はじめに
この投稿は、RPAツール「UiPath」で 2025年2月19日にリリースされた、バージョン「February/25.0」Community版について「個人的に」 まとめたものです。
情報ソース
以下の「UiPath公式リリース」を元にしています。
この投稿で紹介する内容は以下です。
# 1)[Studio] 長時間実行ワークフローの改善
# 2)[Studio] パネルの表示切り替え
# 3)[Studio] 式エディタの折り返し
# 4)[Studio] フィードバックフォーム
# 5)[Studio] パッケージを管理でコネクタ追加
# 6)[Robot] ジョブ完了後のセッション復元動作を設定
# 7)[Assistant] 最大化ボタン
# 8)[Mobile Automation] 不具合の改善
# 9)[UI Automation] AmazonWorkSpacesリモートランタイム
# 10)[UI Automation] ブラウザ ダイアログ スコープ アクティビティ
# 11)[UI Automation] デフォルトのOCRエンジン
# 12)[Activity] 名称変更)値の設定 → UI要素の更新
# 13)[Clipboard AI] パフォーマンス改善
1)[Studio] 長時間実行ワークフローの改善
2024.12に登場した「長時間実行ワークフロー(Long Running Automation)」は、従来のフローチャート/ステートマシン/シーケンスよりも、もっと大きな自動化をするためのフローですが、今回のリリースで「テンプレート提供/インポート機能/注釈機能」が追加されました。
1.1)テンプレート
Studioスタート画面のテンプレートの一番上に配置されました。(絶賛オススメ中?みんな使ってね?)※ Studio24.10以上で表示されます。
1.2)BPMNファイルのインポート
BPMN(ビジネスプロセスモデリング表記法)とは、業務フローをモデル化して視覚的に(お絵かきして)表現するものです。BPMNツールは色々ありますが、ツールから出力したBPMNファイルを、Studioでインポートしてフローに変換できるようになりました。
キャンバスの余白で右クリック、または Autopilotタブの生成ボタンでインポートできます。
1.3)注釈コメント
配置したアクティビティに付箋のようにコメントを設定できます。表示位置の変更も可能です。
2)[Studio] パネルの表示切り替え
上部メニューバーの右側に、パネル表示の切替ボタンが配置されました。ショートカットも付いてます。
ショートカットを覚えておくと例えば、以下のような時にパっと表示できます。
・アクティビティのプロパティを確認したい:Ctrl+Alt+B
・前回実行のデバッグ出力内容を確認したい:Ctrl+B
3)[Studio] 式エディタの折り返し
式が長い場合に、右端で折り返してくれるようになりました。スクロールバーで右側を確認しなくて良くなります。上部の「三」ボタンでモード切り替え可能です。
4)[Studio] フィードバックフォーム
上部メニューバーの右側の「凸」マークから、製品のフィードバックを送れるようになりました。
5)[Studio] パッケージを管理でコネクタ追加
[すべてのコネクタ]タブで、コネクタを検索してインストールできるようになりました。
6)[Robot] ジョブ完了後のセッション復元動作を設定
ジョブ終了時に「セッションは残したまま」になっていたのが、設定次第で以下も指定できるようになりました。UIPATH_SESSION_BEHAVIOR = LeaveSessionDisconnected
のように環境変数に指定します。
・TryReuseAndRestoreSession — セッションそのまま(利用前に戻す)※デフォルトこれ
・ForceNewSession - 常に新規セッション(終了時ログオフ) ※一番クリーン
・LeaveSessionActive — セッションそのまま
・LeaveSessionDisconnected — セッションそのまま(切断)※一番早い
7)[Assistant] 最大化ボタン
8)[Mobile Automation] 不具合の改善
モバイルプロジェクトで、以下が修正改善されました。
・ローカルCVサーバー使用時でも、クラウドのCVサーバーアドレスを指定しないとNullエラーになる
・セレクタで変数使用時に、既存変数の選択プルダウン「▼」が表示されない
9)[UI Automation] AmazonWorkSpacesリモートランタイム
Amazon WorkSpaces のリモート ランタイム サポートは、バージョン 24.10 Oct LTS でリリースされましたが、バージョン 25.2 では、 DCV (Desktop Cloud Visualization) プロトコルを使用した Amazon WorkSpaces のサポートをしました。(詳細未確認)
10)[UI Automation] ブラウザ ダイアログ スコープ アクティビティ
以下のような Webページで表示される Javascript の「alert/confirm/prompt」ポップアップダイアログが表示された時の動作 を設定できるアクティビティが登場しました。
「アプリケーション/ブラウザの使用」アクティビティ内に配置して、「この画面で このダイアログが表示されたら、指定の動作をさせる」事ができます。「表示されたメッセージが想定通りならOKを押す」ということも可能で、予期しないメッセージでは動作させないようにするのが、安全です。
11)[UI Automation] デフォルトのOCRエンジン
「アプリケーション/ブラウザの使用」アクティビティで使用するデフォルトの OCR エンジンを設定できるようになりました。OCR を多用するプロジェクトで使用すると、設定の統一化に役立ちます。
12)[Activity] 名称変更)値の設定 → UI要素の更新
セマンティックアクティビティの「値の設定」が「UI 要素の更新」に名称変更されるようです。(詳細不明)
13)[Clipboard AI] パフォーマンス改善
バグ修正および、全体的な安定性とパフォーマンスが向上したらしいです。(詳細不明)
終わりに
今回のリリースで、個人的に印象的だったのは 以下です。
・長時間実行ワークフローの改善(Nice/良い:2点)
⇒ UiPath社のイチオシ?ハイレベルなフロー構築用。次の布石か(より高度な自動化へ)
・ブラウザ ダイアログ スコープ アクティビティ(Wonderful/素晴らしい:4点)
⇒ ポップアップ出てくる画面で結構使える(使いたい)これからの標準になるかも。
・式エディタの折り返し(Fabulous/最高:5点)
⇒ すごく良い。長い式の確認で横スクロールするのが面倒だったので。地味に嬉しい
・フィードバックフォーム(Nice/良い:3点)
⇒ 要望を出しやすくなる=要望が届く=叶いやすくなる。どんどん要望を出そう。
この投稿が、誰かの何かに役に立てば嬉しいです。