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Aurora Serverless v2のスケールアップ・スケールダウンをスケジューリングする

Last updated at Posted at 2022-09-18

Aurora Serverless v2

Aurora Serverless v2は、AWSマネージドな新しいDBインスタンスです。
Aurora Serverless v2ではインスタンスタイプではなくACU(Aurora Capacity Unit)と呼ばれる値を設定し、性能を決定します。その際、ACUの最小値と最大値を設定することができ、DBの負荷に応じてこの範囲内で自動的にスケールアップ/ダウンすることが特徴です。
詳しくは公式リファレンスをご確認ください。

このようにAurora Serverless v2は負荷に応じてスケールする機能がありますが、スケールアップする速度はその時点でのACUによって決まります。したがって、スパイクが予測できる場合、あらかじめACUをあげることができれば安心です。

2022年9月時点で、Aurora Serverless v2をスケジューリングしてスケールアップするには、Lambda関数とEventBridgeを組み合わせる必要があり、その設定手順についてまとめました。

構成

  • RDS
    Aurora Serverless v2インスタンスをもつDBクラスターは既に作成済みのものとします。
  • Lambda
    実行環境: python 3.9
  • EventBridge

Lambda関数を作成する

まずは、Aurora Serverless v2のACUを変更するLambda関数を作成します。pythonのboto3を使用し、以下のような関数を作成します

lambda_function.py
import boto3

def lambda_handler(event, context):
    client = boto3.client('rds')
    client.modify_db_cluster(
        DBClusterIdentifier='database-1', #クラスターのDB識別子
        ServerlessV2ScalingConfiguration= {
            'MinCapacity': 1.0, #ACUの最小値
            'MaxCapacity': 2.0  #ACUの最大値
        },
        ApplyImmediately=True, #すぐに変更を適用
    )

modify_db_cluster()で既存のDBクラスターの設定を変更します。

適宜MinCapacityMaxCapacityは変更してください。上の関数は、1.0〜2.0ACUへ変更する例です。

IAMロールの作成

Lambda関数にAuroraを変更する権限を与える必要があるので、Lambda関数の実行ロールに以下のインラインポリシーをアタッチします。

{
    "Version": "2012-10-17",
    "Statement": [
        {
            "Sid": "VisualEditor0",
            "Effect": "Allow",
            "Action": "rds:ModifyDBCluster",
            "Resource": "arn:aws:rds:ap-northeast-1:XXXXXXXXXXX:cluster:database-1" //対象のDBクラスターのARN
        }
    ]
}

レイヤーの追加

しかしながら、このまま実行することはできません。
引数ServerlessV2ScalingConfiguration は、boto3の1.24系から導入されており、2022年9月時点でのpython3.9実行環境のboto3がv1.20だったため、使うことができませんでした。そこで、boto3のv1.24以上をレイヤーとして追加する必要があります。

ローカルで以下のコマンドを叩きboto3の最新バージョンを取得します。pip3がローカルに入ってない場合は別途インストールする必要があります。

mkdir python #レイヤーのディレクトリ名は決まっているのでpythonにしないとうまくいかない
pip3 install -t ./python boto3

依存関係のあるパッケージも含めてインストールされるので、まるごとzipで圧縮します。ファイル名は実行時点でのboto3のバージョン1.24.70に合わせています。

zip -r boto3-1.24.70.zip python

レイヤーの追加については、こちらの記事が非常に参考になりました。

レイヤーの追加ボタンから、さきほど作成したzipをアップロードします。
Lambda関数にこのレイヤーを追加し、再度実行し、Aurora ServerlessのACUが1.0〜2.0ACUに変更されていれば成功です。

トリガーを作成する

次はこのLambda関数を発火させるEventBridgeを作成していきます。
Lambda関数の画面トップにある「トリガーを追加」をクリックします。
スクリーンショット 2022-09-18 9.59.00.png

EventBridgeを選択し、新規ルールの作成を選択します。
ルール名はわかりやすい任意の名前をつけます。ここではscheduler-modify-db-clusterとしました。
スクリーンショット 2022-09-18 10.03.00.png

スケジュール式でACUを変更したい日時をcron式またはrate式で指定します。
詳しくは公式リファレンスを参照

UTC時間を指定する点には注意しましょう。

スクリーンショット 2022-09-18 10.05.33.png

これにて作成は終了です。時間になりACUが変更されていれば完成です。

ACUをEventBridge側から渡せるようにする

Aurora Serverless v2のスケーリングをスケジュールすることができましたが、変更後のACUをコードにベタ書きしているため、例えば時間になったらスケールアップし、数時間後に元に戻したいなどには、Lambda関数を複数作成する必要がでてしまいます。
そこでACUをEventBridge側から渡せるように改良します。
まずはLambda関数を以下のように修正します。

lambda_function.py
import boto3

def lambda_handler(event, context):
    client = boto3.client('rds')
    client.modify_db_cluster(
        DBClusterIdentifier='database-1',
        ServerlessV2ScalingConfiguration= {
            'MinCapacity': event['minCapacity'], #修正
            'MaxCapacity': event['maxCapacity']  #修正
        },
        ApplyImmediately=True,
    )

次に、設定タブから先ほど作成したEventBridgeを選択します。

Amazon EventBridgeのページに遷移するので、右上の「編集」をクリックします。
ステップ2 スケジュールを定義で、再度発火する日時を設定します。

渡すデータを設定するのはステップ3 ターゲットを選択です。
追加設定のトグルを開き、ターゲット入力を設定のドロップダウンから定数(JSONテキスト)を選択します。
するとテキストボックスが現れるのでこちらにJSONを記載します。
このJSONがLambda関数のevent引数に渡されます。

{
  "minCapacity": 0.5,
  "maxCapacity": 32.0
}

スクリーンショット 2022-09-18 10.22.05.png

時刻になったら、ACUが変更されることを確認しましょう。

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