HRBrainアドベントカレンダーの1日目の記事です🎄
はじめに
これまで、メガベンチャー〜スタートアップにて非エンジニア・PdM未経験でtoC・SaaSのPdMを担当してきて、たくさん失敗をしてきました。
同じ失敗を繰り返す人が少しでも減ればと思い、また非エンジニアでもPdMとして輝く人が増えればと思い、自分がPdMとして立ち上がり期にぶつかった壁とその乗り越え方について書きます。
📚この記事はこんな人向けです
- 非エンジニアだけど、PdMとして働いてみたい方
- 非エンジニアのPdMを育成したいが、立ち上がるか不安な方
📚読まなくてもわかるまとめ
- 要件を作れない、成果が出ない、自信を持てない、が立ち上がりでぶつかった3つの壁
- 要件はインプットすれば作れるようになる。非エンジニアでもユーザーに価値は届けられます。
- 成果が出ない、はアウトカムのものさしとジョブの理解で乗り越える。
- やりきった経験が自信になる。人事を尽くして天命を待ちましょう。
💬自己紹介
これまでこんなことをしてきた人です。
- サイバーエージェントのマッチングアプリ部署で新卒からPdM、新規事業責任者、PMM
- エンゲージメントサーベイを提供するHRSaaSスタートアップ・welldayでVPofCSとしてCS、FS、MKT、PdM
- 現在はHRBrainに事業譲渡してグループジョイン、パルスサーベイ・ EX IntelligenceなどサーベイプロダクトのPdM
立ち上がるまでの3つの壁
壁その1:要件が作れない
どういうことか
新卒でマッチングアプリのPdMを担当した時のこと。当時は内定者でしたが、day1でアプリのある機能の画面仕様を作ってください、となった時、自分にはアプリの知識もないし、エンジニアリングの知識もないし、何から始めれば良いのか?どう考えれば良いのか?が全くわかりませんでした。
なぜそうなるのか
振り返ると、ユーザー体験とインターフェースのインプットが足りていませんでした。
例えばマッチングアプリなら、ユーザーがサービスを使う時にどんな期待をしているか(まずは彼氏彼女が欲しいのか・それとも結婚前提なのか)、どんな人とマッチングしたいのか(顔がタイプなら良いのか、目的が同じ方が良いのか)、マッチングした後どうやってお付き合いに至るのか、の一連の体験の流れを知りませんでした。
また、その体験を支えるインターフェースとして、どんな画面だと使いやすいのか(ざっと一覧で並べて見たいのか・一人ずつフリックしたいのか)、写真を一番に見たいときにどんな見せ方だと一番魅力的に映るのか、そのパターンを知りませんでした。
どうやって乗り越えたのか
ユーザーとして体験を語れるくらい、ユーザーの求めているもの・サービスの使い心地・サービス群のパターンをインプットして、ようやく要件とはなんたるかが理解できました。
具体的には、類似製品をユーザーとして使ってみたり、付き合った以降の体験はユーザーインタビューをしたりしました。SaaSのPdMになってからは自分がセールスとして製品を売ったり、カスタマーサクセスとして導入したお客様の運用の立ち上げを伴走したりしていました。
サイバーエージェントの新卒時代を振り返ると、当時はこれらのインプットを仕組み化した研修がありました。藤田社長にサービスの改善策をプレゼンして良いアイデア順に得点がつく「ポイントすすむくん」という研修です。
毎回「アメーバピグ」「AbemaTV」などのサービスを指定され、UXの改善ポイントを3案提案します。社長直々に見てもらえて、かつ点数が全社に公開されるので、負けず嫌いな新卒たちは一生懸命取り組んでいました。これで自然とサービスを触る習慣がつきましたが、ドメインやユーザーが異なれど体験理解とインターフェースのパターンのインプットという本質は同じだと感じています。
今日からできる!要件を作れない壁の超え方
同じドメインのトップサービス3つのアカウントを作り、
ユーザー体験とインターフェースをインプットする💪
壁その2:リリースしても成果が出ない
どういうことか
SaaSのPdM担当時のこと。毎週リリースをしているのに、満足度が一向に上がらない…。PMFに向けて前進しない…。売上が上がらない…。前進しない日々が続きました。
なぜそうなるのか
顧客の要望をそのまま作り、アウトプットするもののアウトカムに繋がらない「ビルドトラップ」にハマっていました。特に当時は自分でCSも担当していたので、目の前のお客様の要望に応えたい気持ちが空回っていましたorz
どうやって乗り越えたのか
①リリース数ではなく、アウトカムを物差しにして優先度を決めること。
②ユーザーのジョブ(=本当にやりたいこと)を見極めて実現方法と要件を決めること。
この2つを実施しました。
アウトカムとは、例えば、toCなら売上やユーザーのアクティブ率、SaaSなら受注率やチャーンレート、その先行指標としての顧客満足度や機能利用率など。
ジョブとは、お客さんの本当にやりたいことは何か?を見極めることです。
当時は、アウトカムとしてチャーンレート(解約率)の手前の顧客満足度が改善するか?をものさしにしました。
この意思決定で、「これは確かにちょっとした体験の負ではあるけど、こういう使い方をしたら乗り越えられるよね。だから今は優先度を下げよう」という判断がつくようになったり、「これって本当に継続率に効くのかな?この機能が欲しいと言っているけど、実はお客さんってこういうことをしたくて、それはこの使い方で実現できるんじゃない?」という議論が生まれ、開発以外の実現方法でカバーしたり、これまで出なかったプロダクトの打ち手の方向性を検証したりできるようになりました。
ユーザーはサービスを使いたいのではなく、ジョブを片付ける簡単な方法を探しています。それはプロダクトで解決できなくとも究極良いのです。例えば、toBであればカスタマーサクセスから人がカバーできれば良いかもしれません(もちろん工数を考慮すべきという論点はありますが)。toCであればFAQを充実させれば解決できるかもしれません。
この柔軟さを持つことで、リソースを解くべき課題に集中させることができ、チャーンレートも、受注率も改善していきました。
今日からできる!成果が出ない壁の超え方
ユーザーに要望されたままの要件を作るのはやめよう!
アウトカムの定義を決めて、やるべきことの優先度をつけよう!
壁その3:意思決定に自信が持てない
どういうことか
マッチングアプリのPdMとして高い目標を任された時、「この意思決定で本当に成果が出るのかな」「チームはついてきてくれるだろうか」と不安で、whyとwhatをリードするPdMとして、リーダーシップを発揮できない時期がありました。
なぜそうなるのか
経験も少なく、成功体験がない中で、自分自身の思考や判断の基準に自信を持てていませんでした。
かつ、「自分でどうにかしなければ」という狭い思考にとらわれて、手段を制限していましたorz
どうやって乗り越えたのか
成果を出すために打てる手を全て尽くすマインドを持つことが変換点でした。それは、時には他の人の頭脳や手を借りることも含まれます。手を尽くして成果につながった成功体験を積むことがいちばん自信につながりました。
当時は、UX改善で課金率を上げて月の売り上げを最大化することがミッションでした。経験がないにも関わらず、自分の頭だけで考えて計画を立て、案の定未達の着地が見えていました。そこで当時の上長から「人を頼れ。抱え込むな。」と叱咤激励を受けました。
これをきっかけに、エンジニアのアイデアを借りてアルゴリズムの改善に着手したり、開発の進め方も工夫したり、上長のアイデアを借りてキャンペーンを実施したり、打ち手の幅も実現方法の幅も広がって、やれることは全部やった!という状態でした。結果として、その期の達成につながりました。
自分の場合は無意識に設定していた行動のリミッターを外してもらったことがきっかけになりました。もし同じ局面にぶつかっているPdMがいたら、ぜひ抱え込まずに周りを頼ってみてください。
一方で、成功体験を積みづらい場合はどう乗り越えるのか。SaaSのPdM時代はアウトカムが出ない時期が続きました。探索フェーズのプロダクトだと成果が出づらい時期が多いです。そのフェーズでも壁の乗り越え方は同じでした。
ファーストリテイリングの柳井さんの名著に「一勝九敗」がありますが、たとえ失敗しても何度も挑戦して、次の成功確度を高める学びを得られれば良いのです。当時は試行錯誤の中で仮説がシャープになる経験を積み重ねることで、チームの仮説と顧客の体験と成果が連動する感覚が生まれ、自信につながりました。
今日からできる!自信が持てない壁の超え方
人の力を借りてみよう!
失敗で落ち込むのではなく、学びを言葉にして次へチャレンジしよう!
まとめ
要件を作れない壁の超え方
ユーザー体験とインターフェースをインプットする💪
成果が出ない壁の超え方
アウトカムをもとに優先度を決めて、ユーザーのジョブを深掘る💪
自信が持てない壁の超え方
一勝九敗で成功体験を積む💪
最後に
ここまでご覧いただきありがとうございました!
これらの失敗談が少しでもリミットレスな挑戦の支えになれば嬉しいです。
HRBrainでは非エンジニアのPdMがたくさん活躍しています。
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