はじめに
この投稿は、RPAツール「UiPath」で 2023年2月にリリースされた、バージョン「23.2」Community版について、個人的に まとめたものです。
※ 今回追加された機能は次期製品版(v2023.4)のリリースに含まれるはず、です。
情報ソース
紹介する情報は、以下の「UiPath公式リリース」を元にしています。
目次
今回紹介する内容は下記になります。
# 1)デザイン変更
# 2)Attendedの新しい実現方法(Formとトリガ)
# 3)リモート デバッグでのライブ ストリームのサポート
# 4)使用アプリをOrchestratorで確認表示
# 5)データマネージャパネルの強化
# 6)すべてのピボットテーブル更新
# 7)すべての列を比較して重複を削除
# 8)URの実行画面録画(ジョブ記録)
# 9)Assistantの実行中タブ
# 10)Assistantの実行引数のデフォルト復活
# 11)アプリケーションイベントトリガのイベント追加
# 12)セルフホスト/グループポリシーによるChrome拡張機能更新
# 13)Chromium ウィジェット/Electron のHTMLセレクター解析強化
# 14)ComputerVsionの強化
# 15)DocumentUnderStandingの強化
1)デザイン変更
※ これらの変更はリリースノートに記載はありません。
まず、Studio起動時に表示されるウィンドウの見た目が変わりました。
また、プロジェクトエクスプローラのファイルアイコンも一部変わりました。
あと、分かりにくいですが、バックステージのデザイン設定(ホーム>設定>デザイン)も項目が増えました。
・インストール可能なアクティビティを表示
・コンパイラ最適化を使用(v2023.4で消えました)
2)Attendedの新しい実現方法(Formとトリガ)
Xamlファイルを追加するように「フォーム」を作成することが出来るようになりました。
UiPath.Form.Activitiesを追加すると「Show Form」アクティビティが出て来て、作成したフォームを表示できます。
このFormに「Form trigger」アクティビティを使って、任意の操作にトリガーを設定できます。
例)送信ボタンを押したらAPIにリクエストを投げる
今までのFormアクティビティはこのイベント設定が面倒だったのですが、この「Form trigger」アクティビティを使えることで簡単になりました。
今回リリースされた「簡単に何個でも作れるフォーム」と「フォームトリガー」アクティビティを合わせて、有人/Attendedロボットで、フォームアプリを使った自動化が簡単に作れるようになります。
3)リモート デバッグでのライブ ストリームのサポート
Version 21.10 で追加された、リモート端末でのデバッグ実行をする機能に「ライブストリーミング(実行状態をライブで表示する機能」が追加されました。(うまく実行できなかったので、実際の画面は未検証です)
4)使用アプリをOrchestratorで確認表示
自動化処理の中で使用しているアプリケーションとウェブサイトをOrchestrator上のパッケージ管理で確認できるようになりました。各パッケージのアプリケーションメニューまたはリリースノートで確認できます。
(StudioおよびPackageのVersionが 23.2 以降である必要があります)
5)データマネージャパネルの強化
変数引数の並びをドラッグアンドドロップで変更できるようになりました。グローバル変数の参照検索機能も追加されています。
6)すべてのピボットテーブル更新
「ピボット テーブルを更新」アクティビティで「Excel.AllPivotTables」と指定すると、Excel上のすべてのピボットテーブルを更新できるようになりました。
7)すべての列を比較して重複を削除
重複を削除アクティビティで「すべての列を比較」が指定できるようになり、行全体で重複判定できるようになりました。
8)URの実行画面録画(ジョブ記録)
UR実行時に画面レコーディング(動画撮影)が出来るようになりました。
・スクリーンショットじゃなくて動画
・Orchestratorでジョブ記録をONにすると有効。
・最後の3分間のみ保存。7日間のみ保持。
・トラブル時の調査に役立つ。
Orchestratorのプロセス編集画面「優先度と実行のオプション」で「ジョブの記録」をOnにする必要があります。
9)Assistantの実行中タブ
「ステータスを報告」アクティビティに文字列をセットすると、実行中にAssistantのプロセス名の下に小さく状態表示がされていたものが、タブでも表示されるようになり、実行後でも前回実行分を確認できるようになりました。
10)Assistantの実行引数のデフォルト復活
v22.4 で実行引数のデフォルト(既定値)が反映されなくなりましたが、v23.2 で復活し、把握しやすくなりました。
規定値がある場合、グレーアウトされ、横の編集ボタンを押すと編集できます。(既定値の有無がわかる。既定値の中身は見えない)
11)アプリケーションイベントトリガのイベント追加
v22.12 で登場したアプリケーションイベントトリガに、イベントが追加されました。(フォーカスの取得/場所の変更/前景の喪失)
12)セルフホスト/グループポリシーによるChrome拡張機能更新
(ちょっと検証できていないので、曖昧ですが)グループ ポリシーを使用して UiPath Chrome 拡張機能をインストールする場合に、Native Messaging Hostコンポーネント (ChromeNativeMessaging.exe) をインストールして、ExtensionInstallForcelist/NativeMessagingAllowList/ExtensionInstallForcelistにポリシー追加すれば更新できるようになりました。
13)Chromium ウィジェット/Electron のHTMLセレクター解析強化
V22.8 で導入されたChromium ウィジェット/Electron のHTMLセレクター解析のサポート範囲が拡大しました(詳細は不明) Chromium バージョン 108、109、および 110 で利用できます。
※ Electron は、デスクトップアプリ構築フレームワークです。 NodeJS、HTML、CSS で実装し、アプリ内部はchromiumで動きます。
14)ComputerVsionの強化
ComputerVsion(AI-画像要素認識)で以下の機能が改善されました。
v2023.4 にはさらに大きな改善がリリースされるらしいです。
・自動アンカーの提案
・チェックアクティビティの CVサポート
・CV ターゲットの回復
・ターゲット指定時のマウスドラッグをサポート
15)DocumentUnderStandingの強化
DocumentUnderStanding(AI-OCR)で以下の機能が強化されました。
・Forms Extractor のページ マッチング アルゴリズムの強化
・新しい ML モデル (LayoutLM:自然言語処理アルゴリズム)
・右から左へ読む言語の言語サポート(アラビア語、ヘブライ語、ペルシア語など)
終わりに
以上、version2023.2のアップデートについて書きました。
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