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はじめに

◆この記事は何?
IPA試験「情報処理安全確保支援士」の合格体験記です。
2024年4月試験で一発合格しました。私の試験勉強期間である44日間についてご紹介します。

◆対象は?
情報処理安全確保支援士の試験勉強をされている方

◆この記事のねらい
試験勉強をされている方の勉強方法の指針になれば幸いです。

勉強法の紹介に焦点を当てるのではなく、私の44日間の経験をお伝えします。

勉強開始時の前提

  • 普段はデータサイエンティストとして働いています
  • セキュリティ分野について応用情報レベルの知識がありました(結構忘れていました)
  • 午前1は免除

時系列

試験を申し込み、対策のために書籍を2冊購入しました。

入門書
『ゼロからスタート! 教育系YouTuberまさるの情報処理安全確保支援士1冊目の教科書』

午後試験の対策
『支援士R5 春期・秋期 -情報処理安全確保支援士の最も詳しい過去問解説』

◆1日目

勉強会に参加しました。

勉強会に参加するまでは特に試験勉強はしていませんでした。
このとき「IPsecとは・・・?」のような状態でした。

勉強会で多くの刺激をもらいました。
この勉強会が全てのきっかけであり、試験本番までのモチベーションにつながりました。

◆2日目-8日目

とにかく基礎・基本を学習しました。

Youtube「まさるの勉強部屋」と入門書でインプットを増やしました。

情報処理安全確保支援士試験で求められる知識と、応用情報レベルや普段の業務との乖離を感じつつも、そのギャップをひたすら埋めていきました。

過去問を眺めても、全然分かりませんでした。

◆9日目

Qiitaでアウトプットを開始しました。

勉強会で「marmaidで書いたデジタル署名のシーケンス図」を他の参加者さんに発表したところ、好評いただきました。

その経験をもとに、暗号や認証分野についてシーケンス図で表現する記事を書きました。

この記事は想像していたよりもたくさんの反応をいただきました。

また、自分が思っていたよりも「Qiitaでアウトプットすることが知識の定着につながる」と実感できました。

ここから「試験範囲をQiitaでアウトプットする」という勉強方法が確立されました。

◆10-19日目

試験範囲をアウトプットしながら学習していきました。

記事を書く際に、参考文献となる書籍を増やしたかったため追加で書籍を購入しました。

学習しながら次の記事を書いていきました。

DNSもシーケンス図で表現できました。シーケンス図を書くと、覚えやすくなりました。

ネットワークセキュリティ分野をどうやったら学べるか?と考えたときに思いついたのが、「観察」でした。

メールセキュリティもシーケンス図を作成することで理解を深めました。

試験の傾向を掴むために、出題頻度を確認しました。

覚えにくいと感じた内容は、覚え方を考案してQiitaにアウトプットしました。

19日目でようやく試験範囲の1周目が終わりました

◆20-22日目

演習を増やしました。

この時点で、過去問道場で午後2のセキュリティ分野に絞ったとき、正解率が6割程度でした。まだ基礎力が不足しています。

午後問題は「問題によっては合格ラインである正解率6割に到達するかしないか」というレベルでした。もちろん全く解けない問題もたくさんありました。

◆23-32日目

基礎を固めていきつつも、午後問題の演習を増やしました。

基礎は、シラバスの用語をすべて説明できるようにしていきました。数は多いですが、一つずつ着実に学習していきました。

シラバスの用語確認を通して、勉強ノートを作り始めました。

午後問題は振り返りを重視しました。
なぜ解けなかったか?だけでなく、なぜ解けたか?どのような学習が有効だったか?を考えました。

午後問題の振り返りを起点に学習を進めました。

◆33日目

勉強ノートを公開しました。

この記事は大きな反響をいただきました。

現在もたくさんの方に見ていただいています。

私はこの勉強ノートで知識の定着をはかりました。

◆34-35日目

試験のおよそ1週間前。

午前2は8割以上の正解率で安定しました。

一方で、午後問題の不安があり、勉強方法や解き方を見直して改善しました。

ただ解答できるようになるのではなく、午後問題の問題文・解説の用語が全てわかるようになるまで復習するようにしました。

「時間がないから読み飛ばす」といったことをせず、丁寧に全ての文章を読むように心がけました。

◆36-42日目

問題を解き、わからないところがあれば勉強ノートに追記していきました。

勉強すればするほど、セキュリティ分野に限らず、コンピュータサイエンスの基礎ができていないことを実感しました。
特にネットワーク分野に苦戦しました。

午後問題を解く時間よりも、基礎を固める時間をさらに増やしました。

もう一度、ネットワークを中心にコンピュータサイエンスの基礎をやり直しました。

<使用した書籍>

基礎を固めた結果、「午後問題の正答率6割」が安定し始めました。問題によっては8割以上解けるようになりました。

◆43日目

試験前日の追い込みとして、午後問題を解きました。

次の2冊を使いました。全て解けたわけではないですが、重要な問題には目を通せました。

正確には記録できていませんが、試験前日までに、過去問は5回分通し+15問程度の演習ができました。

◆44日目

試験本番。

苦戦した問題はあったものの「午後試験で6割取れたかな?」という感覚でした。

約3ヶ月後に届いた結果は合格でした。

成功要因①散歩しながらQiitaの記事を思い出す

Qiitaでアウトプットした記事を歩きながら思い出すように習慣づけました。

有効だと気づいてから後半の35日間は継続して実施しました。

完璧ではありませんが、次の勉強ノートの7-8割を脳内で再現できるようになりました。

成功要因②基礎とアウトプット

私が基礎固めとアウトプットをこれほど重視したのはこの試験勉強が初めてでした。

その結果、今回の試験勉強は付け焼き刃ではなく、使える知識として定着しました。
試験本番から3ヶ月が経過していますが、いまだに覚えている内容がたくさんあります。

今後の人生に大きな影響を与える経験となりました。

おわりに

この記事では、情報処理安全確保支援士試験の合格体験記と題して、私の経験をお伝えしました。

勉強方法の参考になれば幸いです。

謝辞

Qiitaの記事を読んでいただいた皆様、勉強会で出会った皆様、コミュニティ活動を通じてフィードバックをいただいた皆様に感謝申し上げます。

お世辞ではなく、皆様のおかげで合格できました。

合格だけでなく、私の人生に大きな影響を与えていただきました。

ありがとうございました。

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