はじめに
この投稿は、RPAツール「UiPath」で 2022年12月にリリースされた、Community版「2022.12」について個人的にまとめたものです。
※ この Community 版リリースは、次期 Enterprise版「2023.4」に含まれる予定です。
UiPath Advent カレンダーの 18 日目 の記事でもあります。
情報ソース
紹介する情報は、以下の「UiPath公式リリース」を元にしています。
目次
今回紹介する内容は下記になります。
Studio/StudioX
# 1)[Studio/StudioX] 更新チャネルの廃止
# 2)[Studio/StudioX] すべての公式パッケージからアクティビティを検索
# 3)[Studio/StudioX] ライブラリアクティビティの入力引数タイプ指定
# 4)[Studio/StudioX] データ マネージャーの 更新 ボタン
# 5)[Studio/StudioX] MsOffice修復ツールに2021を追加
TestSuite
# 6)[TestSuite] ライブラリ抽出を上部メニューに追加
# 7)[TestSuite] プロジェクト エクスプローラーで表示
# 8)[TestSuite] 既存のテンプレートに基づいて作成
# 9)[TestSuite] 空のテスト データ キューで null を返す
# 10)[TestSuite] 描画パターン(新規アクティビティ)
# 11)[TestSuite] 位置スワイプ(新規アクティビティ)
# 12)[TestSuite] アクティブ ドキュメントと同期
Robot/Assistant
# 13)[Robot] プロセス初回実行の高速化
# 14)[Assistant] お気に入りセクション
# 15)[Assistant] ナビゲーションの改善
UiAutomation
# 16)[UiAutomation] アプリケーション イベント トリガー(新規アクティビティ)
# 17)[UiAutomation] Acrobat Reader の 保護モード対応
# 18)[UiAutomation] ブラウザ起動タイムアウトの指定が可能に
# 19)[UiAutomation] MV3のシミュレートクリックエラー対応
# 20)[UiAutomation] 項目を選択 アクティビティの改善
# 21)[UiAutomation] 少し変わったチェックボックスのサポート
# 22)[UiAutomation] ElectronやCEFやWebView2の対応
# 23)[UiAutomation] Modifiers 値変更
# 24)[UiAutomation] 要素認識方法に「CV」が追加
# 25)[UiAutomation] クリック トリガー
# 26)[UiAutomation] 「テキストを設定」アクティビティが モダンデザインに登場
# 27)[UiAutomation] Inject Js Script に実行環境プロパティ追加
# 28)[UiAutomation] Document Understanding
その他
# 29)[その他] 入力枠の左右ボタン(公式リリースには記載なし)
1)[Studio/StudioX] 更新チャネルの廃止
今までは、Studio のアップデートを受け取るタイミングとして「更新チャネル」が選択できたのですが、このリリースから選択できなくなり、2 か月ごとに更新プログラムを自動的に受け取る形になりました。つまり、常に最新版になり、更新を後回しに出来ません。
2)[Studio/StudioX] すべての公式パッケージからアクティビティを検索
・「クロスプラットフォーム」プロジェクトを使用している場合
・UiPathオートメーションクラウドに接続している場合
は、UiPath公式パッケージであれば、インストールしてなくてもアクティビティを検索できるようになりました。
3)[Studio] ライブラリアクティビティの入力引数タイプ指定
Version22.8 で提供された機能が復活しました。ライブラリでアクティビティを提供する場合に、引数で指定する値にパターンを指定できます。ある程度、入力値を制限したい場合に使えます。
4)[Studio] データ マネージャーの 更新 ボタン
データ マネージャーの 更新 ボタンを押したときに、再読み込みが「カテゴリ別」に行われるようになりました。データ量が多い場合にフリーズしたかと勘違いするこように見えなくなります。
5)[Studio] MsOffice修復ツールに2021を追加
修復ツールに Microsoft Office 2021 が追加されました。
6)[TestSuite] ライブラリ抽出を上部メニューに追加
いままで、右クリックメニューでしたが、上部メニューに新たに追加されました。
以前 (プロジェクトで右クリック) |
22.12以降 (上部メニュー) |
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7)[TestSuite] プロジェクト エクスプローラーで表示
テストエクスプローラーの結果から、実際のテストコードに移動ができるようになりました。「プロジェクトエクスプローラで表示」をクリックすると、プロジェクトエクスプローラ上で該当のテストコードがフォーカスされます。
8)[TestSuite] 既存のテンプレートに基づいて作成
テストプロジェクトでもテンプレートを作成できるようになりました。
9)[TestSuite] 空のテスト データ キューで null を返す
これまでの [テスト データ キュー アイテムの取得] アクティビティは、テスト キューが空のときに例外をスローしました。これは非常に不便であることが判明し、開発者は呼び出しを try キャッチで囲む必要がありました。
標準キューと同様の動作を採用し、キューが空の場合に null を返すようになりました。
10)[TestSuite] 描画パターン(新規アクティビティ)
モバイルテストプロジェクト/MobileAutomationアクティビティ ですが、複雑なドロー操作を再現できます。
11)[TestSuite] 位置スワイプ(新規アクティビティ)
こちらもモバイルテストプロジェクト/MobileAutomationアクティビティ ですが、XY座標でスワイプ操作を指定できます。
12)[TestSuite] アクティブ ドキュメントと同期
プロジェクトパネルに [アクティブなドキュメントと同期] という新しいボタンが追加され、選択すると「現在開いているドキュメント」にフォーカスが移ります。
13)[Robot] プロセス初回実行の高速化
プロセス実行をしてくれる「executor」の初回実行時に遅くならないように、事前に読み込み移動してくれるようになりました。Windowsマシンの場合は「Windows とレガシー」用のExecutor、Macマシンの場合は「クロスプラットフォーム (ポータブル)」が事前読込されます。
14)[Assistant] お気に入りセクション
プロセスを右クリックし「お気に入り」に追加すると、パネル展開時右側の「お気に入り」セクションに表示されるようになりました。パネルを閉じると、今まで通り「ホーム」下にも表示されます。
15)[Assistant] ナビゲーションの改善
プロセスを選択した次の画面から、もとに画面に戻る際に「X」ではなく「BackTo」で戻るようになりました。
以前 | 2022.12以降 |
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16)[UiAutomation] アプリケーション イベント トリガー(新規アクティビティ)
アプリケーションを指定して、イベントを監視することが出来ます。イベントの種類は「表示/非表示、テキスト変更、フォーカス、キー押下、クリック、マウス移動」などなど一通りあります。
17)[UiAutomation] Acrobat Reader の 保護モード対応
Adobe Reader の バージョン22 以降で「起動時の保護モード」が有効になっている場合、Ui要素が掴めなかったのですが、UiAutomaionの22.12以降では掴めるようになりました。
18)[UiAutomation] ブラウザ起動タイムアウトの指定が可能に
スペックの低いマシンの場合、初回ブラウザ起動に時間かかかってしまい、タイムアウトエラーになることがありましたが、起動タイムアウトの設定がプロジェクト設定で指定できるようになりました。
モダンデザインの場合 | クラシックの場合 |
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19)[UiAutomation] MV3のシミュレートクリックエラー対応
Chrome拡張を最新の「MV3」にバージョンアップする際に、一部のWEBページで「シミュレートクリック」が動かなくなってしまう事象への対応として、プロジェクト設定でワークアラウンド(回避策)を有効にすると、入力方法をシミュレートから他の入力に変更する必要がなくなりました。(この場合、実際にはどういう処理になるのかは説明がありません)
20)[UiAutomation] 項目を選択 アクティビティの改善
SAP Fiori/Salesforce ドロップダウンなどの複雑な HTML ドロップダウンをサポートするようになったそうです。(未検証)
21)[UiAutomation] 少し変わったチェックボックスのサポート
少し変わったチェックボックス、(例:For属性あり、hiddenになっているチェックボックス)も操作できるようになったそうです(未検証)
22)[UiAutomation] ElectronやCEFやWebView2の対応
Chromiumベースのブラウザアプリ(Electron/CEF)やWebview2アプリの要素認識が強化されたそうです(未検証)
23)[UiAutomation] Modifiers 値変更
イベント系操作の戻り値が「数字」から「操作を示すの値(Shift, Alt, Ctrl)」に変わったそうです。(未検証)
24)[UiAutomation] 要素認識方法に「CV」が追加
プロジェクト設定で「Enable Computer Vision as targeting method」をTrueにすると、要素をクリックすると、ComputerVisionが、変更に強いセレクタを自動で設定してくれます。
25)[UiAutomation] クリック トリガー
クリックトリガー、キー操作トリガーが「モダンアクティビティ」に追加されました。
26)[UiAutomation] 「テキストを設定」アクティビティが モダンデザインに登場
「テキストを設定」アクティビティが モダンデザインに追加されました。
オブジェクトリポジトリ対応、入出力要素の設定が可能になりました。
モダン版 | クラシック版 |
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27)[UiAutomation] Inject Js Script に実行環境プロパティ追加
実行環境=スコープ/影響する範囲 です。WEBページ内で実行する場合は「Page」、個別で実行したい場合は「isolated」を選択します。
28)[UiAutomation] Document Understanding
タクソノミーマネージャーでの操作性向上したようです。(未検証)
詳しくはこちら。
Document Understanding は PDFや画像、手書き文字などの認識技術です。「UiPath.IntelligentOCR.Activities」パッケージをインストールすると使用できます。
タクソノミーマネージャーは 認識用のフォーマットを定義するものです。
29)[その他] 入力枠の左右ボタン(公式リリースには記載なし)
アクティビティ上の入力欄に「{}」と「「」」記号が付けられました。
{}:マウスオーバーで「何を入力するのか」を示す内容が表示される
「」:クリックで「式エディター」が表示される
終わりに
以上、Community版「2022.12」のリリース紹介でした。次回のリリースは「2023.02」になります。
この記事が参考になったら、 LGTMをお願いします。閲覧ありがとうございました。