はじめに
この投稿は、RPAツール「UiPath」で 2021年6月にリリースされた、バージョン「21.6」について、「個人的に」 まとめたものです。
沢山あるので、前編後編に分けて紹介します。今回は前編として「Studio系」のリリースを説明します。
また、この記事は、UiPathのコミュニティ「UiPath Friends」が企画する「UiPathブログ発信チャレンジ2021サマー」の 29日目の投稿でもあります。
企画の内容は こちら 。カレンダーのURLは こちら です。
公式リリース
紹介する情報は、以下の「UiPath公式リリース」を元にしています。
今回の「ver21.6」は、2021年7月現在ではまだ「Preview」版なので、試してみたい場合は以下の「更新チャネル」でプレビューを選択する必要があります。
目次
今回紹介する内容は下記になります。
- 1)プロジェクトターゲットの指定(.NET5)
- 2)ワークフローアナライザーの結果エクスポート
- 3)モダンExcelデザインの登場
- 4)+マークの展開ボタンが「モダンExcel」と「パワポ」アクティビティに追加
- 5)[UiAssistant]マーケットプレイスのウィジェット追加
- 6)プロジェクト新規作成時のデフォルトが「UiAutomationモダン」に
- 7)オブジェクトリポジトリが「UiAutomationモダン」のレコーダーを使用可能に
- 8)「ブラウザデータ設定/取得」アクティビティの追加
- 9)変数サポートの改善
- 10)検証実行(クリック、タイプ、ショートカット、ホバー)での画像/テキスト検知
- 11)入力方法として「EdgeブラウザChromium API」をサポート
- 12)モダンデザインの「属性を取得」アクティビティ
- 13)ブラウザ移行ツールの提供
- 14)ブラウザーランタイムの変更
- 15)UiAutomationでMsのRemoteAppをサポート
1)プロジェクトターゲットの指定(.NET5)
Studioで新規プロジェクトを作成する際に「ターゲット」という項目が追加になり、
- クラシック(.Net Framework 461) ※ 従来までのタイプ
- モダン(.Net 5 Windows) ※ 新しく追加されたもの
を選択できるようになりました。
モダンを選択すると、使用するパッケージがすべて「Preview」版になります。まだ「おためし版」という事でしょう。ざっと操作してみましたが、途中でフリーズすることも何回かありました。
2)ワークフローアナライザーの結果エクスポート
ワークフローアナライザーでチェックした結果を、jsonファイルで出力できるようになりました。
プロジェクトの設定画面で「デザイン > アナライザーの結果をエクスポート」を「はい」にすると出力されます。
3)モダンExcelデザインの登場
プロジェクトの設定画面で「Excel Modern Experience」を「UseModern」にすると
Excel関連のアクティビティが、StudioXのExcelアクティビティになります。
以前のアクティビティを表示したい場合は、アクティビティパネル上の「フィルタ(オプションを表示))」ボタンを押して「クラシックを表示」を選択状態にすると「クラシック」カテゴリの下に表示されます。
4)+マークの展開ボタンが「モダンExcel」と「パワポ」アクティビティに追加
「+」マーク(サイン)の入力サポート機能が、「モダンExcel」と「パワポ」アクティビティに追加されました。
以下のように選択式で、設定する内容を候補表示してくれたりします。
5)[Uiアシスタント]マーケットプレイスのウィジェット追加機能
マーケットプレイスに公開された自動化ソリューションを、Uiアシスタントでダウンロードすることが出来ます。
そして、この機能はOrchestratorに接続していないと使用できないようです。
インストールをクリックで、アシスタントはビルド済みのオートメーションを自動的にダウンロードしてOrchestratorの個人用ワークスペースにインストールし、アシスタントプロセスリストで利用できます。
6)プロジェクト新規作成時のデフォルトが「モダンデザイン」に
新規で作成するプロジェクトは「モダンデザイン」になっています。
とはいえ、クラシックアクティビティを使用することも「クラシックデザイン」に切り替えることも可能です。
7)オブジェクトリポジトリが「UiAutomationモダン」のレコーダーでも使用可能に
アプリ/WebレコーダーでUi要素を記録する際に、オブジェクトリリポジトリと連携できるようになりました。
すでに登録済みの要素は「再利用しますか」ダイアログが表示されます。
8)「ブラウザデータ設定/取得」アクティビティの追加
ページによっては「ブラウザセッションデータ(認証クッキーなど)」が必要なものがありますが、「ブラウザデータ設定/取得」アクティビティを使って引き継げるようになります。
例えば、人がログインした後でロボットがそのセッションを引き継ぐなども可能です。
現時点ではEdgeブラウザーでのみ機能します。Chromeのサポートはまもなく提供されます。
※ 具体的な利用シーンが、ちょっと分かりませんでした。
9)変数サポートの改善
セレクタ要素内で変数を選択する際に、その場で変数を作成(宣言)できますが、その際に「デフォルト値」も設定できるようになりました。
10)実行検証での画像変更/テキスト変更の検知
Click、TypeInto、Hover、KeyboardShortcutsアクティビティの「実行検証」で「テキストの変化・表示の変化」を指定できるようになりました。
11)入力方法として「EdgeブラウザChromium API」をサポート
Modern Click、TypeInto、Hoverアクティビティで、新しい入力方法として「」指定できるようになりました。
Chromium API入力方式は、Chromiumベースのブラウザー(EdgeおよびChrome)でのみ機能し、このリリース以降、Edgeで使用できるようになります。Chromeはまもなく登場します。
この方法は、ブラウザがバックグラウンドで実行されている場合、ターゲットUI要素がブラウザのビューポートにない場合エラーになる可能性があります。
12)モダンデザインの「属性を取得」アクティビティ
シンプルでわかりやすくなりました。属性は「最も使用されている属性」が上にリストアップされます。
13)ブラウザ移行ツールの提供
Ver18.4以降のStudioで作成されたプロジェクトを読み込み、指定のブラウザ用の要素に自動変換したxamlを出力するツールです。
このツールは、cloud.uipath.comの「リソースセンター」からダウンロードできます。
14)ブラウザーランタイムの変更
従来の「クラシックオートメーション(モダンじゃないもの)」を使用している場合、プロジェクト設定の「UIAutomationクラシック」で「ランタイムブラウザー」を変更すれば、ターゲットブラウザに切り替えることができます。
15)UiAutomationでMsのRemoteAppをサポート
UiAutomationは「RemoteRuntime」経由でRemoteAppの操作ができるようになりました。
RemoteAppは、Windows Serverのリモート デスクトップ サービスが提供する機能の1つで、ホストで実行されるアプリケーションの画面だけを転送してクライアントのデスクトップ上に表示・操作させる、アプリケーションの仮想化を実現する機能です。
後編での紹介内容
以下の内容は後編で紹介する予定です。
- 1)[StudioX]アクティビティパネルの見た目変更
- 2)[StudioX]引数のサポート
- 3)[StudioX]次に追加するアクティビティのリコメンド
- 4)[StudioX]パッケージマネージャーでStudioXで絞り込みが可能に
- 5)[StudioX]新アクティビティ追加
- 6)[StudioX]リスト/配列のサポート
- 7)[StudioX]Excel系の改善
- 8)[TestSolution]テストケースのテンプレート化
- 9)[SAP]オートメーションの改善
- 10)Document Understandingの改善
終わりに
今回は「Studio系」のアップデートを中心に紹介しました。
「バージョン21.6」の理解に少しでも役立てば幸いです。
この記事が参考になったら、 LGTMをお願いします。
閲覧ありがとうございました。