はじめに
この投稿は、RPAツール「UiPath」で 2022年3月にリリースされた 「バージョン2022.4 Previewリリース」について「個人的に」まとめたものです。
沢山あるので、前編後編に分けて紹介します。今回は前編として「Studio系」のリリースを説明します。
公式リリース
紹介する情報は、以下の「UiPath 公式リリース」を元にしています。
2022年4月現在では「バージョン22.4」は、まだ「Preview」版なので、試してみたい場合は以下の「更新チャネル」でプレビューを選択する必要があります。
目次
今回紹介する内容は以下になります。
Studio
# 1)プロジェクトのタグ付け
# 2)ファイルをインポートで依存関係の確認
# 3)「ジョブを開始」アクティビティでジョブ引数をサポート
# 4)「繰り返し」アクティビティで引数型を自動検出
StudioX
# 5)スタートページのテンプレート表示
# 6)「後のために保存」が「変数の値を設定」に名称変更
UIAutomation
# 7)新しいアクティビティ:「繰り返し(各Ui要素)」
# 8)Chrome拡張が新しくなった(Manifest V3対応)
# 9)SalesforceLightningのFirefox対応
# 10)Salesforceコンボボックス対応
# 11)Embedded Edgeのサポート(WebView2ネイティブ)
# 12)Java16/17のサポート
# 13)Windows11のサポート
# 14)すべての要素をキャプチャのエラーレポート
SAP自動化
# 15)SAPWinGUIにハードタイムアウトを適用
アクティビティ
# 16)Mail系アクティビティの改善
1)[Studio] プロジェクトのタグ付け
プロジェクトにタグを付けられるようになりました。
Orchestratorに登録済みのタグから選択することもできます。
入力したタグの情報は、プロジェクト配下の「.project」フォルダにある「design.json」ファイルに記載されます。(project.json)には保存されません。
2)[Studio] ファイルをインポートで依存関係の確認
ワークフローファイルが 既存のプロジェクトにインポートされたときに、現在のプロジェクトと依存関係が違う場合、不足しているパッケージまたはバージョンの競合について、ウィンドウで通知されます。
別途、自分で参照を追加する必要がなくなりました。
3)[Studio] 「ジョブを開始」アクティビティでジョブ引数をサポート
「ジョブを開始」アクティビティで「入力引数」を送信できるようになりました。また、ジョブの優先度(JobPriority)と、同じアカウント/マシンでの実行維持(ResumeOnSameContext)の引数も追加されました。
4)[Studio] 「繰り返し」アクティビティで型を自動検出
IEnumerable(リスト、配列など)がFor Eachに提供されると、TypeArgumentが自動的に検出され、引数の型(TypeArgument)が設定されます。
5)[StudioX] スタートページのテンプレート表示
テンプレートを活用できるように、StudioXスタートページで「テンプレート」が右に一面表示されるようになりました。
以前のバージョン | 2021.4以降のバージョン |
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6)[StudioX] 「後のために保存」が「変数の値を設定」に名称変更
アクティビティの名前が「後のために保存 (Save for Later)」から「変数の値を設定(Set Variable Value)」に変わりました。選択メニューでも「保存された値」ではなく「変数」という表記に変わっています。
以前のバージョン | 2021.4以降のバージョン |
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7)新しいアクティビティ:「繰り返し(各Ui要素)」
要望の多かったこの機能(のようです)は、2022.4でようやくリリースされました。
画面上に複数あるUi要素をループをしながら、クリック、入力、テキストの取得などの処理させることができます。実行したくない要素がある場合、フィルターを設定して選別することもできます。
8)Chrome拡張が新しくなった(Manifest V3対応)
Chrome拡張の仕様移行(V2 -> V3)が始まり、2023年以降は現行V2の拡張機能はChromeで動かなくなりますが、対応する形でUiPathのChrome拡張もV3に更新されました。
以前のリリースと互換性があるらしく、なる早のインストールが推奨されています。
9)SalesforceLightningのFirefox対応
SalesforceUI固有の属性に基づくセレクターがFirefoxでも利用できるようになりました。これらの属性により、セレクターの信頼性とUIの変更に対する復元力が向上します。(公式リリースの原文のまま)
10)Salesforceコンボボックス対応
「項目を選択(SelectItem)」アクティビティは、Salesforceコンボボックスおよびグループ化されたコンボボックスで使用できるようになりました。(公式リリースの原文のまま)
11)Embedded Edgeのサポート(WebView2ネイティブ)
Microsoft Edgeで提供される、Web コンテンツ表示コンポーネントの「WebView2」で、標準のHTMLセレクターを介して自動化できるようになりました。
例えば、SAP Business ClientをV7.70に移行して、Embedded Edgeで使用する場合に、UIオートメーションが引き続き動作するようになります。
12)Java16/17のサポート
Java16/17で実行されるアプリケーションのUI自動化サポートが追加されました。(公式リリースの原文のまま)
13)Windows11のサポート
UIAutomationでWindows11のUi操作がのアクティビティが正式にサポートされるようになりました。(公式リリースの原文のまま)
14)すべての要素をキャプチャのエラーレポート
CV(ComputerVision)の「すべての要素をキャプチャ」で要素が欠落しているもの表示する機能が追加されました(詳細不明)
15)SAPWinGUIにハードタイムアウトを適用
SAP WinGUIで、操作のフリーズやハングが発生した場合に、タイムアウト=SAP実行の強制終了をさせることができます。設定は、UIAutomationClassicの[プロジェクト設定]からできます。
16)Mail系アクティビティの改善
「Outlook 365 を使用」「Gmail を使用」アクティビティで、IntegrationServiceで作成された接続も選択できるようになりました。
「SMTP メール メッセージを送信」「IMAP メール メッセージを取得/移動」アクティビティで「CRLを無視」プロパティが追加され、証明書失効リストの検証手順がスキップできます。
MicrosoftGraphのバージョンが4.5.0にアップグレードされました。パッケージ依存の競合が発生する場合、すべてのパッケージを最新バージョンにアップグレードしてください。
終わりに
以上、Community 2022.4 プレビューリリースの紹介でした。
Studio以外のアップデートは、後編で紹介します。
この記事が参考になったら、 LGTMをお願いします。閲覧ありがとうございました。