ついに自分のHoloLensにもこの時が来ました。
HoloLens は発売されてから2年近くたちます。そこそこ使っていると「ある部分」が壊れることが結構多いんです。つい先日自分のHoloLensも「カチカチカチ・・・バキッ」っとパーツが割れてしまいました。。。。
知っての通り、HoloLensはすでに販売中止という状況の中でこれはかなり痛い。そして調べてみると意外にもこのパーツは分解されてる図がない。
そこで今回はこのヘッドマウント部のパーツを分解してパーツを修理する方法を公開します。
お分かりかと思いますが、ご自分で修復する際は自己責任でお願いします。当方の手順通りにやっても直らないどころかどうしようもなくなる可能性もあることは理解したうえで以降読んでください。
ヘッドマウント部の壊れ方の例
大きくは2つあるっぽいです。今回は自分のものは前者の壊れた方、知り合いからもらった壊れてたやつは後者の壊れ方をしました。
サイズ調整ダイアル内でバキッとなるパターン
主に締めすぎ等が原因で「カチカチカチ・・・バキッ」っと派手な音が鳴った後バンドがスカスカになるパターンです。
分解するとこういう感じになります(今回の自分の症状はこういう感じ)
バキバキに割れていました。。。
バンド部分が根元からバキッとなるパターン
結構やりがちなのですが、頭に付けた状態のHoloLensをそのまま外して机の上に置いておくとかすると、
調整バンドの根元に負荷がかかりすぎてバキッと折れます。
これは正常の場合なのですが、この赤丸のところが割れるパターンです。これは結構開発者に多そうなパターンです。
よくやるのが頭に付けた状態からそのまま外した時に置くとここに負荷がかかるので弱くなるというパターンです。
本体を外しているのでわかりにくいかもですが、このように頭から外した時にバンドを斜めにしておいてると負荷がかかるという感じですね。できるだけひっくり返して置くかスタンドで負担がかからないようにするのが長持ちすると思います。
結論から言うと両方とも直りました。ただし、後者のパターンは2度目は修理できないので後者で修復したら大事に使ってください。前者の場合は何度でも再生で来そうな気がしますが、それでも元通りの強度にはならないので大事に使ってください。
ということでまずは、分解するところから説明します。
分解手順
比較的簡単にばらすことができます。以下の手順で分解してみましょう。
基本的には接着などはされていないのでかなり簡単に分解できます。
- 六角レンチを使ってHoloLensからヘッドマウント部を外す。
- クッションを外す
- ダイアル部を分解する場合は星型レンチでダイアル部のねじを外す
- ダイアルを固定している樹脂パーツを外す
- ダイアルを外す
大きくはこの手順で外せます。
分解に必要な道具は以下の通りです。今回の症状に対応するための道具なので完全に分解する際にはもう少し色々いります。
- 六角レンチ(サイズわからないです。田宮の1/10スケールのラジコンのモーターのギアを占めるためのイモネジと同じサイズです。マニアックでごめんなさい)
- 星形レンチ(T9サイズ)
- 金属へら(金属製であまり厚みのないもの。使ったものは1mm厚くらいのものです。カッターは危ないのでやめてください)
1. 六角レンチを使ってHoloLensからヘッドマウント部を外す。
ここは簡単ですね。六角レンチ使ってヘッドマウント部と本体をつないでる部分のねじを外し分離します。
2. クッションを外す
クッションは両面テープでプラスチックの蛇腹状のパーツにくっついています。この蛇腹状のパーツが樹脂側のパーツとはめ込み式でくっついています。
クッションはパーツの端っこにへらを突っ込みグイっと起こします。この時樹脂パーツにあまり負担をかけないように気を付けます。写真くらい軽くめくれたら後はプラスチック部分をゆっくり引っ張ると「プチプチ」っとはめ込みが外れていきます。
クッションだけ外すと面倒なので、必ずプラスチック部分を外しようにしてください。
うまく外せるとこんな感じでとれます。
3. ダイアル部を分解する場合は星型レンチでダイアル部のねじを外す
ダイアルのねじは星形(T9)なのでサイズにあうレンチで外してください。
4. ダイアルを固定している樹脂パーツを外す
結構しっかりはまっているので、一番外しにくい部分だと思います。
この樹脂パーツは4ヶ所角の部分が本体とはめ込み式でついています。外すのは2か所ベルトの上側か下側の2か所です。
この2か所を外してパーツを起こしてもう片方を外す感じになります。
外し方は以下のようにかぶさっている樹脂パーツ隙間にへらなどを差し込み爪を外します。結構しっかりはいってるので、
テコの要領で外します。爪が外れればもう片方も同じ要領で外します。
外せるとこんな感じでダイアルの中身が見えてきます。ここまで来たらあとちょっとです。
5. ダイアルを外す
ダイアルは簡単に外せます。まず中央の黒いねじ状のものを引き抜きます。そうするとダイアルのねじ部分がフリーになります。
残りの部分は上か下穴が広い方があるのでそちらにずらせば取り出せます。
最後にハンド部分を引き抜けばすべてばらせます。
前半分について
前半分も同じ要領でクッション部分が外せます。全部はずとこういう形です。前半分はHoloLens本体とつなぐヒンジの調整部分がついているんですが、おそらくここが壊れる確率はかなり低いと思われます。
修復について
今回は最初に説明した2つの壊れ方に対して修復を試みました。結論から言うと比較的強度はちゃんと取れた状態で修復できました。
まずは調整ダイアル内の割れの修復にから始めます。
必要な道具としては「半田ごて」です。できれば先はいくつかあるといいです。通常の丸型の他に平型があると細かい作業が楽にできます。また、あまり高温である必要もないので温度調整機能がついているなら低めでやる方がうまくいくと思います。
また、バンドが根元でぽっきりいった場合は、ピンバイス(1mm径)が合わせて必要になります。
調整バンドの修復
まずは調整ダイアル内でハンドが壊れている場合の修復をやってみます。
向かって左側は完全に割れて外れています。一方右側はかろうじてつながっています。調整ダイアルを操作しているときに締まりはするけど、なんか違和感がある場合は、こういう片方が割れてるパターンがすでに起きてる可能性があると思います。
まずは、セロテープか何かで割れた部分を固定します。こういう感じで割れてるところを合わせてテープで固定します。
あとはテープを貼っていない方から半田ごてをあてて割れた部分を溶かしながら接合します。コツとして表面だけやると不十分になるので1/3くらいの厚みを溶かすつもりで小手を当てます。溶かした分はみ出たりすると思うのでこてをあてながらはみ出た分を戻すようにできるだけ元の状態に戻るように形を整えていきます。もしパーツかけていてない場合は、ABS樹脂(3Dプリンターの芯にもあるとおもいます)で補完してもいいです。片方がある程度できたらテープを外して今度は裏側から同じ要領で接合します。
こんな感じ溶けてる感ありますしっかり溶かしつけましょう。両面やったら横から見て厚みができるだけ均一になるように微調整しつつ表面を軽く整えます。最後にやすりでバリを取れば完成です。
あとは逆の手順で元に戻せば完了です。その際バンドを占めた状態にしてからダイアルをはめ込みます。こうすると比較的簡単にダイアルの位置決めができると思います。
バンドの根元の修復
バンド根元が壊れた時は前半分もクッションを外します。これはもらった根元がぽっきりいったパターンです。
パーツを見た感じ本体側に穴をあければ差し込んで固定できそうなスペースがあったのでバンド本体側に穴をあけてここにベルト部分を押し込んで固定する方法でやってみました。この結果全体で「バンドの長さが5mm~10mm」短くなります。
加工の方法としてはバンドを凸型に加工し、壊れた本体側に穴をあけて差し込んで半田こてで溶接という手順になります。
まずバンドについては凸型に加工します。
本体側の隙間に合わせてバンドを4mm削って3mmほどの差し込み部分を作ります。本体側は1㎜径のピンバイスなどで穴をあけます。
あける場所は折れた部分の中央7mmほどになります。
そしてグイっと押し込みます。
差し込んだバンド部分と本体部分を半田こてで溶かして止めます。差し込んだ横の部分などを一緒に溶かすとつきやすいです。
ここは本体とくっついていたら問題ないのですが、後でクッションをもとに戻すときの邪魔にならないようにあまり出っ張らないようにくっつけてください。
まとめ
全然技術関係ないですが、壊れた時にどうしてもという時の参考になればと思います。