はじめに
この投稿は、RPAツール「UiPath」で 2021年12月にリリースされた 「バージョン2021.12 Previewリリース」について「個人的に」まとめたものです。
UiPath Adventカレンダーの 25 日目 の記事でもあります。
公式リリース
紹介する情報は、以下の「UiPath 公式リリース」を元にしています。
2021年12月現在では「バージョン21.12」は、まだ「Preview」版なので、試してみたい場合は以下の「更新チャネル」でプレビューを選択する必要があります。
目次
今回紹介する内容は以下になります。
# 1)Studioのパフォーマンス改善
# 2)+マークで変数作成・日付選択が可能に
# 3)新アクティビティ)環境変数設定
# 4)新アクティビティ)パワーポイント)スライドにテキストを追加
# 5)新アクティビティ)アウトルック)メールを ID で取得
# 6)新アクティビティ)エクセル)ピボット テーブルを作成
# 7)アクティビティ強化)HTTPリクエストウィザードを再度開く
# 8)アクティビティ強化)ループ繰り返しの「最大ループ回数指定」オプション
# 9)アクティビティ強化)繰り返し (各メール) の「添付ファイルを取得」オプション
# 10)アクティビティ強化)Excelファイルを使用のオプション追加(開いたまま/ウィンドウサイズ変更)
# 11)アクティビティ強化)クロスプラットフォーム(.NET 5)対応
# 12)UiAクラシック)プロセスを開始 で非同期処理可能に
# 13)UiAクラシック)Salesforce・Javaの自動化改善
# 14)UiAモダン)新アクティビティ)ドラッグ アンド ドロップ
# 15)UiAモダン)新アクティビティ)JS スクリプトを挿入 (Inject JS Script)
# 16)UiAモダン)要素認識の可視性指定
# 17)UiAモダン)変数のデフォルト値をオブジェクトリポジトリに保存
# 18)UiAモダン)実行ブラウザの変更スイッチ
# 19)UiAモダン)表データを抽出でリンクURLも追加取得
# 20)UiAモダン)アプリ/ブラウザの 監査ログを無効化
# 21)UiAモダン)リトライスコープの条件に「アプリのステートを確認」を指定可能に
# 22)StudioX)Word・Outlook(Desktop)スコープ内でUIAutomationを直接配置可能に
# 23)StudioX)データマネージャーの機能強化
# 24)StudioX)新アクティビティ)ElseIF(条件分岐 (複数分岐))
# 25)StudioX)新アクティビティ)繰り返し(フォルダ内の各ファイル/各フォルダ)
# 26)アシスタント)Marketplaceウィジェット並び替え
# 27)アシスタント)macOS用のアシスタント
# 28)SAP)新アクティビティ)ALV 階層テーブルを展開
# 29)SAP)GUIスクリプティングの設定エラー説明
# 30)SAP)オブジェクトリポジトリに対応
# 31)コンピュータビジョン)垂直方向スクロール
# 32)テストスイート)エクスプローラーパネル
# 33)テストスイート)テスト自動化プロジェクトのオブジェクトリポジトリ利用
1)Studioのパフォーマンス改善
以下の内容で、改善がされ、Studioのパフォーマンスが改善されたようです。(確かに21.10は、全体的に動きが少し遅かった)
- 起動時間短縮
- アナライザーの高速化
- 複雑処理の最適化(詳細不明・何か早くなったんだろう)
2)+マークで変数作成・日付選択が可能に
+マーク押下で「変数を作成」が指定できるようになりました。また「日付と実行を選択」を指定し、日時選択画面を表示することも出来ます。
3)新アクティビティ)環境変数設定
ユーザー環境変数を設定するアクティビティが追加されました。(が、個人的には、あんまり環境変数は汚したくない)
4)新アクティビティ)パワーポイント)スライドにテキストを追加
指定のスライド番号に対してテキストを追加します。プレースホルダークリアなどのオプションなどがあります。
5)新アクティビティ)アウトルック)メールを ID で取得
メッセージIDを指定して、アカウント内のメールを取得できます。
6)新アクティビティ)エクセル)ピボット テーブルを作成
データソースの表を指定し、ピボットテーブルを作成できます。行/列/フィルター/値を指定してフィールド追加も可能です。
7)HTTPリクエストウィザードを再度開く
HTTP 要求 (HTTP Request) アクティビティで、新規作成時に表示されるウィザードが、作成後の「設定」ボタン押下でも表示できるようになりました。
8)アクティビティ強化)ループ繰り返しの「最大ループ回数指定」オプション
whileおよびdowhileアクティビティを使用するときに、最大ループカウンターを指定できるようになりました。
9)アクティビティ強化)繰り返し (各メール) の「添付ファイルを取得」オプション
オプションに「添付ファイルを取得」が追加されました。
添付ファイルを使用しない場合は、オフにすると処理が早くなります。
10)アクティビティ強化)Excelファイルを使用のオプション追加(開いたまま/ウィンドウサイズ変更)
以下のオプションが追加されました。
- Excelを開いたままにする:Yes/No
- ウィンドウサイズの変更:None/Minimize/Maximize
11)クロスプラットフォーム(.NET 5)対応
以下のアクティビティが、対応OSを「クロスプラットフォーム」にした場合でも使用可能になりました。
- UiPath.Mail.Acivities
- UiPath.Word.Acivities
- UiPath.Excel.Acivities
12)UiAクラシック)プロセスを開始 で非同期処理可能に
プロセスアクティビティの開始–アクティビティが拡張され、プロセスを非同期(デフォルト)および同期で開始できるようになりました。
13)UiAクラシック)Salesforce・Javaの自動化改善
sfl-path、sfl-name、およびsfl-type属性に基づいてセレクターを変更するための特定の信頼性と復元力を備えたSalesforce自動化がFirefoxでも利用できるようになりました。
また、JavaのUI自動化–McBeansフレームワークが改善されました。
14)UiAモダン)新アクティビティ)ドラッグ アンド ドロップ
ソースと宛先を指定して要素をターゲット上にドラッグするアクティビティです。
15)UiAモダン)新アクティビティ)JS スクリプトを挿入 (Inject JS Script)
UiAutomationクラシックであった「Inject JS」が進化して、UiAutomationモダンに追加されました。
16)UiAモダン)要素認識の可視性指定
要素認識時のオプションで「表示されている要素のみ」にするかの選択肢で、Visibleが追加されました。「なし/Interactive(操作できる)/Visible(見えている)」の中から選択できます。
17)UiAモダン)変数のデフォルト値をオブジェクトリポジトリに保存
変数を含む記述子を操作する場合、変数は実行時にのみ実際の値を持つため、オブジェクトリポジトリでそれらを編集および検証することは困難でしたが、変数にデフォルト値が定義されている場合、それはオブジェクトリポジトリ要素にも格納され、Studioでのライブ編集とリアルタイム検証が可能になりました。
18)UiAモダン)実行ブラウザの変更スイッチ
Internet Explorerなどの特定のブラウザを使用してワークフローを作成し、後でChromeやFirefoxなどの別のブラウザに切り替えたい場合は、プロジェクト設定の「ランタイムブラウザ」のドロップダウンを使用してワークフローを行うことができます。
19)UiAモダン)表データを抽出でリンクのURLも抽出
リンクや画像を含むテーブルを抽出する場合、今後はそれらのURLも抽出され、必要に応じて使用できるようになりました。
20)UiAモダン)アプリ/ブラウザの 監査ログを無効化
[プロジェクト設定]> [UIAモダン]> [ロボットログ]> [ログ監査情報]に、新しいフラグがあります。これにより、[アプリ/ブラウザーの使用]アクティビティによって生成されたログを無効にできます。
21)UiAモダン)リトライスコープの条件に「アプリのステートを確認」を指定可能に
リトライスコープの条件として「アプリのステートを確認」アクティビティを指定できます。「特定のアプリケーション状態が達成されるまで」などのループ指定が容易にできます。
22)StudioX)Word・Outlook(Desktop)スコープ内でUIAutomationを直接配置可能に
WordおよびOutlook(Desktop)スコープ内で、アプリケーション/ブラウザカードを使用せずにUIAutomation系アクティビティを配置できるようになりました。アクティビティのネストを回避できます。
23)StudioX)データマネージャーの機能強化
StudioXのデータマネージャーの右クリックして[構成]を選択すると、データマネージャーから直接プロジェクトノートブックの設定を変更できるようになりました。また、引数を展開することにより、データマネージャから直接引数プロパティを表示できるようになりました。引数を右クリックして[引数の削除]を選択することにより、データマネージャーから直接引数を削除することもできます。
24)StudioX)新アクティビティ)ElseIF(条件分岐 (複数分岐))
StudioXにも「ElseIF」アクティビティが追加されました。複数の条件を評価する必要がある場合に役立ちます。
25)StudioX)新アクティビティ)繰り返し(フォルダ内の各ファイル/各フォルダ)
指定フォルダ内の「ファイルまたはフォルダ」でループするアクティビティが追加されました
ループ中にアクセスできないファイルが有った場合に、ハングするのを避けるために「アクセスが拒否されたアイテムをスキップする」オプションがあります。
26)アシスタント)Marketplaceウィジェット並び替え
21.12以降、Marketplaceウィジェットで、すぐに使用できる自動化のリストを次のオプションで並べ替えることができます:推奨 (デフォルト)、アルファベット順、評価、 最もダウンロード済み。
27)アシスタント)macOS用のアシスタント
UiPath AssistantがMacでも利用可能になり、従業員が携帯情報端末からクロスプラットフォームの自動化を簡単に実行および管理できるようになることをお知らせします。インターフェイスと機能は、Windowsですでに使用されているものと似ていますが、いくつかの詳細があります。
28)SAP)新アクティビティ)ALV 階層テーブルを展開
SAPALV階層テーブル内の任意のセルを識別・操作できるアクティビティが追加されました。ルの識別後、クリック、ダブルクリック、テキストの取得、属性の取得など、すべての一般的なUIアクティビティを実行できます。
29)SAP)GUIスクリプティングの設定エラー説明
SAPのWinGUI自動化が正しく機能していない場合に、SAPAPIスクリプティングインターフェイスのどの設定が正しくないかをエラーメッセージで表示するようになりました。
30)SAP)オブジェクトリポジトリに対応
SAP画面の要素も、オブジェクトリポジトリで管理できるようになりました。
31)コンピュータビジョン)垂直方向スクロール
CVテーブルの抽出アクティビティを使用して、垂直方向にスクロール可能なテーブルを抽出できるようになりました。Scrollオプションを使用するとアクティブ化されます。
32)テストスイート)エクスプローラーパネル
21.10で導入された「テストエクスプローラー」パネルですが、以下の内容で改善されました。
A)変数表示
変数の名前と値を「変数名:値…」で表示するようになりました。
B)ショートカットキー
エクスプローラーパネル用に以下のショートカットキーが追加されました。
・「Ctrl + Alt + T」テストエクスプローラーパネルを開く
・「Alt + T」 テストエクスプローラーで [テスト結果]サブパネル を開く
・「Alt + A」 テストエクスプローラーで [アクティビティサブパネル] を開く
C)テストエクスプローラーとプロジェクトの同期更新
プロジェクトに新しいリソースが作成された時に、テストエクスプローラーにすぐには
表示されない問題が改善されました。
D)実行期間
テストエクスプローラーからテストケースを実行すると、結果に「実行期間」も表示されるようになりました。
33)テストスイート)テスト自動化プロジェクトのオブジェクトリポジトリ利用
21.10では、オブジェクトリポジトリはテスト自動化プロジェクト内で利用できませんでしたが、利用できるようになりました。
終わりに
以上、Community 2021.12 プレビューリリースの紹介でした。
この記事が参考になったら、 LGTMをお願いします。閲覧ありがとうございました。