものを使うように設定できます。.zshrcの末尾にでも追記しておくことで、ログイン時に設定されるようにしておきましょう。

# multipass docker
export DOCKER_HOST="ssh://ubuntu@docker.local"

[任意]ホームディレクトリをMultipass上にマウントする

作業しやすいようにホームディレクトリをUbuntu上にマウントします。

1回マウントしたらホストを再起動してもマウントし続けます。

# ホームをUbuntu上の同じ名前の階層(/Users/ユーザ名)にマウントする
multipass mount ${HOME} docker:${HOME}
# アンマウント
# multipass unmount docker:${HOME}

この作業は任意ですが、していない場合、docker上でDockerfiledocker-compose.yamlと同階層のファイルをマウントしようとしてもMultipassの内部しか見えていない状態なので以下のようなエラーになります。

user@mac docker % docker-compose up               
[+] Running 1/0
 ⠿ Container docker-xxxx-1  Created                                                                                                                                                                    0.0s
Attaching to docker-xxxx-1
Error response from daemon: invalid mount config for type "bind": bind source path does not exist: /Users/***

テスト

nginxを使ってみる

docker run --name nginx_test -d -p 8080:80 nginx
# 以下で削除
# docker stop $(docker ps -aqf "name=nginx_test")
# docker rm $(docker ps -aqf "name=nginx_test")

アクセス

この場合URLはhttp://docker.local:8080です。

image02.png

外部からのアクセス

外部からアクセスするにはmultipass lsもしくはmultipass info dockerIPv4項目を参照しましょう。

削除

multipassの削除は、deleteで一次削除、purgeで完全削除の2段階です。

deleteでゴミ箱に入れて、purgeでゴミ箱を空にする感じです。

# 削除は以下
multipass delete docker
multipass purge

エラー対応

Operation not permitted

ホスト側のファイルを扱おうとした際にこのようなエラーが表示されることがあります。

解決策は、システム環境設定プライバシータブのフルディスクアクセスの一覧にあるmultipassdにチェックを入れることです。

image000.png

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