はじめに
この投稿は、RPAツール「UiPath」で 2022年4月にリリースされた、バージョン「2022.4」について「個人的に」 まとめたものです。
沢山あるので、何回かに分けて紹介します。今回は第3回として「改良された アクティビティ」を紹介します。
前回までの紹介記事はこちら。
情報ソース
紹介する情報は、以下の「UiPath公式リリース」を元にしています。
目次
今回紹介する内容は下記になります。
アクティビティの改善
# 1)[改善] 「HTTP 要求」アクティビティで「ウィザード再表示」(v21.12)
# 2)[改善] 「繰り返し」アクティビティで「型自動検出」 (v22.4)
# 3)[改善] 「リトライスコープ」アクティビティ条件で「アプリのステートを確認」指定可(v21.12)
# 4)[改善] 「表抽出」アクティビティでURL を自動抽出(v22.2)
# 5)[改善] スクリーンショットを作成 がターゲットなしでも機能するように(v22.2)
# 6)[改善] マウススクロ-ル でキー操作を考慮(v22.2)
# 7)[改善] MicrosoftGraphのバージョンが4.5.0にアップグレード(v22.2)
# 8)[改善] Word・Outlookスコープ内にUIAutomationを配置可能(v21.12)
名称変更
# 9)[名称変更] [StudioX]「後のために保存」が「変数の値を設定」に変更(v22.4)
# 10)[名称変更] パッケージ名が「UiPath.Mail.Activities」から「Mail」に変更(v22.2)
オブジェクトリポジトリ
# 11)オブジェクトリポジトリ)変数のデフォルト値を保存(v21.12)
# 12)オブジェクトリポジトリ)すべての要素をキャプチャのエラーレポート(v22.4)
# 13)オブジェクトリポジトリ)ドラッグ時に変数を自動作成(v22.2)
# 14)オブジェクトリポジトリ)要素をキャプチャでの領域選択(v22.2)
要素認識
# 15)[要素認識] ランタイムブラウザをプロジェクト設定で切り替え(v21.12)
# 16)[要素認識] 可視性指定 (v21.12)
# 17)[要素認識] スクロールでF2が不要に(v22.2)
# 18)[要素認識] Java16/17のサポート(v22.4)
# 19)[要素認識] Windows11のサポート(v22.4)
# 20)[要素認識] SalesforceLightningのFirefox対応 (v22.4)
# 21)[要素認識] Salesforceコンボボックス対応 (v22.4)
その他
# 22)クロスプラットフォームのサポート(.NET 5)(v21.12)
# 23)LinuxDockerコンテナでのChromeUIAutomation(v22.4)
# 24)Azure WindowsVirtualDesktopクライアントのサポート(v22.4)
# 25)ChromeマニフェストV3拡張機能(v22.4)
# 26)Embedded Edgeのサポート(WebView2ネイティブ)(v22.4)
# 27)アプリ/ブラウザの 監査ログを無効化(v21.12)
※ 丸カッコ内の数字は、Communityバージョンに機能追加されたタイミングを示します。(例:v22.4 = Community版22.4でリリースされた機能)
1)[改善] 「HTTP 要求」アクティビティで「ウィザード再表示」
HTTP 要求 (HTTP Request) アクティビティで、新規作成時に表示されるウィザードが、作成後の「設定」ボタン押下でも表示できるようになりました。
2)[改善] 「繰り返し」アクティビティで「型自動検出」
IEnumerable(リスト、配列など)がFor Eachに提供されると、TypeArgumentが自動的に検出され、引数の型(TypeArgument)が設定されます。
3)[改善] 「リトライスコープ」アクティビティ条件で「アプリのステートを確認」を指定可
リトライスコープの条件として「アプリのステートを確認」アクティビティを指定できます。「特定のアプリケーション状態が達成されるまで」などのループ指定が容易にできます。
4)[改善] 「表抽出」アクティビティでURL を自動抽出
表抽出機能を使って、表形式のデータをデータテーブルで取得する場合に、要素選択時に「テキスト」だけでなく「リンク先URL」や「画像URL」の情報も自動で取得するようになりました。不要な場合は列を削除すればOKです。
5)[改善] スクリーンショットを作成 がターゲットなしでも機能するように
「スクリーンショットを作成」アクティビティは「アプリケーション/ブラウザを使用」等の 画面/スコープ指定アクティビティ の外で使用すると「ターゲットまたはUi要素を指定する必要があります」エラーになっていましたが、改善され、単独でも使用できるようになりました。
6)[改善] マウススクロ-ル でキー操作を考慮
特定のキーを押しながらマウススクロールする操作のために「キー修飾子」がオプションに追加されました。
7)[改善] MicrosoftGraphのバージョンが4.5.0にアップグレード
MicrosoftGraphを使用するアクティビティのAPIバージョンが4.5.0にアップグレードされ、Windows以外のOSでの認証トークンストレージをサポートするようになりました。
8)[改善] Word・Outlookスコープ内にUIAutomationを配置可能
WordおよびOutlook(Desktop)スコープ内で、アプリケーション/ブラウザカードを使用せずにUIAutomation系アクティビティを配置できるようになりました。アクティビティのネストを回避できます。
9)[名称変更] [StudioX]「後のために保存」が「変数の値を設定」に変更
アクティビティの名前が「後のために保存 (Save for Later)」から「変数の値を設定(Set Variable Value)」に変わりました。選択メニューでも「保存された値」ではなく「変数」という表記に変わっています。
以前のバージョン | 2021.4以降のバージョン |
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10)[名称変更] パッケージ名が「UiPath.Mail.Activities」から「Mail」に変更
パッケージの名称が「UiPath.Mail.Activities」から「Mail」に変わりました。
11)オブジェクトリポジトリ)変数のデフォルト値を保存
変数を含む記述子を操作する場合、変数は実行時にのみ実際の値を持つため、オブジェクトリポジトリでそれらを編集および検証することは困難でしたが、変数にデフォルト値が定義されている場合、それはオブジェクトリポジトリ要素にも格納され、Studioでのライブ編集とリアルタイム検証が可能になりました。
12)オブジェクトリポジトリ)すべての要素をキャプチャのエラーレポート
CV(ComputerVision)の「すべての要素をキャプチャ」で要素が欠落しているもの表示する機能が追加されました(詳細不明)
13)オブジェクトリポジトリ)ドラッグ時に変数を自動作成
オブジェクトリポジトリに登録した要素の中で、変数を使用している場合は、ドラッグ時に該当の変数が自動でフローに追加されるようになりました。
14)オブジェクトリポジトリ)要素をキャプチャでの領域選択
オブジェクトリポジトリの「要素をキャプチャ」で画面要素を取得する際に、ウィンドウ全体ではなく、領域選択した一部だけで要素を取得できるようになりました。
15)[要素認識] ランタイムブラウザをプロジェクト設定で切り替え
Internet Explorerなどの特定のブラウザを使用してワークフローを作成し、後でChromeやFirefoxなどの別のブラウザに切り替えたい場合は、プロジェクト設定の「ランタイムブラウザ」のドロップダウンを使用してワークフローを行うことができます。
16)[要素認識] 可視性指定
要素認識時のオプションで「表示されている要素のみ」にするかの選択肢で、Visibleが追加されました。以下の中から選択できます。
- なし
- 対話できる要素(Interactive)
- 表示されている要素(Visible)
17)[要素認識] スクロールでF2が不要に
表示されていない、下の方にある要素を取りたい場合には「F2で一時停止 & スクロールで表示」してから洋を取得する必要がありましたが、今回のF2で止めなくても要素が取れるようになりました。
18)[要素認識] Java16/17のサポート
Java16/17で実行されるアプリケーションのUI自動化が正式にサポートに追加されました。おおむね動くようになったということでしょう。
19)[要素認識] Windows11のサポート
Windows11のUi操作が正式にサポートされるようになりました。概ね動くようになったということでしょう。
20)[要素認識] SalesforceLightningのFirefox対応
SalesforceUI固有の属性に基づくセレクターがFirefoxでも利用できるようになりました。属性指定により、セレクターの信頼性UP とUIの変更への耐久力が向上します。
21)[要素認識] Salesforceコンボボックス対応
「項目を選択(SelectItem)」アクティビティは、Salesforceコンボボックスおよびグループ化されたコンボボックスで使用できるようになりました。(公式リリースの原文のまま)
22)クロスプラットフォームのサポート(.NET 5)
以下のアクティビティが、プロジェクトの対応OSを「クロスプラットフォーム」にした場合でも使用可能になりました。
- UiPath.Mail.Acivities
- UiPath.Word.Acivities
- UiPath.Excel.Acivities
23)LinuxDockerコンテナでのChrome操作
段階的、制限的、試験的にですが、UiPath提供のLinuxイメージを使用すれば、Ui操作が自動化できるようになったようです。
コンテナイメージはUiPathのレジストリで公開されています。
24)Azure WindowsVirtualDesktopクライアントのサポート(v22.4)
UiPathリモートランタイムで、「Azure Virtual Desktop(デスクトップ仮想化(VDI))」のUi操作がサポートされました。Citrix 同様、ランタイムとRDP拡張をインストールする必要があります
25)ChromeマニフェストV3拡張機能(v22.4)
Chrome拡張の仕様移行(V2 -> V3)が始まり、2023年以降は現行V2の拡張機能はChromeで動かなくなりますが、対応する形でUiPathのChrome拡張もV3に更新されました。
以前のリリースと互換性があるらしく、なる早のインストールが推奨されています。
26)Embedded Edgeのサポート(WebView2ネイティブ)(v22.4)
Microsoft Edgeで提供される、Web コンテンツ表示コンポーネントの「WebView2」で、標準のHTMLセレクターを介して自動化できるようになりました。
例えば、SAP Business ClientをV7.70に移行して、Embedded Edgeで使用する場合に、UIオートメーションが引き続き動作するようになります。
27)アプリ/ブラウザの 監査ログを無効化
[プロジェクト設定]> [UIAモダン]> [ロボットログ]> [ログ監査情報]に、新しいフラグがあります。これにより、[アプリ/ブラウザーの使用]アクティビティによって生成されたログを無効にできます。
続き
以下の投稿で続きを書きました。
終わりに
以上、バージョン「22.4」FTS リリースの紹介でした。次回は、アクティビティ以外の機能を紹介します。
この記事が参考になったら、 LGTMをお願いします。閲覧ありがとうございました。