背景
この度、G検定の「G2023#2」を受験し無事に合格しましたので、勉強方法や振り返りをまとめます。
G検定
G検定とは、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施している検定試験です。
定義としては以下のように公式HPに記載されています。
- G検定とは
ディープラーニングをはじめとする、 AIに関する様々な技術的な⼿法やビジネス活⽤のための基礎知識を有しているかどうかを確認できます。
- G検定で得られるもの
体系的にAI・ディープラーニングを学習することで、「AIで何ができて、何ができないのか」「どこにAIを活用すればよいか」「AIを活用するためには何が必要か」が理解できるようになり、データを活用した新たな課題の発見やアイデアの創出が可能になる、デジタル施策の推進に自信が持てるようになるなど、あなたのビジネスやキャリアの可能性が飛躍的に広がります。
- G検定はこんな人におすすめ
- AIについて体系的に理解したい
- データ活用した新しい企画を考えたい
- AIでどんなことができるのか知りたい
- DX理解のためのリテラシーを習得したい
- 便利なデジタルツールの導入・活用を進めたい
- 会社のDXに向けてリテラシーを向上させたい
- エンジニアとの連携を深めたい
- ITベンダーとの協業を円滑に進行したい
今後、データサイエンティトになりたい、という方だけでなく、AIやデータ分析について勉強したいという方にもおすすめの資格になっています。
前提条件
- データ分析講座を受講し、独学でPythonで分析システムを1つ作成
- 実務では、VB.Net、C#、SQLを主に使用している
- 1ヶ月程、毎日2時間程度勉強
- 数学の知識はあまりない(高校数学もかなり怪しい)
G検定対策
G検定の特徴の1つとして、自宅受験可能、かつ、試験中は何をしてても良いのでインターネットの検索を使用したり等のカンニング行為も可能です。
ただし、120分で200問程度を回答するため、1問約30秒で回答となります。
そのため、全ての問題でカンニングしている余裕はないため、自力で問題を解ける力は必要です。カンニング行為も可能と記載しましたが、あくまで補助的な役割と思った方が良いです。
私は、カンペ資料として、エクセルに勉強した内容をその都度記載するようにしました。
インターネット検索では、カンニングするにしても時間がかかるため、ブック検索のできるエクセルにまとめようと思った次第です。
実際、試験中も単語検索で内容を確認しましたし、エクセルにまとめることで勉強した内容を覚えることもできたので、自分にはあってた方法かなという気がします。
G検定は割と時間との勝負なので、自分が欲している回答がパッと見たときにすぐ分かるような形になっていることが一番理想的だと思います。
勉強時に使用した資料
-
人工知能は人間を超えるか
AIとは、人工知能とは、という基本的なことを知るのに役立つ資料でした。
次に出てくる公式テキストで扱っている内容が簡略的に記載されているので、勉強の掴みとしては最適かと思います。
読まなくても問題はないですが、読んでおくと次の公式テキストを学習する際に、「あ~これ書いてあったわ~」となり、書いてある内容の理解に繋がりやすくなります。
私はkindleで購入し、通勤時間などでぱらぱらっと1回簡単に読む程度でした。 -
深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第2版
公式で推奨されているテキストです。
試験範囲はおおまかに抑えられており、簡単にですが各章の最後に演習問題もあります。
実際に試験を受けた際、公式テキストで勉強した内容が、数問程度ですが問題として出題されもしました。そういった問題は、問題集ではカバーできないため、公式テキストは一度目を通しておいた方が良いです。
ただし、この一冊ではG検定の問題全てをカバーすることは到底できないかなと思います。
浅く広くというほど浅くもないですが、G検定を受けるために身につけるべき知識としては、今一つ深さが足りないかなという気がしました。
書籍で購入し、私は1回しか読みませんでしたが、勉強内容は先述に記載した通りエクセルにまとめました。 -
最短突破 ディープラーニングG検定(ジェネラリスト) 問題集 第2版
解説がしっかり記載された問題集です。公式テキストで説明の足りない部分や理解が浅かった部分をカバーしてくれました。
G検定の勉強をする際は、公式テキスト+問題集1冊が最低限必要になるかと思います。
また、この問題集の良いところは巻末にWEBでできる問題集が付属しているため、解説ありの問題集を解いた後、実際のG検定のような形式(試験時間と問題数)で実力を試すことができる点です。
巻末には1回限りと記載されていますが、あくまで実際のG検定と同じ形式で受けることができるのが1回というだけで、問題は何度も繰り返し解くことができます。
ちなみに、WEB問題集を解いた際、私は6割程度の正解で不合格でした。
WEB問題集はG検定よりも少し難しめですが、本で出題される問題とはまた別物になりますので、更に知識を深めることができました。
書籍で購入し、本の問題集を2回、WEB問題集を2回解き、内容については全てエクセルにまとめました。 -
G検定対策アプリ
スマホで解ける問題集です。
公式テキストと問題集がどうしても書籍ベースのため、移動時間などスマホしか使えない時間を勉強に充てるために購入しました。
公式テキストと問題集で解いたことのない問題もあり、勉強になりました。
ただし、解説量は少ないため、ある程度勉強したうえで解いた方が理解に繋がるかなと思います。
こちらも問題集と同様2回解き、公式テキストと問題集にない内容に限り、エクセルにまとめました。
勉強に使った資料は上記の4つです。
時系列としては以下のようになります。
- 「人工知能は人間を超えるか」を一読
- 「深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第2版」を勉強
- 「G検定対策アプリ」を勉強(1回目)
- 「最短突破 ディープラーニングG検定(ジェネラリスト) 問題集 第2版」を勉強(1回目)
- 「最短突破 ディープラーニングG検定(ジェネラリスト) 問題集 第2版」のWEB問題集を勉強(1回目)
- 「G検定対策アプリ」を勉強(2回目)
- 「最短突破 ディープラーニングG検定(ジェネラリスト) 問題集 第2版」を勉強(2回目)
- 「最短突破 ディープラーニングG検定(ジェネラリスト) 問題集 第2版」のWEB問題集を勉強(2回目)
試験中
試験中は、基本的には自力で解き、不安だったり不明だったりする問題は、まとめた内容を記載しているエクセルで単語検索することでカバーしました。
それでも分からない問題は適当に1つ選択して、後に回しました。
ただ、法律問題を中心に最近の情勢についての問題も出題されるため、その際は、chatGPTを使用して回答していました。
インターネット検索する方が良いのかもしれませんが、試験中はやはり時間との勝負になるため、ネットで検索、該当の答えを発見、に費やす時間を取ることは、慣れがないとなかなかできない気はします。
最終的に全ての回答を終えた際、残っていた時間は40分程度でしたので、後回しにした問題をchatGPTを駆使しながら回答し、試験は終了しました。
反省点
-
数学の問題について
私がそこまで数学を覚えていない、という大前提がありますが、試験中に出される数学の問題の解き方が分からないということが何回かありました。
というのも、私が勉強に使った資料全て、数学の解き方、統計図の見方等について詳細には触れていません。
また、chatGPTは画像に非対応となるため、数学の試験問題を文章として書く必要があり、統計図などの図形ありきの問題が出てきた際、chatGPTでは対応が難しくなります。現在、DS検定を受けるために勉強しているのですが、DS検定ではG検定よりも数学の知識が必要になります。そして、その勉強をしている中でDS検定のための無料講座を見つけました。
この無料講座はYoutubeで限定公開している動画を見ての勉強になります。
【受講料無料】DS検定リテラシーレベル対応 データサイエンティスト基礎講座カリキュラムは2023年5月現在、以下の通りです。
G検定を受ける前に、この無料講座の「データサイエンス力 数理統計編」を受けておけばよかったなと強く思いました。
内容としては、数学の解き方や統計図の見方などを簡単に解説してくれています。
上記の無料講座は、DS検定向きとなっていますが、DS検定もG検定も内容は似通っているため、他のコンテンツについても流し見程度に見て、損はないかなとは思います。
ただし、G検定にSQLの問題が出題されることはないので、DS検定を受ける気がない限り、その勉強は不要です。
DS検定
アシスタント・データサイエンティスト(見習いレベル:★)と数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアムが公開している数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)におけるモデルカリキュラムを総合し、実務能力と知識を有することを証明する試験
良かった点
-
エクセル資料でのまとめ
自分でまとめているため、どこにどういった内容が記載されていて、逆にどういった内容が記載されていないかを大まかに把握しています。
なので、回答が不明な問題が出た際、第三者が記載した内容よりも回答を見つけるのが早くなりますし、逆にこの問題を解くには時間がかかるといった1つの指標を導き出すのも早くなります。
また、問題を解いていて「○○だったような気がするけどあってるかな…?」と不安になった時は、大いに活躍しました。 -
chatGPT
エクセル資料とは別のもう1つのカンペ資料としてchatGPTを使用しました。正解率は不明ですが、1つの回答を導き出すツールとしては便利だったなというのが感想です。
特に法律問題については、最新の問題が出題されるため、対策が難しいです。
また、問題文も選択肢も割と長文となるため、読むのに時間がかかる、更に、4つの内のどれが適切か、不適切かをネットの海から探すのにも時間がかかる、といった感じで、割と時間との勝負であるG検定とは相性が悪いなと思います。
そんな何かしらの回答手段を得たいといった時に、chatGPTに問題文を打ち込み、1つの回答をすぐに導き出してくれるというのは、(あってるかはともかく)ありがたかったです。
最終結果
「G2023#2」は、総受験者数3,052名、合格者数2,075名で、合格率は約68%でした。
私の得点率は以下の通りでした。
分野 | 得点率 |
---|---|
人工知能とは. 人工知能をめぐる動向. 人工知能分野の問題 | 94% |
機械学習の具体的手法 | 95% |
ディープラーニングの概要 | 87% |
ディープラーニングの手法 | 88% |
ディープラーニングの社会実装に向けて | 83% |
数理・統計 | 83% |
法律・倫理・社会問題 | 67% |
全体として7割~8割とれていれば合格できるのかなという所感です。
勉強してみて
AIとは、データ分析とは、ディープラーニングとは、といった内容を詳しく勉強することができました。
分析システムを自分で1から作ってみたい!という方にはお勧めしませんが、機械学習とは、AIとは、といった概要を知りたい方にはお勧めの資格です。
また、ビジネスでの点でも詳しく書かれているため、今後、実務としてAIを使っていく人にも大変お勧めの資格かなと思います。