はじめに
この投稿は、RPAツール「UiPath」で 2024年6月10日にリリースされた、バージョン「June/24.10」Community版について「個人的に」 まとめたものです。
今回のリリースは、名前が「June(6月)」となっていて、意味合い的には、他製品の生成AI系・Copilot系の製品リリースに合わせる(遅れを取らない)ために、10月リリース を 6月リリース に早めたらしいです。
情報ソース
以下の「UiPath公式リリース」を元にしています。
目次
今回紹介する内容は下記になります。
1)[Studio] Windows プロジェクトをクラウドに保存
2)[StudioWeb] ブラウザー拡張機能の更新
3)[StudioWeb] Safari でのUI操作(プレビュー)
4)[StudioWeb] コンピュータービジョンが利用可能に
5)[TestSuite] Autopilot でテストデータを作成
6)[アクティビティ改善] ワークフロー ファイルを呼び出しのデザイン変更
7)[アクティビティ改善] 繰り返しアクティビティ名の自動調整
8)[アクティビティ改善] ファイルを圧縮 (Zip)の改善
9)[新規アクティビティ] キューへの新しいアイテムの追加
10)[UiAutomation] エラー時のユーザー確認 の改善
11)[UiAutomation] ランタイム ブラウザーを設定 の改善
12)[UiAutomation] Windowsプロジェクトでセマンティックアクティビティ
13)[UiAutomation] あいまいセレクタでのCV自動アンカー
14)[UiAutomation] 属性取得のラジオボタンサポート
15)[UiAutomation] アクセント文字の認識(UiPath画面OCR設定)
16)[コード化] ライブラリ上のコード化されたワークフロー呼び出し
17)[コード化] コード化されたワークフローの条件付ブレークポイント
18)[コード化] ワークフロー呼び出しでのファイル選択・引数設定
19)[コード化] 利用可能なアクティビティの追加
1)[Studio] Windows プロジェクトをクラウドに保存
Studioで作成する「Windows プロジェクト」をクラウドに保存 できます。(以前は「クロスプラットフォームプロジェクト」でのみ利用可能)
Studioメニューの「デザイン>保存>クラウドに保存」を押すと、Automation Cloud の「StudioWeb」メニューに保存され、StudioWeb のプロジェクト一覧「デスクトップ版のStudioで開く」ボタンで、ローカルのStudioで起動できます。
2)[StudioWeb] ブラウザー拡張機能の更新
Google の Manifest V3 対応の「Studio Webブラウザ拡張機能」がリリースされました。
3)[StudioWeb] Safari でのUI操作(プレビュー)
UiPath.UIAutomation.Activities バージョン 24.10.0 から「Safari」の UI 要素の自動化が「プレビュー」でサポートされるようになりました。Safari 拡張機能のインストールが必要です。
4)[StudioWeb] コンピュータービジョンが利用可能に
Studio Web の要素認識/選択ヘルパーで「厳密セレクター/あいまいセレクター」に加えて「ComputerVision」が使用できるようになりました。
5)[TestSuite] Autopilot でテストデータを作成
Autopilot でテストデータを自動生成できます。
「テストケースを作成 > テストデータ > Autopilotで生成」でいくつか作成されます。
6)[アクティビティ改善] ワークフロー ファイルを呼び出しのデザイン変更
「ワークフロー ファイルの呼び出し」アクティビティの外観と動作が変更されました。(特に引数まわり)
・引数未設定の表示がされるようになりました
・引数の入力方法が「式形式」または「ディクショナリ形式」を選択できます。
7)[アクティビティ改善] 繰り返しアクティビティ名の自動調整
「繰り返し (コレクションの各要素) 」のアクティビティ表示名が変数内容によって自動で変わるようになりました。(「CurrentText」や「CurrentNumber」等の内部変数名が後ろに付きます)
8)[アクティビティ改善] ファイル圧縮解凍 (Zip)
圧縮解凍時の「同名ファイルあり」の動きを指定できるプロパティが追加されました。
圧縮 | プロパティ | 選択肢 |
---|---|---|
圧縮 | 重複する名前のコンテンツを許可 | True(許可する:上書き) False(許可しない) |
解凍 | ファイルが既に存在する場合 | Replace(上書き) Fail(エラー) Rename(ファイル名変更) |
9)[新規アクティビティ] キュートリガーの特定データ出力
Version 24.2 で「トランザクション アイテムを取得 アクティビティ」でキューに「特定データ」が設定されている場合に参照・出力可能になったのと同様に、「キューへのアイテム追加トリガー」でも「特定データ」が出力されるようになりました。
10)[UiAutomation] エラー時のユーザー確認 の改善
Version 24.4 で追加された「実行エラー時のユーザ確認(セレクタエラーで終了させないで、続行することができる)」の対応アクティビティ がいくつか追加されました。
・要素を確認(NCheckElement)
・強調表示(Highlight)
・ホバー(Hover)
・キーボード ショートカット(NKeyboardShortcuts)
・スクリーンショットを作成(TakeScreenshot)
・属性を取得(NGetAttribute)
・JS スクリプトを挿入(NInjectJsScript)
11)[UiAutomation] ランタイム ブラウザーを設定 の改善
Version 24.4 で新規追加された「ランタイムブラウザーを設定」が、クロスプラットフォームプロジェクトでも使用できるようになりました。
12)[UiAutomation] Windowsプロジェクトでセマンティックアクティビティ
Version 24.4 追加された「セマンティックアクティビティ」が、Windowsプロジェクトでも使用できるようになりました。
↓ 【UiPath】バージョン「24.4」Community版まとめ
13)[UiAutomation] あいまいセレクタでのCV自動アンカー
あいまいセレクターが自動アンカーを見つけられない場合は、ComputerVision がアンカーを提案するようになります。(未検証です。ちょうど良いセレクタが見つけられなかった。)
14)[UiAutomation] 属性取得のラジオボタンサポート
ComputerVision セレクター使用時でも、Checked属性が取得できるようになりました。
15)[UiAutomation] アクセント文字の認識(UiPath画面OCR設定)
OCRで、ラテン文字の「アクセント記号つき文字を検出するか」を設定できるようになりました。(未検証です)
16)[コード化] ライブラリ上のコード化されたワークフロー呼び出し
ライブラリ上のコード化フローを直接呼び出せるようになりました。
17)[コード化] コード化されたワークフローの条件付ブレークポイント
フロー同様に、コード上でブレークポイントを設定できるようになりました。
18)[コード化] ワークフロー呼び出しでのファイル選択・引数設定
ファイル名指定のプルダウンで、xaml だけなく cs(コード化) ファイルも表示されるようになりました。
また、引数指定パネルで設定した引数も表示されるようになりました。
19)[コード化] 利用可能なアクティビティの追加
コード化された自動化 で以下のアクティビティが使用可能になりました。
・ランタイムブラウザを設定(.SetRuntimeBrowser)
・ポップアップを閉じる(.ClosePopup)
・値を設定(.SetValue)
// 例)ランタイムブラウザを「Edge」に設定
UiAutomation.SetRuntimeBrowser(NBrowserType.Edge)
// 例)Acceptボタンを押してポップアップを閉じる(ポップアップ表示までは最大10秒待つ)
screen.ClosePopup(new closePopupOptions() {
PrefferdButtons = new string[] {"accept"},
PopupAppearTimeout = 10
});
// 例)Input画面のName欄にhogeと入力
screen.SetValue(App.Input.Name, new SetValueOptions() {Value = "hoge"});
終わりに
以上、バージョン「June / 24.10」Community版 のリリース内容まとめ でした。