はじめに
この投稿は、RPA 開発ツール「UiPath Studio」のコミュニティ版(Community Edition)のインストール方法について、紹介する記事です。
※ 2022年4月時点 での情報をもとに記載しています。
目次
以下の内容で紹介します。「手っ取り早くインストールだけしたい」場合は、手順1から手順4を確認ください。
- 事前知識)用意するもの
- 事前知識)Community 版と Enterprise 版
- 事前知識)Community 版のインストールの流れ
- 手順-1)AutomationCloud で UiPath アカウントを作成
- 手順-2)Studio のインストーラーをダウンロード
- 手順-3)Studio をインストール
- 手順-4)Studio を起動
- 参考知識)Studio と StudioX の切り替え
- 参考知識)プレビュー版と安定板の違い
- 参考知識)自動更新
事前知識)用意するもの
Studio のインストールにあたり、3つ用意します。
- 10分~30分くらいの時間
- メールアドレス(UiPathアカウント登録&ログイン用)
- PC(Windowsのみ/推奨スペックの指定あり)
Studio インストール完了までの所要時間は、スムーズにいけば「10分」くらいで終わります。
UiPath のアカウント登録が必要なため、メールアドレスを用意してください。
インストールする Widows PC の推奨スペックは、UiPath 公式では、以下の記載があります。
上記の「最小スペック」では かなり不安で、動作が安定しません。最低でも推奨スペックの 「CPU 4コア x メモリ 8 GB x HD空き 10 GB」は欲しいです。それでも、Excelや他のアプリを立ち上げると、たまにフリーズすることも。
「快適に開発したい」なら、「CPU 8コア x メモリ 16 GB x HD 100 GB」以上
をオススメします。
インストールには問題ありませんが、ディスプレイサイズも大事です。Studio の画面レイアウトは「上下にスペースが必要」
なので、FullHD(1920 x 1080)以上だと開発効率が上がります。可能なら QHD(2560 x 1440)が欲しいところです。
2022年4月時点では、Windows 以外の OS では Studio はインストール出来ません。Macユーザーは Boot Camp または Parallels 等の仮想マシンで Windows を立ち上げてインストールする必要があります。
事前知識)Community 版と Enterprise 版
UiPath Studio には Community 版と Enterprise 版があります。
Community 版は、個人または小規模チーム向け
で、Enterprise 版はそれ以外の商用利用向け
です。
Community 版は「無料」で、Enterprise 版は「有料版」と「無料トライアル版」があります。
実はどちらも機能としては違いがありません
。ただし、それぞれで「利用制限」「特徴」で差があるので、以下で説明します。
項目 | Community版(無料) | Enterprise版(無料トライアル) |
---|---|---|
無料期間 | ずっと無料 | 60日間の無料トライアル |
誰向け? | 個人または小規模のチーム向け | ライセンス購入前に お試しで導入したい人 |
ライセンス数 | AR=2、UR=1、Testing=5(※) | AR=5、UR=5、Testing=5(※) |
バージョン 更新 |
UiPath による自動更新(強制) | ユーザーによる更新(選択可) |
登録URL |
https://cloud.uipath.com/portal_/register?selected_language=ja https://www.uipath.com/ja/start-trial https://cloud.uipath.com/portal_/register |
https://cloud.uipath.com/portal_/register?selected_language=ja&subscriptionPlan=trial |
登録画面 |
※ AR:Attendedロボット=人が隣にいて実行するロボット
※ UR:UnAttendedロボット=無人で動くロボット
※ Testing:テスト自動化用のロボット
Community 版は「ユーザーによる新バージョンの実地検証
」の意味合いもあり、新しいバージョンがリリースされた時に強制的に最新バージョンに更新
されるのが大きな違いです。画面デザインの変化や機能の進化についていく(慣れる)必要があります。
一方、Enterprise 版は「インストール時に選んだバージョンのまま」で更新されません。同じデザイン・慣れた機能で、安心して中長期的に開発が可能
です。
Enterprise の無料トライアル版は、そのまま有料版に切り替えることが出来るので、購入して本格導入する前のお試し版
の位置づけになっています。
Community 版も Enterprise の無料トライアル版も、どちらも「無料」という点では一緒ですが、「Enterprise の無料トライアル版」をインストールすると、60日間の無料トライアル
後に「ライセンス有効期限切れ」になってしまいます。個人利用なら Community 版を選択ください。
ただし、Community 版の利用には、以下の条件を満たす必要があります。
2022年まで
・物理マシンまたは仮想マシンまたはユーザーが250台未満の組織
・年間収益が500万米ドルに相当する額未満(1ドル125円換算で、500万ドルは「6億強」)
2023年以降
・個人利用である(商用利用ではない=利益や金銭に直接的/間接的に繋がらない)
つまり
2022年までは「小規模事業者の商用利用」で、Community 版の利用がOKでしたが、2023年からはNG
になっています。
小規模事業者で、業務(=営利目的)で、UiPathを「Community版」で使用している場合は
1)Pro(有料版)に切り替える ※ トライアル版なら60日間は無料
2)Free(無料版)に切り替える
3)利用をやめる(泣)
のいずれかを選択する事になりますが、
Free(無料版)プランでは「Studioを使った開発」が出来ない。(StudioWeb/StudioXなら使用可能)
という制約があり、今までStudioで作ったロボット/自動化フローは、StudioWeb/StudioXに、作り直す 必要があります。
教育やハッカソン・研究や評価の非営利目的の場合は使用が許可されます。
微妙かな?と思ったら、以下を確認ください。(英語です)
事前知識)Community 版のインストールの流れ
UiPath Studio の Community 版のインストールは、以下の手順で行います。
1)Automation Cloud に UiPath アカウントを作成
2)Studio のインストーラーをダウンロード
3)Studio をインストール
4)Studio を起動
※ Automation Cloud は、アカウントポータル・Studio機能の管理・ライセンス認証の役割をします
※ Orchestrator は、ロボットの無人実行プラットフォームです。
※ Orchestratorを使用せずに Studioだけ利用することも可能です。
※ Automation Cloud に接続せずに「スタンドアロン」版として使用することも出来ます。
以下で手順を見ていきます。
手順1)Automation Cloud で UiPath アカウントを作成
最初に「UiPath Automation Cloud」という UiPath のクラウドサービスに、アカウントを登録します。(既にUiPath アカデミーやForum 等でアカウント登録済なら、そのアカウントを使用できます。)
Automation Cloud の登録用 URL は以下です。
https://cloud.uipath.com/portal_/register?selected_language=ja
アクセスすると、下のような画面が表示されます。(ウィンドウサイズが小さいと、左側の説明は表示されません)
登録には「メールアドレス」が必要です。
Google または Microsoft アカウントを使用するなら「Googleで続行・Microsoftで続行」ボタンを押すと、OAuth を利用してメール認証不要で登録できます。その他のメールアカウントで登録する場合は「メールアドレスで続行」ボタンを押し、メールアドレスとログインパスワードを指定します。
以下では「メールアドレスで続行」ボタンを選択した時の説明を書きます。
届いたメールで「VerifyEmail
」ボタンを押せば、メールアドレスの確認完了です。
元の登録ページで AutomationCloud の画面が表示されれば、「UiPathアカウント」の仮作成が完了です。
※ 画面が表示されない場合は、別途ログイン画面を開いて、指定したメールアドレスとパスワードでログインをして下さい。(ログイン画面:https://cloud.uipath.com )
続いて「ユーザー名・地域・組織名」の選択をします。組織名はOrchestratorの管理名(テナント名)になります。
入力して次に進むと「ようこそ画面」が表示され、登録完了です。
手順2)Studio のインストーラーをダウンロード
インストーラーは、Automation Cloud からダウンロードできます。以下の場所にリンクがあります。
1)アカウント登録直後のトップページ
2)ホーム画面の右側
3)リソースセンター画面
インストーラーのサイズは「1 GB」くらいです。
2022年4月上旬:860 MBくらい
2022年4月下旬:1.1 GBくらい
参考)ちなみに、Automation Cloud 左メニューにある「Studio」は「Studio WEB」と言って WEB版のStudioです。今回インストールする クライアント版 Studio とは「見た目も中身も違う
」ものです。2020年4月に出たばかりで、まだ「お試し版の機能
」です。
詳しくは以下の記事を参考にしてください。
手順3)Studio をインストール
ダウンロードした「UiPathStudioCommunity.msi
」を起動すると、ようこそ画面が表示されます。
「クイック(Community 版ユーザーに推奨)
」と「ライセンス条件に同意
」をチェックし「インストール
」ボタンを押すとインストール開始です。完了まで「数分」かかります。
Chrome や Edge などのブラウザを開いていると、以下のような画面が表示されます。ブラウザを閉じてOKを押してください。
完了画面が表示されたら、インストール完了です。
「UiPath Studioを起動」ボタンを押して、次に進んでください。
手順4)Studio を起動
Studioを利用するためは「ライセンス認証」が必要ですが、以下の4つの方法があります。
「サインイン」は、手順1で登録した UiPath アカウント
で認証します(通常はコレで認証)
「Orchestratorに接続」は、OCで発行したマシンキー
で認証します(上級者向け・UnAttendedロボット用)
「ライセンスキーを追加」は、評価版 or 製品版のライセンスキー
で認証します(Enterprise 版に切り替える時に使用)
「CommunityEditionをオフラインで使用」は、上記でうまく認証できないとき
の回避策(ライセンス認証しません)です。
CommunityEdition をオフラインで使用 は、version22.4(2022年4月中旬以降)から使用できなくなりました。
CommunityEdition はオンラインで使う必要があります。('Д')
インストール後に Studio を起動すると、以下の画面が表示されます。画面中央の「サインイン」ボタンを押してください。
認証が切れている場合は「ログイン画面」が表示されます。手順1で使用した「メアドとパスワード」でログインしてください。
ライセンス認証が終わると「スタート画面」が表示され、Studio を利用できるようになります。
「サインイン」認証すると、手順1で作成した組織= Orchestrator に自動接続され、作成したフローの Orchestrator へのパブリッシュやログ管理などが利用できます。「Orchestratorに接続」で認証しても同じです。
オフラインで使用では、Orchestratorは使用できません。AutomationCloudを通じて利用する機能(ComputerVisionやIntegrationServiceなど)も利用できません。
エラーでうまくいかない場合は、以下を試してみてください。
- 1)「ブラウザで Automation Cloud からログオフ」してみる
- 2)「StudioおよびPCの再起動」してみる
- 3)「Studioの再インストール」
- 4)「アカウント変更」してみる
- 5)「Orchestratorからマシンキーを発行」して、認証してみる(上級者向け)
かなり前(AutomationCloudの登場前)に、UiPathアカウントを登録した場合は、何らかの理由で「サインインでの認証」が無効になっている可能性があり、認証エラーになるケースがあります。
対応方法は分かっていません(ゴメンナサイ)
Orchestratorでライセンスキーを発行し、Studioで認証すれば使用できます。
サインイン エラーに関する、UiPath公式ヘルプページはこちら。
参考知識)Studio と StudioX の切り替え
Community 版では、Studio と StudioX を自由に切り替える
ことが出来ます。
Studio のバックステージ画面(設定・ヘルプがある画面)で「設定
」メニューの「ライセンスとプロファイル
」から「プロファイルを変更
」をクリックすると、切り替え画面が表示されます。切り替え時は「Studioの再起動」が必要です。
Studio と StudioX を両方同時に開くことも出来ます。機能比較をしたい時などに便利です。
手順)最初に Studio を2つ立ち上げる → 片方を StudioX に切り替える
参考知識)プレビュー版と安定板の違い
version 2012.12 から、更新チャネルの選択が出来なくなり、2 か月ごとに更新プログラムを自動的に受け取るようになりました。
Studio の新機能リリース時に「更新をすぐ受け取るか
」を設定できます。
Studio バックステージ画面(設定・ヘルプがある画面)のヘルプメニュー右側の「更新チャネル」で指定します。
プレビュー版は「先行バージョンの先取りお試し版」です。Studio は基本的に「毎月 新しい機能がリリースされる」のですが、そのたびにアップデートを受け取ります。安定板は、毎年10月にリリースされる LTS(LongTermSupport:長期サポート版)で、アップデートされます。
どちらにするか?は好みですが「学習・新機能への慣れ」という意味で「プレビュー版」をオススメします。
インストール時はデフォルトで「プレビュー版」になっています。
更新させたくないなら、インストール後に安定板を選択しておきましょう。
参考知識)自動更新
Community 版を利用していると、定期的に/Studio の新しいバージョンがリリースされ、以下のような「自動更新通知」が画面に表示され、更新を促されます。指定期日までに更新をしないと 次回起動で強制的に更新される仕組み
です。
インストール時は大体「1つくらい古いバージョン」でインストールされるので、その数時間後に「更新通知」が来ます。
自動更新したくないなら、インストール直後に更新チャネルで「安定板」を選択します。
終わりに
以上、Studio Community 版の インストール紹介記事 でした。
この記事が参考になったら、 LGTMをお願いします。閲覧ありがとうございました。