この記事は KLab Engineer Advent Calendar 2019 23日目の記事です。
Advent Calendar は一昨年、去年に続き参加する mizusawa-k です。よろしくお願いします。
はじめに
昨今、技術同人誌イベントの盛り上がりが出てきており、中でも特に大きなイベントである技術書典では
来年開催される第8回にてこれまでの一日開催から二日開催にするという試みが取られています。
本記事ではこのような技術同人誌の執筆とイベントへの参加を
過去5回会社の有志で行い、個人でも行なってみた筆者が思う技術同人誌執筆の
楽しさ、効果について紹介したいと思います。
技術同人誌イベントとしては最も規模の大きなイベント、技術書典のサイトページ
<技術書典サイトページリンク>
筆者が過去執筆に関わってきた技術同人誌
下記に筆者が過去執筆に関わってきた技術同人誌に関わるリンクをまとめます。
ここでまとめているのは全て会社の有志で参加したもので、個人で参加したものは載せていません。
リンク先のpdfと告知ブログで同人誌の内容が分かります。
また、Vol. 2から社内デザイナーの方に作成して頂いている表紙制作の取り組みについて
最近社内ブログの方で紹介記事が投稿されていましたので、そちらのリンクも載せておきます。
技術書典で頒布した同人誌
- KLab Tech Book Vol. 1 ※筆者は本文で参加
- KLab Tech Book Vol. 2 ※筆者は本文で参加
- KLab Tech Book Vol. 3 ※筆者は本文で参加
- KLab Tech Book Vol. 4 ※筆者は本文で参加
- KLab Tech Book Vol. 5 ※筆者は取りまとめで参加
表紙制作の取り組み紹介記事
そもそも技術同人誌イベントとは
技術同人誌を書き、本にして頒布する即売会です。
技術同人誌を出すべく参加した人達に割り当てられたスペースに来てくれた人は、
スペースでそのイベントでの頒布のために発行された新刊を立ち読みしたり、
新刊を執筆した本人とその内容などについて話したりすることができます。
技術同人誌イベントに参加する楽しさ、効果
本を作れる
まずそもそもとして、
普段普通に生活していたら本を一冊作って売るという経験はなかなか出来ないことと思います。
同人誌制作では自分の好きなことについて好きなように本の形にする事が出来ます。
アウトプットになる
エンジニアはアウトプットが大事、ということはよく言われることだと思いますが、
エンジニアの仕事はプログラムやアプリを作ることだけではなく、
ドキュメントやメールといった文書作成も多くあります。
技術同人誌執筆はこうした文書作成スキルの向上にも役立ちます。
技術力アップになる
筆者自身も経験があるのですが、執筆する事でわかっていたつもりだった事が
実はあまりよくわかっていなかった、という事がままあります。
自身が書いた記事のレビューをして貰って初めて分かることもあれば、
レビューしてくれた人自身がああ、そういうことだったのか、と気付きを得た
発言を耳にすることもあります。
宣伝で反応を見ることができる
宣伝でTwitterやブログなどで紹介すると少なからず反応してもらえます。
宣伝の仕方の工夫でもその反応の数、内容が変わってくるので、
都度試行錯誤してその結果を見るのも楽しいものです。
イベントで反応を見ることができる
直接即売するイベントなので、目の前で本を読んで買って貰えます。
熱心な方の中には本の内容について質問をくれたりする事もあり、
初めて会った読者の方からの知見を頂く事もままあります。
また、そうしたやりとりの中で自分の技術レベルがどれくらいのものなのか知れる事もあります。
自分が所属している会社以外でも自分が持っていない知識、経験を持った人の感覚に触れられる
機会を持てるというのはエンジニアのような知識や経験が勝負になる職業では大事な事だと思います。
書いた記事を引用、活用してもらえることがある
読者からの反応の中でもかなり嬉しい部類のものですが、
自身の書いた記事を引用して頂いたり、自身が書いた記事の中で作った成果物を
利用、応用したという話を聞くととても嬉しい気持ちになれます。
筆者自身、KLab Tech Book Vol. 2で執筆した
AWS CodebuildでRE:VIEWのCIを回すという記事は、
「実際のところ、マニュアル見ながら作ってみた作業をまとめただけだしな...
でも、画面スクショ載せたチュートリアルみたいな記事は一度書いてみたいんだよね。」
と思いながらも書いて出してみたところ、
XFLAGさんの有志執筆CI環境の構築で参考にして頂いたとのブログ記事 を拝見して
たいへん驚き喜びの気持ちを感じた記憶があります。
このように、自分が思っている以上に自分が書いた記事が他者に価値を感じて頂いて、
利用してもらえるという事がありえるところにも技術同人誌の良さがあると思います。
普段の業務でやらないような事を経験できる
技術同人誌制作にあたってはエンジニアが普段あまりやらないような
企画や宣伝なども行います。
こうした経験はそれ自体楽しいものであったりしますし、
また普段の業務でも企画職、マーケティング職の方がやっていることや
考えていることについて実戦で理解を深めることができます。
個人でやる場合、自分が唯一の責任者となって全てを決めて実行できる
個人でやる場合、自分一人しかいないので
どういうネタで技術記事を書くか、また表紙や本文のデザインをどうするか、
本の印刷方法や部数をどれくらい刷るかといった事を
都度自分一人で判断して実行する必要があります。
最終的に、その判断と実行の成果は
イベント当日以降に頒布出来た部数の数やスペースに来て頂いた方の立ち読みの反応
といった形などで確認する事が出来ますが、
いわゆるプロダクトオーナーという立場で、本のリリースについて責任を持ち
自分の持つ時間やお金といった制約の中で最大限の裁量を持って動けるのは
大きな経験となると思います。
会社の有志でやるとさらに楽しい
他の執筆メンバーの記事をレビューしたり、して貰ったりという事を通じて、
自分の知らない技術分野のキャッチアップもできたりします。
また、普段業務で関わらない人とも関わるきっかけになったりして、
業務内外での新たな縁も芽生えます。
筆者自身、エンジニア同士での技術ネタの会話や
デザイナーの方との表紙制作のアイデア出しなどでとても楽しくやらせて頂いていますが、
一緒に一つの本を出す、というのはとても有意義で楽しいものがあります。
まとめ
以上、技術同人誌執筆のこういうところが楽しいよ、という話をつらつら紹介してきました。
実際には、会社での取り組みでは
スケジュールを最初に立てても本業や何かしらの予定が差し込みで入ったりなどで
自分の本文執筆がスケジュール通り進められた試しが実はなかったり(でもなんとかする)、
夜な夜な原稿のテキストをGitでプッシュして
会社の技術同人誌制作チャンネルに原稿のpdfをCI経由でいくつも投稿させたり、
個人での取り組みでは
イベント当日にキンコーズに駆け込んでそこそこお高めな印刷代と引き換えに
断裁された綺麗なカラー表紙の中綴じ本を数十部刷ってもらい、
完売してギリギリ印刷代の回収が出来るような本の頒布をしてたりとしますが、
わたしはそれでも本を出してイベントに出る楽しさ、効果を求めて参加しています。
技術同人誌の執筆活動、人それぞれの参加する・参加し続ける理由があります。
一度、あなたの持ってる技術知見のアウトプット、してみませんか?
最後に... 宣伝
KLab有志で次回の技術書典8に参加しますので、よろしくお願いします。
次回も社内エンジニア、デザイナーが好きなモノを好きなように描いた 楽しい本 を出す予定です。
筆者は前回取りまとめでの参加でしたが、前々回ぶりにまた技術記事を書きたいと思います。
各種技術ネタはもちろん、恒例になりつつある可愛いメガネっ娘達の新たな一面も
お出しできるのではないかと思います。
明日の Advent Calendar は @suzuna-honda さんです。お楽しみに。