Mesh for TeamsとMicrosoft Meshが一般公開されました。
2024/01/24にMicrosoft MeshがTeamsの機能としてGAされました。合わせてMicrosoft Meshに関する情報が一般公開されています。
Teamsで提供される機能についてはMesh for Teamsとして組み込まれています。今回は実際にTeamsなどで没入型の3D体験を可能にするMeshでどのようなことができるか公式サイトの情報と実際に動かした際のスクリーンショットを含めて紹介します。
参考
ここで紹介するのはMicrosoft Learnで公開されているMesh関連のサイトから実際に動作させるのに必要な状況を整理しています。合わせて公式サイトも参考にしてください。
Welcome to Microsoft Mesh - Microsoft Learn
- この記事で紹介する内容
- Microsoft Meshについて
- 環境構築に必要な情報
- Mesh上で交流する方法(Teams/Meta Quest)
- その他の記事で紹介する内容
- カスタム環境(VR空間)について
- 構築方法とサンプル
- Visual Scripting
- Cloud Scripting
- 他サービス連携(Azure Digital Twins等)
- カスタム環境(VR空間)について
Microsoft Meshについて
Micorosoft Meshについては公式サイトには以下のように記載されています。
We are re-imagining the way employees come together with Microsoft Mesh, a new three-dimensional (3D) immersive experience.Microsoft Mesh is not merely another innovation, but a solution that enables your distributed workforce to connect like never before in a 3D immersive space, helping virtual meetings and events feel more like face-to-face connections. (サイトから引用) |
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翻訳 私たちは、新しい3D没入型体験であるMicrosoft Meshによって、社員が集う方法を再構築します。Microsoft Meshは、単なるイノベーションではなく、分散した従業員が3D没入型スペースでかつてないほどつながることを可能にするソリューションです。 |
コンセプトを実現するために現在は以下の機能が提供されています。
機能やサービス | 概要 |
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Immersive Spaces(Teams) | Teams会議の中で3D没入空間での会議体験を可能にする |
Custom Immersive Spaces (Mesh App) |
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関連するアプリ、ツール、環境は以下になります。
アプリ、ツール、環境 | 概要 |
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Microsoft 365 テナント | Meshの利用にはM365の組織アカウントが必要になります。 |
Teams | Immersive Spacesを利用しTeams会議から3D没入空間で交流を実施する |
Meshポータル(Webサイト) | Microsoft Meshで実施するイベントや環境を管理するためのポータルです。M365配下で管理されます。 |
Mesh App for PC | PC版のMicrosoft Meshアプリ。カスタム環境(VR空間)で実施するイベントに参加するために必要 |
Mesh App for Quest | Meta Quest版のMicrosoft Meshアプリ。TeamsのImmersive Spacesおよびカスタム環境(VR空間)両方にMeta Questで参加することで没入体験が可能になります。 |
Unity | Unity用のライブラリ「Mesh Tookit」を利用することでオリジナルのVR空間を構築することができます。 |
環境構築に必要な情報
Microsoft Meshは3D没入空間での体験が可能で、TeamsやMesh App(専用アプリ)、Meta Questで利用できます
必要なライセンス(運用/利用)
Microsoft Meshを利用するにはいくつかのライセンスが必要になります。現状Mictosoft Meshはエンタープライズ用途に特化しているようでライセンスもそれに合わせたものが必要になります。
TeamsのMesh AvatarとImmersive Spacesを利用する場合には以下のライセンスが必要になります。
- Teams Essentials
- Microsoft 365 Business Basic
- Microsoft 365 Business Standard
- Microsoft 365 Business Premium
- Microsoft 365 E3/E5
- Office 365 E1/E3/E5
上記のライセンスを用意し、環境を整えるとTeams上でアバターを利用し、プリセットのImmsersive Spacesを利用することができます。
体験するための空間自体を作成して利用する為にはMicrosoft Meshのワールドの管理/アクセスが必要になります。これらを実現するためには上記に加えてさらに以下のライセンスを用意する必要があります。
必要なライセンス(開発)
Custom Immersive Spacesを利用して空間を作成はUnityで行います。Microsoft MeshはUnity用にMesh Toolkitというライブラリ群が提供されており、Unity上でテスト実行、環境をアップロードすることが可能です。所属する組織などに応じてUnityライセンスを用意します。
さらに、Custom Immersive Spacesを利用する際に、Cloud Scripting(外部サービス連携等で利用できるC#で処理を書く仕組み)を利用する場合にはAzureアカウントおよびサブスクリプションが必要になります。Azureについては必ずしも必要ではありません。
ネットワーク環境
導入する組織によっては、ネットワーク環境の調整(使用するポートの解放やドメインの制御)が必要になります。企業で利用する場合にはIT部門との調整が必要になります。
詳細は以下の公式ドキュメント内に記載されています。もしMeshを企業内で活用したい場合は注意してください。
Mesh上で交流する方法(Teams/Meta Quest)
Mesh上で交流するための手段としては以下の3種類があります。TeamsからはImmersive Spacesのみ利用可能です。
アプリ | 対象 |
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Teams |
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Mesh App for PC |
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Mesh App for Quest |
|
Unityで作ったCustom Immersive Spacesについては現時点ではTeamsのImmersive Spacesでは利用できずMesh Appを利用する必要があります。なお、Meta QuestについてTeamsのImmersive Spaces、Custom Immersive Spacesを両方利用することが可能です。Mesh AppをQuestで実行した場合は招待されたTeams会議及びMeshイベント両方表示されます。この時、Teams会議に参加すると自動的にImmersive Spacesで参加します。加えてPCからTeams会議に参加しているメンバーには「Immersive Spacesに参加者がいる」ことが通知されます。
(おまけ) Microsoft Meshの話
Microsoft Meshそのものは数年前からMicrosoft社が発表していたプラットフォームでした。最初にMicrosoft Meshプラットフォームの話が出たのは2021年3月に開催されたカンファレンス「Microsoft Ignite」になります。
当時はMixed Realiytにおける共有体験を提供するところからスタートし、Hololens 2向けにMesh Appが提供されていました。現実空間の中にデジタルコンテンツを出力しながら共有体験を実現するというものです。同じ部屋にいるメンバー同士では頭の上部に名前タグなどが表示され、遠地からの参加者はアバター表示されて交流ができる仕組みでした。
当時、紹介されていたMeshプラットフォームは当時以下のようなアーキテクチャ構造となっていました。現在この図は当時から変化しています。
- Hololens 向けの「Mesh App for HoloLens」(Preview版) → 現在は提供が終了
- Altspace VRも現在はサービス終了 → Meta Quest向けにMesh Appが提供されることで没入体験を実現
- Mesh for Teamsとして2024/01/24にGA → TeamsからImmersive Spacesが提供
- PC版としてもMesh Appが提供