[2018/05/08]
Project Honoluluは2018年4月にWindows Admin Centerという名称でGA(正式リリース)になりました。
本記事の情報は少し古くなっていますので、詳細はMicrosoftのドキュメントを参照して頂くのが良いかと思います。
https://docs.microsoft.com/en-us/windows-server/manage/windows-admin-center/understand/windows-admin-center
先日(10/17)、「Windows Server version 1709」がリリースされました。
どうせ2016から大して変わってないんじゃろ?と思いながら@ITさんの記事を眺めていたら、こんな記述がありました。
Microsoftは2017年9月、Windows Serverの新しい管理プラットフォーム「Project "Honolulu"」を発表した。
Project "Honolulu"は、ローカルにデプロイできる新しい柔軟なブラウザベースの管理プラットフォームだ。
ハイブリッド環境と従来の非接続型サーバ環境をサポートし、
一般的なIT管理タスクを迅速かつ簡単に行えるソリューションを提供する。
デプロイサイズは軽く、Windows Server version 1709に加えてWindows Server 2012/2012 R2/2016をリモート管理できるという。
ほほう、気になる。
ということで「Project Honolulu」について調べてみました。
公式ドキュメント
Project HonoluluについてのMicrosoft公式ドキュメントはこちらにあります。
https://docs.microsoft.com/en-us/windows-server/manage/honolulu/honolulu
現時点では英語のみで、日本語のドキュメントは存在しないようです。
Honoluluとは?
Ignite 2017で発表された、Windows Serverの新しいGUI管理ツールです。
従来の伝統的な管理ツールである「Microsoft管理コンソール(MMC)」や「サーバーマネージャー」とは異なり、
ブラウザベースのモダンな設計になっています。
現在開発中で、テクニカルプレビュー版が公開されています。
Honoluluはオンプレミス環境のWindowsマシンを管理するために設計されていて、
インターネットへの接続は一切不要です。
そのため何らかの理由でAzureなどのクラウドサービスが導入できない環境でも利用可能です。
Honoluluの特徴
シンプル
Honoluluはシンプル&クリーンに設計されています。
ブラウザベースのシンプルなGUIで複数台のサーバを一括管理でき、
複雑なツールをいくつも切り替えながら使う従来型の重厚長大なシステムとは異なります
容易な導入
Windows10もしくはWindowsServerの端末で軽量なイントーラを一つ実行するだけで管理用端末のセットアップが完了します。
管理される側のサーバにはエージェント等の導入は不要で、
OSに標準で組み込まれているPowerShellリモート管理(WinRM)機能を有効にするだけでOKです。
※管理される側がServer 2012もしくは2012R2の場合はWMF5.1の追加インストールが必要
多様な環境に対応
Honoluluで管理できる環境はスタンドアロンのWindows Serverだけではなく、
Windowsクラスタ構成やHCIクラスタ構成のサーバ群も管理できます。
また、Hyper-V ServerやServer CoreインストールといったGUIを持たないサーバも、
Honoluluに接続することでGUIで管理操作を行うことができます。
Honoluluの構成技術
Honoluluをインストールした管理用端末はWebサーバとして動作し、管理者にWebインターフェースを提供します。
管理される側のサーバ群とはPowerShell / WMI over WinRMを使用して接続し、情報の取得や管理操作を実行します。
管理用端末はブラウザ上のGUI操作をPowerShellコマンドに変換してサーバ群に伝達することから、「ゲートウェイ」と呼称されているようです。
上図ではゲートウェイがインターネットに接続されているように描かれていますが、
これはインターネットに公開することで管理者は社内LANの外からでも管理できて便利だよということを示しているだけで、
インターネットへの公開は必須ではありません。
Honoluluで出来ること
Honoluluは現在テクニカルプレビュー版であり、
従来のMMCコンソールで可能な管理作業の全てを代替できるわけではありません。
現時点(1711 build 15002)で可能な管理作業は以下の通り。
- システム設定の表示・変更
- 再起動、シャットダウン、PC名変更、環境変数の設定、リモートデスクトップ設定など
- リソースの表示と使用率の監視
- CPU使用率やネットワーク使用率をグラフでリアルタイム表示
- 証明書の管理
- イベントビューア
- ファイルエクスプローラー
- ファイルアップロードもできる
- ファイアウォールの管理
- ローカルユーザ・グループの設定
- ネットワーク設定
- IPアドレス、DNSサーバの指定など
- PowerShell対話コンソール
- 動作プロセスの表示、停止、プロセスダンプの取得
- レジストリ編集
- リモートデスクトップ接続
- 役割と機能の追加、削除
- サービス管理
- Hyper-V仮想マシンと仮想スイッチの管理
- ストレージの管理
- パーティション操作やVHD作成など
- Windows Updateの管理
- 更新プログラムの確認、インストール、履歴表示
サポートされるOS
Honoluluをインストールして管理端末として使用できるOSはWindows 10もしくは2016以降のWindows Serverです。
Honoluluで管理することが出来るOSは2012以降のWindows Serverもしくは2012R2以降のHyper-V Serverです。
また、一部機能が制限されますが、クライアントOSであるWindows 10も管理対象とすることができます。(1711 build 01003以降で対応)
FAQ
Azureが必要なの?
いいえ。ローカルに展開でき、インターネット接続は不要です。
対応ブラウザは?
イマドキのブラウザなら。テストはEdgeとChromeでやってます。
いつGA(正式版)になるの?
2018年のいつか。
でもお高いんでしょう?
FREE!
感想
ドキュメントを読んでるだけだとなかなか良さそうですね。
ではさっそくテクニカルプレビュー版を試してみましょう。
次回につづく。
[2017/12/03]
最新バージョン(1711 build 15002)の公開に合わせて一部追記しました。