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「変数名付きの用語集」で品質高く開発できた理由

Last updated at Posted at 2024-04-12

はじめに

◆この記事は何?
変数名付き用語集の作り方を紹介する記事です。
「上流品質を高める用語集」の作り方を紹介します。

◆対象は?
開発に関わる人

◆この記事のねらい
より良い用語集を作れるようになること

先に結論

  • 用語集で変数名を定義することで品質が高くなった
  • 品質が高いのは、ドキュメント/コード/テストデータで表記揺れがなくなったため
  • 良い用語集にするために
    • メンテナンスしやすさを重視する
    • ジャンル別で整理する

「良い用語集」とは?

「良い用語集」とは、上流品質の向上に寄与している用語集だと考えます。

プロジェクト開始前に用語集を作成し、「用語集を正」として、要件定義書を作成して、データベース設計書を作成して、設計書を作成して、コーディングして、テストをしていきます。

つまり、全てのフェーズで用語集を活用し、表記揺れを無くします。

その結果、品質向上の活動をより上流に移すこと(Shitf Left)ができます。

変数名を定義する

上流品質を高めるために、変数名を定義します。

例えば、次のように整理します。

# 用語 変数名 意味 備考
1 在庫型物流センター distribution_center 商品が一時的に保管され、さらなる配送のために分類される施設 DC(Distribution Center)とは?
2 最終目的地 final_destination 商品が最終的に届けられる場所 例:消費者の住所
3 バース berth 荷降ろしをするためにトラックを停車させておく場所 関連:バース予約

この変数名をテーブル定義、コーディング、テストなどで採用します。

◆用語集で変数名を定義するメリット

用語集で変数名を定義するメリットは次のとおりです。

  • 変数の表記揺れがなくなる
  • 変数名を考える時間が減る
  • 使いまわせる箇所が増えて効率が上がる
  • レビューの工数が減る
  • 可読性が上がる
  • 検索性が上がる

変数名を定義するだけで、挙げればキリがないくらいのメリットを享受できます。

メンテナンスしやすさを重視する

特にプロジェクト序盤では、用語集は高い頻度で更新されます。

そのため、メンテナンスしやすい状態を保つことが重要です。

具体的には、列を増やしすぎないようにしています。

補足したいことは「備考」を積極的に使います。

ジャンル別に整理する

用語はジャンル別で整理します。

これは用語集を使いやすくするための工夫であると同時に、用語集のメンテナンス性を高める工夫でもあります。

例えば、「場所に関する用語」と「時間に関する用語」は分けて整理します。
先ほど挙げた例は「場所に関する用語」です。

下記は「時間に関する用語」です。

◆時間に関する用語

# 用語 変数名 意味 備考
1 予定配達日時 estimated_delivery_datetime 顧客に通知される商品の予定配達日時
2 リードタイム lead_time 顧客が注文してから届くまでの時間 単位は時間(hour)
3 出荷日 ship_date 商品が倉庫や配送センターを出発する日

※接尾語について、日付に関するものは「date」、日時は「datetime」などとあらかじめポリシーを決めておきます。

プロジェクトごとにジャンルを考える必要がありますが、まずは次のようなジャンルを考えると良いかと思います。

  • 組織図/役職
  • ステークホルダ
  • 時間に関する用語
  • 場所に関する用語
  • お金に関する用語
  • 業務フローに登場する用語
  • マスタテーブルで使われる用語
  • 既存サービス/システム

おわりに

この記事では、良い用語集の作り方を紹介しました。

私は、変数名付きの用語集を作るようになって、良い開発ができるようになりました。
「上流品質が高い開発ができる」と自信を持てたのは「変数名付き用語集」のおかげです。

皆さんの用語集の工夫があれば、ぜひ教えてください。

この記事がお役に立てれば幸いです。

それでは。

参考

ソフトウェア品質を高める開発者テスト

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