1 はじめに
- 部署に「AWSこれから始めたいです」という人が加入した。「AWS Cloud Quest」という、入門者が楽しく学べるサービスがあるらしい、という噂を聞いたため、自分で実際にやってみて、おすすめできるかを確認する。
2 AWS Cloud Quest とは?(自分の理解)
- 公式 https://aws.amazon.com/jp/training/digital/aws-cloud-quest/
- 公式の説明だけだと何だかよく分からないため、実際に試した人のブログなどを見て予習した。
- おおよそ以下のような感じと理解した。
- いろいろなコースがあって、Cloud Practitionerコースだけ無料公開されている。(他のコースはサブスク課金が必要)
- Cloud PractitionerコースではEC2インスタンス起動などの基本的な概念が学べて、なかでAWSマネコン操作のハンズオンもある。
- アバターを作って3Dの街を探検・開発するロールプレイング要素もある。
- 自分でやらないでおすすめするのも心苦しいので、無料のCloud Practitionerだけ実際にやってみることにした。
- 見た目はいろいろ冒険できそうな感じで楽しそう!
3 Cloud Practitioner コースをやってみる
3.1 基本的な流れ
- 困っている人と話すと課題が提示され、学習開始となる。
- 課題は以下のサイクルで1セット。
- 学習: これから学ぶ構成の説明、使用するAWSサービスの説明
- 計画: 設定する内容の説明
- 実践: AWSマネコンを開き、ステップバイステップの詳細な手順書に従い、実際に設定を行う
- DIY: 引き続きAWSマネコンで、自分で手順を考えて追加の設定を行う
- 課題をクリアして再度困っていた人と話すと、お礼されて町が発展したり自分のレベルが上がったりする 。
3.2 課題の概要
- Cloud Practitionerコースの課題は12セットあり、概要は以下。
課題 | 概要 |
---|---|
クラウドコンピューティングの基本 | S3でWebホスティング |
コンピューティングの基礎 | EC2インスタンス(Webサーバ)を起動 |
クラウドのコスト見積もり | Pricing Calculatorでコスト概算見積もり |
ネットワークの概念 | EC2インスタンス(Webサーバ)へのアクセスをInternetGatewayやSecurityGroupを設定して実現 |
VPCへの接続 | VPCピアリングで別VPC間のインスタンスの通信を実現 |
リレーショナルデータベースの実装 | RDS及びリードレプリカを作成 |
セキュリティのコアコンセプト | EC2Readonlyアクセス権を持つIAMグループを作成し、グループにIAMユーザを所属させる |
クラウド上のファイルシステム | EFSファイルシステムを作成しEC2インスタンスからマウント |
アプリケーションの自動修復とスケーリング | オートスケーリンググループを作成し、自動で台数を変更する設定を実施 |
高可用なウェブアプリケーション | LB配下のEC2オートスケーリンググループを複数AZにまたがって配置 |
NoSQLデータベースの実装支援 | DynamboDBにテーブルやアイテムを作成 |
3.3 所要時間
- 私は一応AWSそれなりに触っているので、「これ初めてやるな~」という操作はなかったし、何をやっているのかも理解できた。その状態で1セット30分くらい。
- もしきちんと説明を読みながら、初見の操作をするとした場合、1セット1時間以上かかりそうな感じ。
4 所感
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良かった点
- 実際にAWSマネコン操作ができるので、書籍や机上だけでの学習と比較して理解が進みやすい。
- 自分のAWSアカウントでやるわけではないため、AWS利用料やセキュリティの心配をしなくてよい。(特に入門者の場合、インスタンスを起動しっぱなしにする費用リスクや、ソースアドレス0.0.0.0/0でアクセス許可してしまうなどのセキュリティリスクがあるため)
- 完全に手順通りにAWSマネコンで操作する(実践)⇒その操作を応用して、自分で考えて追加の操作をやってみる(DIY)、という流れになっており、後者の部分は自分で考えなければならず、そこが勉強になると思った。(例:RDSのセクションの場合、1台目のRDSインスタンスは手順通りに作成すればよいが、その後「リードレプリカを追加せよ」という課題が出て、それは自分で手順を探して対応しないといけない)
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残念な点
- 3Dワールドの表示のため、そこそこのPCスペックが要求される(PCによっては起動できなかったり、できても動作が重かったりした)。手元のPC(2021年製、CPU Ryzen 7, MEM 16GB)でも3Dワールド部分のロードや表示はややもっさりする感覚。そのため、あまり3Dワールドを探検する意欲が湧かなかった。
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入門者におすすめできるか?
- 入門者で、これからCloud Practitionerとかにチャレンジしようかな?という場合には、AWSの基本的なサービスの使い方が実際のマネコン操作で学べるため、おすすめできるコンテンツと感じた。(「まずこのコースを一通り終わらせてみよう!」というのにはちょうどよい感じ。)