GitLab CI + Docker で Android のインストゥルメント化単体テストを実行する

インストゥルメント化単体テストとは、実機やエミュレータで実行する単体テストのことです。このテストでは、Android フレームワーク API や、AndroidX Test などのサポート API を利用できます。¹
本記事では、実機を用いず、 Docker 上の Android エミュレータで単体テストを実行する方法を記載します。単体テストは GitLab CI によって自動実行されます。

利用するもの & 動作確認したバージョン

• Ubuntu 20.04.1 LTS
  • Docker version 19.03.8
    • Android Emulator Container Scripts
      • Android emulator version 30.1.2.0
    • Docker for Android SDK 30
  • GitLab Runner 13.6.0
• GitLab 13.6.3 (Community Edition)

事前準備

1. Ubuntu PC に Docker をインストール
2. Docker を root 以外のユーザーでも実行できるようにする
   手順 : https://docs.docker.com/engine/install/linux-postinstall/
3. Ubuntu PC に GitLab Runner をインストール
4. GitLab Runner を GitLab へ登録する
   Enter the registration token: で入力するトークンは、GitLab の管理者エリア http://<GitLab アドレス>/admin/runners で確認できます。
   Enter an executor: では docker を入力する

Docker 上で Android エミュレータで実行する

Android Emulator Container Scripts を利用します。

Docker コンテナの起動

docker run \
  -d \
  --restart=always \
  -e ADBKEY="$(cat ~/.android/adbkey)" \
  -e EMULATOR_PARAMS="-wipe-data" \
  --device /dev/kvm \
  --publish 8554:8554/tcp \
  --publish 5555:5555/tcp \
  --name android-emulator \
  us-docker.pkg.dev/android-emulator-268719/images/30-google-x64:30.1.2

オプション --restart=always を指定することで、下記の場合に自動で Android エミュレータを起動します。²

• Ubuntu PC が再起動した場合
• Ubuntu PC 上の Docker デーモンが再起動した場合
• Docker コンテナ上の Android エミュレータが終了した場合

環境変数 EMULATOR_PARAMS="-wipe-data" を指定することで、 Android エミュレータを起動する際に、エミュレータ上のユーザーデータを削除します。³
例えば、 adb reboot -p コマンドで Android エミュレータを終了すれば、ユーザーデータが削除されたエミュレータが起動します。単体テストを繰り返すことで、共有ストレージなどに不要なファイルを残してしまうかもしれません。それらが消去されます。もちろん、他の単体テスト結果に影響しないように、そのようなファイルは残さない単体テストにするべきです。

Docker コンテナの削除

前述の手順で、 Docker コンテナ上の Android エミュレータが常時起動されます。
Android エミュレータが不要になった場合は、下記コマンドでコンテナを削除します。

docker rm -f android-emulator

GitLab 上の Android プロジェクトに CI/CD を設定する

リポジトリのルートディレクトリに .gitlab-ci.yml ファイルを作成する。

.gitlab-ci.yml

image: androidsdk/android-30:latest

cache:
  paths:
    - .gradle/wrapper
    - .gradle/caches

before_script:
  - export GRADLE_USER_HOME="${PWD}/.gradle"
  - chmod +x ./gradlew

stages:
  - check
  - connectedCheck

check:
  interruptible: true
  stage: check
  script:
    - ./gradlew -Pci --console=plain assembleDebug lintDebug testDebugUnitTest
  artifacts:
    expire_in: 1 week
    paths:
      - app/build/outputs/
      - app/build/reports/

connectedCheck:
  interruptible: true
  stage: connectedCheck
  before_script:
    - adb connect 172.17.0.1:5555
  script:
    - ./gradlew -Pci --console=plain connectedDebugAndroidTest
  artifacts:
    expire_in: 1 week
    paths:
    - app/build/reports/androidTests/

172.17.0.1 は Docker コンテナからみたホスト PC の IP アドレスです。
環境や Docker のネットワーク設定によっては、これと異なる可能性があります。
Docker Desktop for Mac や Docker Desktop for Windows の場合は、
IP アドレスの代わりに host.docker.internal でもアクセスできるそうです。⁴

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1. インストゥルメント化単体テストを作成する  |  Android デベロッパー  |  Android Developers ↩

2. Start containers automatically | Docker Documentation ↩

3. コマンドラインからのエミュレータの起動  |  Android デベロッパー  |  Android Developers ↩

4. Dockerのコンテナの中からホストOS上のプロセスと通信する方法 - Qiita ↩