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振り回されないEasyな表現との付き合い方

Last updated at Posted at 2022-01-09

概要

  • Easyな表現には価値がある一方、情報の消失や例外の隠蔽といったデメリットが存在する
  • Easyな表現をそのまま手法にブレイクダウンしていると振り回されることになる
  • Easyに表現されたものはあくまでもEasyなものであると認識して、自分で考える癖を身につけよう

Easyな表現とは

ITに限らず世界には情報がたくさん飛び交っています。
そうした情報過多の世界において 分かりやすく表現された情報 というのはとても価値があります。

この

  • 分かりやすい

Easy とこの記事では定義します。

例えば以下のようなものを Easyな表現(それがあっているかどうかは別)としてイメージをしてもらうと良いです。

  • 「人を殺してはいけない」
  • 「テストを先に書こう」
  • 「信号が赤のときは進んではいけない」

Easyな表現におけるメリットとデメリット

こうしたEasyな表現は特に自分がその分野のエキスパートでなければ非常にありがたい情報になります。

難しい用語や前提が一切なく、すっと頭に入ってくる簡素にまとめられた情報は、
自分の消費する時間を最大限減らして、新しい気づきを与えてくれることが多いです。

Easyな表現はこうした大きなメリットがあるといえます。

一方で情報をEasyな表現にしていく過程では

  • 情報の消失
  • 例外の隠蔽

といったことがよく発生します。

この事象を理解しない上でEasyに表現された情報を鵜呑みにしてしまうのは危険です。

特にその中でも私が 一番危険だと思っているものは、Easyに表現されたもの同士での議論 です。

この情報の消失や例外が隠蔽された表現で議論をしても、
前提がずれていたり重要な情報が伝わっていないことで無駄な時間になってしまうことがあります。

情報の消失

Easyな表現をするため過程で「抽象化」というテクニックが使われます。

この抽象化によって具体的な情報が削られることが起きます。

プロジェクトマネジメントの世界で QCDSを調整してプロジェクトを成功に導く という表現が出てきたとしても、
ではどの具体的な方法は? というのは読み取れません。

勘違いしてはいけないのは、別にこの言葉自体が良い・悪い、ということではなく、あくまでも Easyに表現をしているから読み取れないのであり、その具体的な方法を考えてない訳ではないということです。(と信じています)

また当然のように QCDS と言葉を略していますが、これが「品質」「費用」「納期」「スコープ」を意味しているというのも、
「わかる人にはわかるだろう」ということで情報を消失させている例です。
さらに「品質」という言葉1つとっても思い浮かべるものは人によって違ってきます。

このようにEasyな表現にするためには言葉を短く略したり、具体的な方法は伝えない(後で伝えるも含む)ということが起きます。

例外の隠蔽

情報の消失に近いですが Easyに表現されたものは例外をあえて伝えないということが起きます。

この場合における例外とは、「ただし、xxxのときは〜」と繋がる言葉です。

これも広義の意味では情報の消失なのですが、特に消失される情報であるため抜き出しました。

先の例で言うと「人を殺してはいけない」という表現において「ただしxxxのときは〜」が後ろにくっつく可能性があります。

消失してしまった情報が「法律」の話なのか「倫理」の話なのか、いろいろ推測はあるかと思いますが、
「法律」「倫理」においても例外を思い付けるのではないでしょうか。
※込み入った話になりそうなのでこの例ではこれ以上踏み込みませんが…!

Easyな表現とはどう付き合っていけば良いか

Easyな表現はとても価値があります。
だからこそ上手に付き合っていくためにデメリットを自分で補う行動を取ることで、
振り回されずに付き合っていくことができると思います。

勉強会やTwitter、ブログ記事でEasyな表現で出会ったときは

  • 消えている情報は何かを考える・調べる
  • 例外を考える・調べる

という癖を身につけていくのが良いと思います。

そしてEasyな表現をもとに具体的なプロセス・手法を考えていく時は、
この消失された情報や例外も参考にしつつ考えていくのが良いです。

また反対にも、Easyな表現が自分の考えとは異なっていても、いきなり拒否反応を示したりせず、
消えている情報や例外を考えるのも重要です。

  • 自動テストを書くと生産性が落ちる
  • 自動テストを書くと生産性があがる

このように一見対立している意見であっても、
消失された情報を合わせると同じようなことを言っていることに気付くこともあります。

せっかく同じ考えを持っているにも関わらず、
表面的なEasyに表現されたものだけで意見を衝突し合うのはとてももったいないです。

まとめ

  • Easyに表現された情報は理解しやすく価値が高い
  • しかしEasyに表現されたものには情報が失われていたり例外が隠れていたりする
  • Easyになった情報は、自分が賛同・反対に関わらず、失われている情報を調べたり考えたりする癖を身につけよう

Tips

  • Easyな表現なのに強い断定の言葉があるときは気をつけた方が良いと多います(正しい・正しくないは別にして)
      • 結局xxxなのはyyyなだけである
      • xxxは間違えている
      • xxxはダメ。使うな
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