プレゼンにおけるAIの身近な活用例
プレゼンの口頭原稿をAIに作成してもらうという実験をしました。
これは可能性ある! と感じたので、結果と方法を紹介します。
- Markdownでスライドを作る https://sli.dev/
- とりあえず思いつきのアドリブで言いたいことを話しながら収録する
- Whisperで文字起こしする
- Markdownとアドリブ音声をChatGPTに渡して原稿を清書してもらう
- その原稿を元に再収録する
こういうサービスもうあるよ!とご存じでしたらぜひコメントで教えてください。
結果プレゼンは上手くなったか?
TAKE 1 - 素人まるだし
言いたいことは言えましたが、あー、とかえー、とか素人丸出しですね。決して聞きやすくありません。
TAKE 2 - 内容すっきり30秒短縮!
TAKE 1をChatGPTに清書してもらった結果です。いかがでしょう? すっきりまとまって時間も1分48秒から30秒近く短縮されました。
手順
収録
ひとまず何も用意せず、言いたいことをアドリブで話して収録します(1st.mov
)。これがTAKE1の動画です。
Whisperで文字起こし
このようなPythonスクリプトで文字起こししました。こんな短いプログラムでできるなんてすごい!
import whisper
model = whisper.load_model("large")
result = model.transcribe("./1st.mov", verbose=True, language='ja')
text = result['text']
print(text)
その結果がこちら。あー、とかえー、はこの段階で消してもらえます。すごい!
AIを活用し、素人でもプレゼンでうまく話す方法を考えました。
素人がうまく話すにはというところで、素人というのはここでは話し方のトレーニングを受けていない人というふうに定義しています。そういう人はですね、現に私が喋っているようにフィラーと呼ばれるAとかRという無駄な言葉が入りがち。聞いている方はですね、すごく聞きにくいですね。やっぱりそう考えるとですね、原稿が必要だというわけなんですけども、やっぱり事前にですね、原稿を書くのはすごく面倒くさいです。僕はですね、特に書き言葉とか話し言葉でですね、ちょっと違和感が出るんですね。普通に話すことをイメージして原稿を書いてそれを読むんですけども、やっぱり違和感を感じることが結構あります。それがすごく嫌だなというところですね。こういうふうにダラダラ話す方がですね、圧倒的に楽しいというところがあって、やっぱりどうしても原稿を用意するのは大変だなというところです。
この問題をですね、AIにアシストしてもらって解決できないかということを考えました。こうやってですね、とりあえずダラダラと喋って一回収録し、その音声をですね、ウィスパーで文字起こししましょうと。その文字起こしした原案をChatGPTにぶち込んで原稿を考えてもらうと。その原稿を読んで再収録すると、かなり聞きやすいプレゼンにできるんじゃないかというふうに考えています。それを今試そうというところですね。
「〜ですね」多すぎ。自分でこんな風に話してるんだ…
清書
Markdownと文字起こししたテキストをChatGPT(GPT-4)に投げて清書してもらいます。深津メソッド
をちょっと参考にします。
1枚目
頼んでないけど、スライドの方も添削して整形してくれました。デキるAIは違う。
せっかくなのでスライドにも反映してます。
2枚目
ここでひとつAIらしい違和感が出ました。上手く話すことと、「素人」の意味を定義することは関係ありません。
たぶん定義
という言葉が強すぎて、それに引っ張られたんだと推測しています。
3枚目
こんな感じでChatGPTが過不足なく、すっきりした原稿を提案してくれました。
プレゼン講師、というロールを与えたせいか、「〜してみましょう!」で終わりがち。この辺は単調にならないようにアレンジする必要があるかもしれません。
感想
動画でも話してますが、プレゼンの口頭原稿を作る作業が退屈で嫌いです。思いつきで話す方が楽しいです。でもそれだと聞きにくいプレゼンになってしまう。
プレゼンはそんな甘いもんじゃねぇ、とか、話し方を訓練しろ、という意見もごもっともです。でもChatGPTを見ていたら、自分のそんな悩みを解決してくれるのではと期待してやってみました。
文章にはやはり各人の癖のようなものがあります。AIの生成する文章には、「自分はこんな表現、普段しないなぁ」と気付かされることが多いです。癖の矯正というか、他の可能性を提示してくれるところもいいですね。
今回は手作業でしたが、自動化したいです。