【Microsoft Mesh最新動向】Teamsに統合されたImmersive Eventsを解説!
最近、Microsoft Meshに大きなアップデートがありました。合わせて様々なアナウンスもされています。この記事では現在提供されているMeshに関する今後のアナウンスと、新しく提供されるImmersive Eventsに関する情報を提供します。
要約すると以下のような話が書いています。
- Unityを利用したMesh toolkitによるカスタム環境開発は2025/06/24で廃止
- 現在提供されているMesh関連サービスは2025/12/01でサポート終了
- Teams 会議(immersive 3D)
- Microsoft Mesh App (PC)
- Quest向けのMesh
- Mesh ポータル
- これまでのMesh系サービスの代わりにImmersive Eventsが提供される
- 現在はパブリックプレビュー版
- Teams会議のバリエーションとしてMeshのように3D体験が可能に
- 空間のカスタマイズについては、テンプレートの空間にオブジェクトで装飾する仕組み
- https等で取得可能であれば取込み可能。3Dモデル(.glb)も利用可
- 機能としてはteamsの一部となっているため要ライセンス(Office365 E3 + Teams Enterprise)
- Immersive Eventsを開催、空間のカスタマイズにはTeams Premiumライセンスも必要(参加者はPremiumは不要)
- そのほか利用方法や手順などを記載
まずは、Mesh関連のアナウンスから紹介します。これはかなり重要な内容となっています。
🔥 Mesh Toolkitが廃止!Unity開発は終了へ
2025年6月24日、MicrosoftはMesh Toolkitの廃止が発表されました。以下はサイトの引用です。
重要
2025 年 6 月 24 日より、Microsoft Mesh ツールキットは廃止され、Microsoft Mesh は進化します。
Microsoft Mesh のお客様に最高のエクスペリエンスを提供するという継続的な取り組みの一環として、ユーザーがカスタマイズ ツールやスクリプト機能と対話する方法が進化しています。 Mesh Toolkit と Mesh のカスタマイズ機能は、近い将来に大幅に変更され、運用を合理化し、将来の機能強化に備える予定です。 すべてのカスタマイズをアプリ内のコードなしのカスタマイズ エクスペリエンスに移行する予定です。
メッシュ エクスペリエンスを作成するこの新しい方法に移行するにつれて、作成者ツールの現在の実装と可用性を変更します。 2025 年 6 月 24 日より、Mesh ツールキットを使用した Mesh への新しい環境の公開はサポートされません。 2025 年 6 月 24 日より前に公開された既存の環境は、引き続き期待どおりに機能する可能性がありますが、Mesh ツールキットでは編集できません。 コードなしのカスタマイズ ツールが利用できるようになると、組織は同様のイマーシブ エクスペリエンスをより簡単に作成して維持できるようになります。 ツールが利用可能になったときにエクスペリエンスを再構築するためのベスト プラクティスに関するガイダンスを公開し、また、以前のイテレーションが使用できなくなる前に、これらの新しいツールを使用してエクスペリエンスを再作成するのに十分な時間を作成者に提供します。
-- 引用元:Mesh Development Overview --
これにより、Unityを使ったワールド開発は不可となっていました。既にアップロードしたカスタム環境や、既存の環境については利用することができる状態でした。ただ、ここに記載がある「コードなしのカスタマイズ ツール」が事実上提供されていない状況が続いています。
Mesh Toolkitに加えてMeshそのものも。。。
8月にはMesh Toolkitについでmicrosoft Meshそのものについてもアナウンスがされることに。
重要
重要な更新: Teams のイマーシブ イベントへの移行
2025 年 12 月 1 日の時点で、Microsoft は Teams 会議、Microsoft Mesh on the web、Microsoft Mesh PC と Quest アプリのイマーシブ 空間 (3D) ビューを廃止します。 これらのエクスペリエンスは 、Teams のイマーシブ イベントに置き換えられ、引き続き魅力的なコラボレーションイマーシブ イベントの提供に投資を続けています。
Teams でのイマーシブ イベントの概要。 Teams で適切に構築することで、既に知っているツールを使用してイマーシブ エクスペリエンスを計画、管理、起動できます。
この日付の後:
Teams 会議で "イマーシブ スペース (3D) " ビューを使用できなくなります。
mesh.cloud.microsoft Web サイトでは、イベントのスケジュール設定やテンプレートと環境の管理はサポートされなくなりました。
Mesh PC アプリと Quest アプリは、Mesh イベントへの参加をサポートしなくなりました。
-- 引用元:Microsoft Mesh Overview --
実はこのアナウンスに合わせて提供が開始されるのが「Immersive Events」になります。
Immersive Eventsとは?
Immersive Eventsは現在パブリックプレビュー版で提供されているため、正式リリース時には仕様などが変更になる可能性があります。
Teamsに統合された新しい3Dイベント機能です。基本的な部分はこれまでのMicrosoft Meshと違いはありませんがいくつか仕様変更が入っています。
Teams会議の1つのバリエーションとして提供
これまでのMicrosoft MeshはMesh ポータルからイベントの作成を作成していました。Immersive Eventsでは会議イベントを作成する際に選択する方式に変わっています。つまりTeamsに閉じた状態でImmersive Eventを作ることができます。
カスタマイズはノーコード方式に
Immersive Eventsでは3つの環境が提供されており、これらの空間をベースにカスタマイズします。以前のMesh ToolkitではUnityで開発が可能だったため、この空間を作成することができました。
Immersive Eventsでのカスタマイズは、ベースの空間にオブジェクトを配置することで構築することが可能です。画面共有やスポーン地点といった標準的なものだけでなく、3Dモデル、画像、音声、動画といったメディアも配置できるだけかなり柔軟な空間を構築することができるようになっています。
利用できる空間
利用できる空間は以下の3つとなっています。
Oasis | Canvas | Cascades |
---|---|---|
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会議室風ミーティング空間 | カスタマイズが前提ミニマムな空間 | 大規模向けカンファレンス空間 |
仕様
Immersive Eventsで開催できるイベントの仕様は以下のようになっています。
- イベント定員:300名
- 主催者定員:10名
Immersive Eventsは、culterやVRCHATのよう参加者が一堂に会する空間を提供するわけではありません。1空間当たりの人数を絞り、参加人数に応じて空間をクローンして利用する仕組みになっています。以下は現在のMicrosoft Meshポータルでイベントを作成する際に表示される説明なのですが、Immersive Eventsもまさにこの仕様と同じ形になっています。
主催者、発表者、質問者のシルエットや音声、共有資料は各会議室にブロードキャストされる仕組みです。実際にImmersive Events内でイベントの状態を確認すると以下のように複数のルームが展開されています。
実際の空間での人の見え方としては同じ会議室に入っている人同士はアバターで表示、それ以外はプロフィールアイコンが表示されます。エモーション等の絵文字は共有されます。
ライセンス要件
Immersive Eventsで必要なライセンスはこれまでのMicrosoft Meshと同等です。Teamsが利用可能なライセンスを持っている必要があります。
Immersive Events参加するだけであればこれらのライセンスのみで問題ありませんが、Immersive Eventsを主催およびカスタマイズする場合は、作業を行うユーザがTeams Premiumライセンスを持っている必要があります。つまり何らかの組織アカウントを持っている必要がります。現在はMSアカウントでは利用できません。
- Teams Essentials
- Microsoft 365 Business Basic
- Microsoft 365 Business Standard
- Microsoft 365 Business Premium
- Microsoft 365 E3/E5
- Office 365 E1/E3/E5
加えて
- Teams Prmium(Immersive Events主催、カスタマイズユーザのみ)
次にImmersive Eventsの利用方法について解説みたいと思います。
🛠 イマーシブイベントの作成方法
最初に、TeamsでImmersive Eventsを使えるようにする必要があります。現在Immersive Eventsはパブリックプレビュー版として提供されているためTeamsからパブリックプレビューを有効にします。
Teamsを立ち上げて[メニュー]-[設定]-[Teamsについて]を選択し、一番下にある早期アクセスのパブリックプレビューにチェックを入れると有効になります。
この設定を有効化している&Teams Premiumライセンスを保有しているユーザで予定表の新しいイベントを開くとイマーシブイベントが選択できるようになります。
スケジュール手順(Outlook/Teams)
- 予定表から[新しいイベント]-[Immersive Event]を選択
- 日程・参加者・空間(Oasis / Canvas / Cascade)を設定
- 保存(※主催者はTeams Premium必須)
注意点として保存すると空間の選択はできなくなることです。もし間違った空間を作成した場合はイベントの再作成が必要になります。このままでもMeshアバターを使って没入空間で会話することが可能になりますが、追加でカスタマイズを行うことも可能です。
早期アクセスの項目が出てこない場合
上記の説明の中であった早期アクセスの項目ですが、これが表示されない場合は組織でTeamsでプレビュー機能の表示がオフにされている可能性が高いです。この設定を変更するためにはMicrosoft Teams管理センターで変更する必要があるため、権限のある管理者が実施する必要があります。
🎨 カスタマイズ可能なオブジェクト一覧(画像付き)
カスタマイズは保存済みのImmersive Eventに対して実施することが可能です。編集対象のとなるイベントの詳細を開き右上のメニューから[イマーシブでカスタマイズ]を選択すると空間の中に入ることができます。
空間に入った後、中央下付近にメニューがあり、左のエディターを選択すると空間の中にあるカスタマイズ可能なオブジェクト一覧が表示されます。初期状態ではスポーン地点や画面共有といった最小限のオブジェクトは配置済みになっています。
既に配置済みのオブジェクトを削除する場合は対象のオブジェクト横のゴミ箱を押すことで削除可能です。追加の場合はエディターウィンドウの[+]ボタンを押下します。押下すると配置可能なオブジェクトの一覧が表示されるので選択します。
オブジェクトが配置されるとオブジェクトに応じて追加設定項目が表示されます。
移動・回転・サイズ変更は各マーカーを操作します。
以下は、Immersive Eventsで使用可能なカスタマイズオブジェクトの一例です。
3Dオブジェクトや、画像等情報を埋め込むタイプのオブジェクトにはURL設定項目があります。手順ではOneDrive上に格納された資産の共有URLを指定します。URLは参加者が全員アクセス権がある状態で使う必要があります。