はじめに
はじめまして。
2022年11月に、PMP(Project Management Professional)® 試験に合格しました。
仕事・家事・育児と慌ただしい日々を送りつつ、2ヵ月で資格取得をした体験をご紹介します。PMP資格に興味のある方や短期集中を考える方の参考になれば幸いです。
こちらに記載した内容は2022/11時点での情報となりますので、ご注意ください。
PMPとは
PMP®とは、プロジェクトマネジメントの専門家であることを証明する資格です。
米国PMIが、PMBOKガイドに基づいて認定する国際資格となり、プロジェクトマネジメントの経験や知識、マネジメントに対する姿勢などの実務内容が問われる試験です。
受験までにはいくつかの条件があり、
・プロジェクトのリーダーの実務経験が必要(学歴による年数や時間の指定あり)
・35時間の公式なプロジェクトマネジメント研修の受講
・PMIへの受験申請(経験プロジェクト毎に英単語200以上で英文作成)
・PMIによる受験申請内容の監査(監査対象に選ばれると追加書類提出)
これらを乗り越える必要があります。
【参考】
PMI日本支部 PMI® 試験・資格について
PMP試験内容の概要
きっかけ
職場の方の合格体験談を聞き、これから挑戦する方にも声掛けをもらったのがきっかけです。以前から関心はありましたが、受験までのハードルが高い!と思っており、費用もそれなりにかかることから、日々に追われて時間がとれないことを言い訳に先延ばしにしておりました。
今回の受験に突き進むスイッチを押してくれた方々に本当に感謝です。
受験までの道のり
1.スケジュール計画
私は働く母、平日は早起きのお弁当作りから始まり、習い事等の送迎が夜遅くまで。週末は家族の予定もあり、自分だけのために落ち着いた時間を取りにくく、夜更かしも苦手です。そのため受験日というゴールを先に決めて自分を追い込み、一気に勉強を進めることにしました。
平日2時間&土日4時間とし、2ヵ月150時間程度と想定したのは、YouTubeを参考にして自分が可能な範囲で決めました。仕事前の1時間、昼休みの30分、寝る前の30分と、小刻みに確保。一日も休まないことも目標としました。プロジェクト管理の用語はある程度理解していたものの、体系的に学んだことがなかったため、これぐらいの時間確保は必要だと感じました。35時間研修もこの勉強時間に含めて行っています。
【参考】
YouTube「I LOVE PM / プロジェクトマネジメント専門チャンネル / イトーダ
2.勉強方法
勉強スタイルは 「ひたすら模擬問題を解く」→「理解していない言葉は書く・調べる・覚える」の繰り返し。最初の2週間は一問解くことに時間がかかり苦戦しましたが、正答率100%を目指し繰り返すうちに、慣れて効率よくなりました。各問題集は8周ぐらい解きました。
書籍レビューや体験談を調べた際、利用した教材が本番試験と違ったという感想も見かけたので、同じとは限らないと心構えを持ちました(私も本番でそう感じました)。
【利用した問題集】
1.豆研 PMP試験対策・基礎編 本格コース
→50問×15章 似た内容の問題も多く、繰り返して用語を覚えるのに役立った。
2.豆研 PMP試験対策・合格編 本格コース
→10問×63章 PMBOK知識エリア ITTOの知識を深めるために役立った。
3.PMI公式問題集
→35時間研修付属問題集(900問程度)シチュエーション問題に慣れるのに役立った。
【購入した書籍】
1.PMP完全攻略テキスト PMBOKガイド第7版対応(翔泳社 鈴木 安而)
→不明な用語を確認するために参照。巻末の問題180問に繰り返し挑戦。
2.アジャイル実務ガイド 日本語版(Project Management Inst;)
→一通り目を通したが、あまり利用せず。
3.PMBOK®ガイド第7版 日本語版(Project Management Inst;)
→一通り目を通したが、あまり利用せず。
【検索した情報】
購入書籍では理解しにくい内容がありました。
様々な参考サイトがあるため、自分が理解しやすい情報の検索をオススメします。
1.PMP 語呂合わせ集
→タックマンモデル等の用語を語呂合わせで覚えるため。
2.PMP ITTO一覧
→PMBOK知識エリアのインプット&アウトプットを確認するため。
3.プロジェクト契約タイプ
→定額契約や定額インセンティブ・フィー (FPIF)等、種類を理解するため。
4.PMP EVM 計算問題
→アーンドバリューマネジメント(EVM)計算式を覚えるため。
3.35時間プロジェクトマネジメント研修
PMI®認定トレーニングパートナー(ATP)提供の35時間公式マネジメント研修のeラーニング形式を選択しました。自分でテキストをめくりながら内容を理解し、練習問題を解く方法です。ある程度勉強を進めてから受講したため、それほど時間をかけずに完了。テキストは日本語訳された内容、理解しにくい表現もありましたが気にせず次へ次へ進めました。
研修は、書籍「PMBOK®ガイド第7版」や学習コース「PMI公式問題集」が付属しているセットを選びました。問題集にはアジャイル開発に関する内容も多く、知識を深めるのに役立ちました。
【受講した研修】
JPSビジネスカレッジ PMP®オンデマンド試験対策コース
4.PMIへの受験申請(英文作成)
PMIの会員か非会員では受験料が異なります。年会費がかかりますが、不合格→再受験となってしまう場合も考え、会員になりました。監査対象に選ばれると追加の書類提出等が必要ですが、私は対象外でした。申請後は、1年以内に試験日を決めてを受験する必要があります。
申請は英文で行います。プロジェクト経験は、1つの内容に対して英単語200以上の文章作成する必要があり、私は3件のプロジェクト経験を記載する必要がありました。翻訳サイトを利用し、日本語→英語、そしてまたそれを日本語に翻訳しなおし、おかしな文章にならないかチェック。5つの項目にわけて内容を整理し、250程度の単語を使い文章作成しました。翻訳サイトのおかげで英文はあまり悩みませんでしたが、最初に日本語で文章をまとめるのに3日間ぐらい悩みました。
【プロジェクト経験 文章構成例】
(i) supervision
→監督(どのようにリードして指揮していたのか等)
(ii) The project objective
→プロジェクトの目標(○○を改善するプロジェクト等の具体的な内容)
(iii) role
→プロジェクトにおける役割(プロジェクトリーダー等の名称)
(iv) key deliverables
→主な成果物(作成したドキュメント類等の名称を含め具体的な内容)
(v) The project outcome
→結果(計画通りに納品できたのか、貢献できたのか等)
【おすすめ翻訳サイト】
DeepL 翻訳サイト
受験
1.試験の予約
試験日は早めに予約することをおすすめします。地域によっては、会場に空きがない場合があります。私は、2ヵ月先の日程なら空きはあるだろうと考えていましたが、最寄りの試験会場は4ヵ月以上先まで空きがなく、オンライン受験も同じく空きがありませんでした。先延ばしにする気持ちがなかったため、最寄りの会場は諦めて少し遠出となる試験会場にて予約しました。
2.試験の当日
試験開始40分前に到着し受付を済ませました。荷物はすべてロッカーへ預け、メモに使えるホワイトボードとペンを渡されました。すぐに開始することも可能と言われ、時間より早く開始。部屋には複数の人の出入りがありましたが、耳栓とヘッドフォンが貸し出され、他の音を気にすることなく集中できる環境でした。
試験は180問230分。単一選択、複数選択、選択肢を組み合わせる形式等がありました。60問ずつの3区切りとなっており、60問の後と120問の後に10分間の休憩をはさみます。休憩中は画面がロックされた状態へ。休憩は早めに切り上げることが可能で、私は5分程度とし、席で目を休めたのみでした。
出題の予想が外れました。 一問ぐらいはあるだろうと思った「計算問題」はなく、渡されたホワイトボードは使いませんでした。また問題のシチュエーションとして「アジャイル開発」が多いのではと予想していましたが「ハイブリッド開発」が多く、問題集ではあまりない出会ってない内容でした。きっちり暗記した「プロセスのITTO」「契約タイプ」を直接問う内容はありませんでした。ただし、理解していないと解けない問題はありました。
試験開始直後、自分が解いた問題集と言葉の表現や視点が異なっており、焦りと戸惑いの気持ちになりました。しかし、落ち着いて読み進めれば理解はでき、回答に悩んだ問題もありましたが、すべて終わった時は15分時間が余りました。最後の回答を終えてボタンを押下すると「おめでとうございます」の文字が表示され、無事に合格できたことがわかり、嬉しい気持ちになりました。
さいごに
試験勉強を開始した際、先輩合格者に「今まで自分が経験したことはいったん置いといて、新たな気持ちで勉強したほうが良い」とアドバイスを受けました。勉強を進めてみると、その言葉の意味がよくわかりました。自分の経験した知識が正しい回答に結びつかない場合もあり、改めて学ぶ機会をもったことは自分にとって大変プラスになりました。今回、挑戦して本当に良かったです。
長文となりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
PMP取得を目指す方の参考になれば幸いです。