はじめに
この投稿は、RPAツール「UiPath」で 2023年9月にリリースされた、バージョン「23.10」Community版について「個人的に」 まとめたものです。
※ 今回追加された機能は次期製品版(v2023.10)のリリースに含まれます。
※ 製品版の紹介は別途書きます。
情報ソース
紹介する情報は、以下の「UiPath公式リリース」を元にしています。
目次
今回紹介する内容は下記になります。
- 01)[Studio] ワークブックリソース作成/Excelファイルのメモリ展開
- 02)[Studio] Windowsプロジェクト変換(アクティビティ追加時)
- 03)[Studio] CodedAutomationのエディタ設定
- 04)[Studio] CodedAutomationのエラーリストパネルの改善
- 05)[Studio] CodedAutomationのテストケース作成
- 06)[Studio] CodedAutomationの検索置換オプション
- 07)[Activity] URLからファイルをダウンロード/Download File from URL(新アクティビティ)
- 08)[Activity] テキスト結合/Combine Text(新アクティビティ)
- 09)[Assistant] ロード状態の表示
- 10)[Assistant] 接続エラー内容表示の改善
- 11)[Assistant] 実行中タブの表示非表示
- 12)[Assistant] StudioWebのテンプレート検索
- 13)[UIAutomation] ターゲット認識のCV強化
- 14)[UIAutomation] イベントトリガーの強化
- 15)[UIAutomation] 複数ブラウザのプロファイルサポート
- 16)[UIAutomation] リモートランタイムで拡張機能もインストール可能に
- 17)[UIAutomation] プロジェクト設定でのブラウザ別の引数/実行パス指定
- 18)[UIAutomation] Edgeプライベートモードのバグ対応
- 19)[UIAutomation] IframeのAA要素認識バグ対応
- 20)[UIAutomation] SAP自動化の改善
01)[Studio] ワークブックリソース作成/Excelファイルのメモリ展開
データマネージャーで「ワークブックリソース」を作成すると、ワークブック系のアクティビティで指定するとで、ファイルパスを指定しなくても、ファイル読み込み・書き込みが可能になります。
この変数はメモリ上に展開されるので、サイズの大きいエクセルファイルを扱う場合に高速化が見込めます。
02)[Studio] Windowsプロジェクト変換(アクティビティ追加時)
クロスプラットフォームでプロジェクト作成しているときに、Windows用アクティビティでのみ提供されているアクティビティを追加しようとしたときに、プロジェクト変換すれば使用できるというメッセージが表示され、OKを押すとプロジェクト変換が始まります。
03)[Studio] コードエディタの設定
Studioのバックステージビューにコードエディタの設定が追加されました。
04)[Studio] エラーパネルでコードの行番号を表示
プロジェクト分析でコード(.cs)ファイルのエラー行番号が表示されるようになりました。
05)[Studio] コード化されたワークフローのテストケース作成
xamlと同じように、コード化されたワークフローファイル(.cs)も右クリックで「テストケースを作成」が使用できるようになりました。
06)[Studio] CodedAutomationの検索置換オプション
コードエディタ内で「Ctrl+Shift+F」を押すと「検索パネル」が表示され、一括置換も出来るようになりました。
07)[Activity] URLからファイルをダウンロード/Download File from URL(新アクティビティ)
URLを指定して、所定の場所にファイルを保存するアクティビティです。タイムアウト秒数/既にファイルがあった時の動作を指定できます。
08)[Activity] テキスト結合/Combine Text(新アクティビティ)
09)[Assistant] ロード状態の表示
プロセスダウンロード中の表示で、何をしているかが分かるようになりました。
10)[Assistant] 接続エラー内容表示の改善
アシスタントの接続エラーの内容がエラーコードと共に表示されるようになりました。
11)[Assistant] 実行中タブの表示非表示
実行中に、「実行中タブ」を表示状態にするかを選択できるようになりました。「設定」 → 「全般」 → 「オートメーション」で変更できます。
12)[Assistant] StudioWebの起動
検索結果にStudioWebのテンプレート検索結果が表示されるようになりました。
また製品紹介欄にもリンクが追加されています。
13)[UIAutomation] ターゲット認識のCV強化
23.4から要素認識にCV(ComputerVision)が追加されましたが、以下の点が強化されました。
・CVテーブル抽出の強化
・ターゲット認識の優先度変更(セレクター>CV>画像)
・プロジェクト設定にプライマリターゲットの認識タイムアウトを追加
・UiPath Screen OCR 以外のOCRエンジン選択
※ 他にもあるのですが、未検証/未確認のため割愛します。
14)[UIAutomation] イベントトリガーの強化
WebView2、CefSharp、Electron などの「ネイティブブラウザ組み込み型アプリ」での「webctrl ベースのイベント」監視のサポートが強化されました。
さらに「アプリケーション イベント トリガー」アクティビティで複数の要素監視が出来るようになったそうです。(残念ながら、実際の画面でリリース内容を確認できませんでしたので、未検証です)
また、イベント検出ツールが登場しました。UiExplorer上部メニューの「イベントを検査」をクリックすると表示されます。
15)[UIAutomation] ブラウザのプロファイル選択が可能に
「アプリケーション/ブラウザーを使用」アクティビティで、起動引数が指定できるようになり、このオプションを使って、使用するプロファイルを自由に選択できます。
16)[UIAutomation] リモートランタイムで拡張機能もインストール可能に
Citrixやリモデ、VmWareなどのリモートデスクトップと通信できるようにするために、リモートランタイムをインストールしますが、同時にブラウザ拡張などを追加インストールできるようになりました。(インストーラーは、Automation Cloud の [ヘルプ][リソース センター]にあります。
17)[UIAutomation] プロジェクト設定でのブラウザ別の引数/実行パス指定
クラシックアクティビティの「ブラウザーを開く」使用時に、ブラウザ起動引数をプロジェクト単位で指定できるようになりました。後述の「IFrameのAA要素」のバグ回避にも使用できます。
18)[UIAutomation] Edgeプライベートモードのバグ対応
Edgeのv115以降で、プライベートモード使用時にEdge拡張が正しく動作しないバグがあります。
回避策は以下のとおりです。
- 1)通常モードのタブを先に開いておく
- 2)カスタムユーザーデータフォルダー モードを使用する
- 3)Edge拡張をMV2に戻す
- 4)Edgeをv114に戻す
19)[UIAutomation] IframeのAA要素認識バグ対応
Chrome、Edgeのv117で、IFrameまたはPDFの要素認識で、aa要素が取れなくなるバグが、UiAutomationの「v23.10.0-preview」以降では解消されました。(「v23.10.0-preview」より前では、ブラウザ起動オプションで「--force-renderer-accessibility=complete」を指定して回避する必要あり)
20)[UIAutomation] SAP自動化の改善
SAP FIORI および SAP WebGUI の要素認識で、以下の改良がされました。
- ツリー形式で使用可能な要素が増えた
- SAPメニュー項目を選択 アクティビティで、WebGUI全要素が選択可能に
- ツールバーボタンをクリック アクティビティで、WebGUI全要素が選択可能に
- SAP WebGUI 固有の属性セットに対応
終わりに
以上、23.10 Community版まとめ でした。
23.10 製品版 のまとめは別途記事を書く予定です。