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RPAベンダー観測 - 2021

Last updated at Posted at 2021-12-01

はじめに

この投稿は「最近のRPAベンダー関連のニュース」から、気になったものをピックアップし、流れを読み解こうという内容です。
「RPACommunity」の アドベントカレンダーの 2日目 の記事でもあります。

内容は特定のベンダー、製品またはサービスを推奨するものではありません。了承下さい。
そして、記事の内容は全然深くありません。(むしろざっくり&浅め)

RPAベンダーのお金にまつわるニュース

最近何かと、買収やら資金調達のニュースが多いRPA業界ですが、過去のネット記事からピックアップして並べてみました。

時期 ドコが 何をした 補足など
2021/10 Microsoft API統合プラットフォームの
ClearSoftware(アメリカ)を買収
2021/09 Blue Prism Vista Equity Partners
によって買収
約1652億円。
傘下のTibcoに合流
2021/08 Salesforce RPAベンダーの
ServceTrace(独)を買収
傘下のMulesoftに合流
2021/08 Appian プロセスマイニング ベンダー の
Lana Labs(独)を買収
2021/04 IBM プロセスマイニング ベンダー の
myInvenio(イタリア)を買収
2021/03 ServiceNow RPAベンダーの
Intellibot(インド)を買収
2021/03 UiPath API統合プラットフォーム の
Cloud Elements(アメリカ)を買収
2021/02 SAP ローコードツールベンダーの
AppGyver(ロシア)を買収
2020/07 UiPath 市場から資金調達 241億円
テンセント等から
2020/07 IBM RPAベンダー の
WDG Automation(ブラジル)を買収
2020/05 Microsoft RPAベンダー の
Softomotive(ギリシャ)を買収
2020/04 BluePrism 市場から資金調達 134億円
2020/01 Google ノーコードプラットフォーム の
AppSheet(アメリカ)を買収
2019/10 UiPath プロセスドキュメンテーションツールベンダー の
StepShot(ウクライナ)を買収
2019/10 UiPath プロセスマイニングツール・ベンダー の
ProcessGold(オランダ)を買収
2019/03 Apple RPA企業 の
Stamplay(イタリア)を買収
2019/02 Automation
Anywhere
市場から資金調達 Workday Venturesから
2018/11 Automation
Anywhere
市場から資金調達 3億ドル
ソフトバンクビジョンファンドから
2018/11 SAP RPAベンダー の
Contextor(仏)を買収
2018/04 Automation
Anywhere
市場から資金調達 2億5,000万ドル

2018年までさかのぼってみましたが、年度別に見ると

  • 2021年:8
  • 2020年:5
  • 2019年:3

と、RPA関連企業に関わる買収や資金調達のニュースが、徐々に増えています。

最近は「資金調達」よりも「関連企業の買収によるRPA成長戦略」と「テックジャイアントによるRPAサービス取り込み」が多いです。

特に、API/プロセスマイニングのサービスが人気です。
前製品/サービスの「プロセスマイニング」を組み入れる動きと、APIで外部連携を含めた「システムの中心」にRPAを据える動きなのかな。

この買収の流れは「RPAが流行ってなくて、市場が衰退しているから買収が多いのだ」という、安易な話ではなく、逆に市場として正しく次のステージに来ていて、「ローコードツールとしてのRPAを、前後サービスも含めてサービス化する」「総合力で勝負していく」という動きだと思います。

RPA市場は拡大しているのか?

RPAは「ピーク時期」を超えて「幻滅期」に入っているのは事実だと思いますが、「流行ってる/流行ってない」は、感覚の個人差があるので、難しいところです。

ただし、有名な「ガートナー」のレポートによれば、

RPA市場はCOVID-19による経済的な圧力にもかかわらず、
2024年まで「2桁」の成長率で拡大すると予測される

と書かれており、市場全体規模としては「拡大している」と言えそうです。

ただし、一部のユーザー企業では「期待はずれ・導入失敗」による「幻滅期での撤退」はあると思います。(全てのプロジェクトが「うまくいく」訳は無い。失敗もある)

また、取扱高を牽引しているのが「大企業によるRPA大規模導入」の可能性もあり、中小規模では「お試し導入」で止まっている可能性もあるかもしれません。(どちらかと言うと、RPA化を進める人材不足の問題?)

ガードナーの予測通りに「2024年まで「2桁」の成長率で拡大」した後で、2025年以降の成長はどうなのか?気になりますが、そんな先まで予想できる訳ないですよね。

その頃になると「ある程度RPAが各業務に行き渡る」ことで、新規の伸びが減るのかもしれませんが、技術の進化で違う未来になっているかもしれません。

その頃になると「ローコード・オートヒーリング(RPA自体が不具合を自動修復する)」が進んで、開発費も相当低くなっている可能性もありますし。そうでないかもしれない。(ワカラナイ)

いや、RPAというワード自体が、なにか違うものになっているかもしれない。(しらんけど)

RPAベンダーたちの動き

RPA業界もついに「買収」や「資金調達」というカードも使いながら、各社競争するフェーズに入ったと言えますが、市場でのベンダー評価も変わってきています。

かの有名な「ガートナー」社のレポート は、各社の評価が細かく書かれていて、非常に勉強になりますが、2021年版を見てみると

  • 買収側のMicrosoft や Salesforce(ServceTrace)が急成長
  • 買収&資金調達を終えた UiPath がリーダーを維持
  • 資金調達&提携を終えた AutomationAnywhere も高い評価

という内容が読み取れます。

BluePrism は今は少し下がっていますが、 Vista Equity Partners からの資金調達(買収)を今年行い、製品拡大を進めてくるはずなので、来年は上がってくる可能性もあります。

また、こちらも有名な「Everest Group の RPA PEAK Matrix」の2021年度版の表も、ガートナーと同じような評価になっています。

買収の記事も絡めて考えると、2021年は「資金豊富な巨大企業による、全面的な戦いの幕開け」な感じがします。(大きければ良いという話ではないので、独自のカラー・戦略で評価される企業もあるはず)

終わりに

RPAベンダーがどんどん変化している中、1,2年先でもう「全然違う製品になってるー」なんてこともあるのかも。関わっている人のポジション・役割も、今後もどんどん変わるのでしょう。

激動の2021年が終わり、2022年も新たなニュースがあると思いますが、みなさん、今年一年お疲れさまでした。(まだ終わってないけど)

この記事が参考になったら、 LGTMをお願いします。閲覧ありがとうございました。

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