はじめに
この投稿は、RPAツール「UiPath」の 製品歴史を振り返ってみる 記事です。
RPAツールUiPathのコミュニティ「UiPath Friends」が企画する「UiPathブログ発信チャレンジ2021サマー」の 8日目の投稿になります。
企画の内容は こちら 。カレンダーのURLは こちら です。
紹介するバージョンについて
Studioのバージョンアップを中心に、周辺製品についても「ざっくり」と紹介していきます。取り上げるバージョンは以下になります。
- Version 2016.2
- Version 2017.1
- Version 2018.1 - 2018.4
- Version 2019.4
- Version 2019.10
- Version 2020.4
- Version 2020.10
- Version 2021.4
※ 文章及び画像は、主にUiPath公式のリリースノートから抜粋しました。
Version 2016.2
公式で確認できた「最も古いバージョン」です。日本語化もされておらず表記は全て英語です。当時の画面を見ても「シンプル」で、今とはかなり違います。
<2016.2のUiPathStudioの画面>
<2016.2のOrchestratorの画面>
当時リリースの新機能・特徴は、以下のような項目がありました。
# 2016.2 での新機能・特徴
- アンカーベース
- OCR
- データスクレイピング
- Package Manager
- Subversion (SVN)
<リリースノート>
ちなみに2016年2月と言えば「SMAPの解散報道」が出てきた時期です。
Version 2017.1
コードネーム「Moonlight」として開発された2017は「多数のロボット管理」がテーマでした。画面を見ても、以前のバージョンとあまり変わりはありません。
<2017.1のUiPathStudioの画面>
当時リリースの新機能・特徴は、以下のような項目がありました。
# 2017.1 での新機能・特徴
- マルチテナント
- Invoke Codeアクティビティ追加
- OrchestratorのIaaSサポート開始(Azure・AWS)
<リリースノート>
ちなみに2017年1月と言えば「埼玉県のASKULで倉庫火災が起きていた」頃です
Version 2018.1 - 2018.4
2018は幾つかのバージョンがリリースされていますが、日本語化(多言語化)をテーマに、作りが大きく変わりました。
xamlの記述形式も「2018.3」を境に大きく変わっています。
また、マーケットプレイスが提供されたことで、部品利用のエコシステム化が進んだバージョンでも有りました。このあたりから、市民開発者の裾野も少しづつ広がってきたように見えます。
当時リリースの新機能・特徴は、以下のような項目がありました。
# 2018での新機能・特徴
- UiPathマーケットプレイス
- コンポーネント再利用
- Orchestratorスケジュール実行・API呼び出し
- グローバル例外ハンドラー
- Citrix サポート
- ワークフローテンプレート
- ダーク テーマ追加
<リリースノート>
https://www.uipath.com/ja/blog/developer/uipath2018.3-release
ちなみに2018年と言えば「バーコード決済が普及しだした年」でもあります。
Version 2019.4
ここからリリースが「4月のFTS、10月のLTS」という年2回リリースになります。
2019.4は開発者の利便性を控除させるようなアップデートでした。
当時リリースの新機能・特徴は、以下のような項目がありました。
# 2019.4での新機能・特徴
- Git との連携
- プロジェクトのグローバル設定
- パッケージ署名
- Computer Visionの安定版提供
- 正規表現ビルダーの提供
- Orchestrator モバイルアプリ
<リリースノート>
ちなみに2019年と言えば「新しい年号、令和が開始した年」でもあります。
Version 2019.10
2019.10は過去に無い規模の大きなリリースでした。
一番大きいリリースは「StudioX」でしょう。ワークフロー アナライザー、デバッグ体験の強化などもありました。
前後のタイミングで「UiPath Go」や「UiPath Connect」もリリースされ、開発者コミュニティを意識した戦略が見えます。
当時リリースの新機能・特徴は、以下のような項目がありました。
# 2019.10での新機能・特徴
- 長期実行のワークフロー(途中から中断、再開可能)
- UiPath Connect(コミュニティボード、2020年に終了)
- 日本語版UiPath Go(マーケットプレイス)
- Office 365 Activities
- Visual Studio Activity(カスタムアクティビティ開発用)
- ワークフロー アナライザー
- バックグラウンドプロセス同時実行
- 新製品)Task CaptureのGA(一般提供)
- 新製品)StudioXのGA(一般提供)
<リリースノート>
ちなみに2019年10月と言えば「沖縄の首里城で大規模な火災が発生」したタイミングでもあります。
Version 2020.4
2020年は「完全自動化の強化」をテーマに、周辺の製品サービスが強化されています。
StudioやOrchestratorの強化だけでなく、Task抽出やTest製品への展開など、多くの製品が投入されています。
当時リリースの新機能・特徴は、以下のような項目がありました。
# 2020.4での新機能・特徴
- Studio Pro(Test Suite)が利用可能に
- 監査ログ強化
- UiPath Automation Cloud(SaaS版Orchestrator)
- StudioでStudioXが利用可能
- トリガースコープ
- モダンフォルダー
- 新製品)Task MiningのGA(一般提供)
- 新製品)Automation HubのGA(一般提供)
- 新製品)Action CenterのGA(一般提供)
- 新製品)UiPath AppsのGA(一般提供)
- 新製品)Data ServiceのGA(一般提供)
- 新製品)Test Manager のGA(一般提供: 2020 年 7 月)
<リリースノート>
https://docs.uipath.com/releasenotes/lang-ja/docs/studio-2020-4-1
ちなみに2020年4月と言えば「コロナで世界各地でロックダウンが始まった」タイミングでもあります。
Version 2020.10
2020年のLTSは、数多くの新機能、改良点、バグ修正、微修正が含まれており、UiPath 製品がさらに使いやすくなっています。
UiPath社のエンジニアもコロナ渦で生活様式の変化・リモートワークでの開発を経てリリースしたもので、色々難しかったとは思いますが、オブジェクトリポジトリやピクチャ・イン・ピクチャ等の革新的な機能リリースも含まれています。
当時リリースの新機能・特徴は、以下のような項目がありました。
# 2020.10での新機能・特徴
- オブジェクトリポジトリ
- UIAutomationモダンデザイン
- テンプレート作成
- プロセスの複数のエントリ ポイント
- ピクチャ・イン・ピクチャ
- C#サポート
<リリースノート>
ちなみに2020年10月と言えば「東証でシステム障害」が起きたタイミングでもあります。
Version 2021.4
製品拡大の影響か、2021年からは毎月、何かしらのアップデートが報告されています。
ここではまとめて2021.4としてお伝えします。
2021.4は、デザインに統一感を持たせるために作成された「アポロデザイン」を元に、見た目が大きく進化しています。
また、Studioの64bit化や.NET5化など、製品の裏側で技術的な進化が見られました。
<Studio画面>
<CloudOrchestrator画面>
当時のリリースの新機能・特徴は以下のようなものでした
# 2021.4での新機能・特徴
- 64ビット化/.NETCore化
- StudioにStudioXのビジネス系アクティビティの追加
- Orchestratorのデザイン刷新
- Cloud Insights の一般提供 (GA) 開始
- Automation Ops の公開
- モダンフォルダーへの切り替え
- Automation Cloud と Azure AD との連携
- UiPath Assistant ウィジェット
- ロボット トレイのサポートの終了
こちらの記事でも、新機能について説明しています。
<リリースノート>
終わりに
いかがでしたでしょうか。
歴史を知れば、より製品を知ることが出来ます。今後のリリースもまた機会があれば記事で紹介したいと思います。
この記事が参考になったら、 LGTMをお願いします。閲覧ありがとうございました。