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日本語 LaTeX コマンドに応じて自動的に文書クラス等を切り替える autojsarticle.cls

Last updated at Posted at 2023-01-08

日本語 LaTeX コマンド(platex, uplatex, pdflatex, lualatex, xelatex)に応じて、必要な設定(文書クラス、追加パッケージ、graphicxパッケージのオプション)を切り替える稚作のクラスファイル autojsarticle.cls を紹介します。

前提

日本語 LaTeX(pTeX, upLaTeX, pdfLaTeX, LuaLaTeX, XeLaTeX )がインストールされていること。日本語 LaTeX のインストールはいくつかの方法がありますが、TexLive がお薦めです。インストール方法は、 TexWiki を参照してください。

チュートリアル

  1. 以下のいずれかの方法で autojsarticle.cls 取得し、カレントフォルダに置く
    • GitHub から clone
      git clone https://github.com/miura-katsuyoshi/autojsarticle
      
    • autojsarticle.cls ←のリンクを右クリックし、名前をつけてリンク先を保存
  2. カレントフォルダに sample.tex を作成
    • 文書クラスは autojsarticle としてください
    • 文字エンコーディングは UTF-8 にしてください
    • 取り急ぎ試したい方は、以下の内容をテキストエディタにコピーし、sample.tex の名前でカレントフォルダ(autojsarticle.cls と同じフォルダ)に保存してください
      sample.tex
      \documentclass{autojsarticle}
      \begin{document}
      世界よ、こんにちは。
      \end{document}
      
  3. 端末、あるいは、コマンドプロンプトを開き、カレントフォルダ(autojsarticle.cls, sample.tex と同じフォルダ)に移動して、sample.tex をコンパイルする
    • platex コマンドを使う場合:
      platex sample.tex
      dvipdfmx sample.dvi
      
    • uplatex コマンドを使う場合:
      uplatex sample.tex
      dvipdfmx sample.dvi
      
    • pdflatex コマンドを使う場合:
      pdflatex sample.tex
      
    • lualatex コマンドを使う場合:
      lualatex sample.tex
      
    • xelatex コマンドを使う場合:
      xelatex sample.tex
      
  4. sample.dvi をビューアー(Adobe Reader、ブラウザ等)で開く

これを使うと何が嬉しいのか?

以前は、LaTeX で日本語を扱う場合、platex コマンドと dvipdfmx コマンドを使う方法のほぼ一択で、文書クラスは jarticle でした。ところが、近年1upLaTeX, pdfLaTeX, LuaLaTeX, XeLaTeX 等の様々な拡張版の TeX が登場しました。これらの拡張版の LaTeX を使う場合、適切に、文書クラス、文書クラスオプション、追加パッケージを設定する必要があったり、graphicx パッケージ使用時に適切なオプションを指定する必要があったりと、非常に複雑な状況になっています。また、Visual Studio Code + LaTeX Workshop 等の統合環境を使う場合、標準の設定では海外で主流の pdflatex が使われますが、pdflatex で日本語を扱うためには適切な設定が必要となります。

この autojsarticle.cls を使うと、自動的に、必要な設定が切り替えられるので、使用する LaTeX コマンドに応じて設定を変更する必要がなくなります。Visual Studio Code + LaTeX Workshop では、標準設定でコンパイル&プリビューができます。

使い方

  • クラスファイル autojsarticle.cls を、LaTeX コマンドが参照可能なフォルダに置く
    • 手っ取り早い方法は、カレントフォルダに置くことです
    • システムにインストールしたい場合は、/usr/local/texlive/texmf-local/tex/latex/local/ 等のフォルダに置き、mktexlsr コマンドを実行してください
      sudo mktexlsr
      

TeX のインストールフォルダ(上述の /usr/local/texlive)は、OS や TeX のインストール方法によって異なります。TeX をコンパイルすると、様々なシステムファイルのパスが表示されますので、それを参考にしてください。

  • LaTeX ソースファイルの1行目に記載する文書クラスを autojsarticle にする
    文書クラスの指定
    \documentclass{autojsarticle}
    
    • 文字エンコーディングは UTF-8 にしてください
    • autojsarticle.cls は、jsarticle.cls を呼び出しています。jsarticle クラスで使用可能なコマンドを使用可能です
    • 文書クラスオプションは、そのまま、jsarticle.cls に伝達されます
      文書クラスオプションの指定例
      \documentclass[12pt]{autojsarticle}
      
    • graphicx パッケージはインクルード済みですので、\usepackage{graphicx} は不要です
  • LaTeX コマンド(platex, uplatex, pdflatex, lualatex, xelatex のいずれか)でコンパイルする
    • platex, uplatex は DVI ファイルを生成します。dvipdfmx コマンドで PDF に変換してください
    • pdflatex, lualatex, xelatex は、直接 PDF ファイルを出力します

どの LaTeX コマンドが良いの?

正直、どの LaTeX コマンドが良いのかは、よくわかりません。

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  1. 執筆時点は2023年

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