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能登半島地震の建物被害分布を自動で出す方法

Last updated at Posted at 2024-01-04

はじめに

 プログラムはこちらに置いた。

 先ほど国土地理院の航空写真について、下記の記事を書いたが、学習済みのCNNモデルを用いれば、建物被害分布も出せるはずなので、出してみた。

 ちなみに、各県が公開した被害報等から作成した住家被害状況によると、被害が大きかった能登半島の北部(珠洲市、輪島市、能登町、穴水町)に関しては、2024/01/04時点で住家被害の件数が未だ不明となっている。

手法と結果

 (航空写真と同じく)国土地理院が公開している学習済みCNNモデルを使用する。

国土地理院(2023):CNNによる地物抽出のための深層学習済モデル,国土地理院技術資料 H1-No.36.

 全体説明ページはこちら

 考え方としては普通建物抽出の学習済みモデルを用いて、災害前の全国最新写真(シームレス)と災害後の令和6年能登半島地震 輪島東地区 正射画像(2024年1月2日撮影)それぞれについて普通建物を検出する。災害前に存在した建物が、災害後に滅失している場合、全壊の可能性が高いと判断できる。

普通建物抽出用(F=0.800) model-09.zip

 左図が災害前、右図が災害後の抽出結果。各図の上側は大規模火災があった輪島市「朝市通り」の周辺である。災害後、建物として検出されない領域が広範囲に存在することが分かる。

before_after.jpg

補足

 学習済みモデルは、カメラ特性による明度の違いなどの影響も受けるはずである。そのため別の衛星画像で学習したモデルなどは上手く適用できない場合がある。だが、今回は入力画像は学習時と同じ国土地理院の航空写真なのでその心配は小さい。

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