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Juliaで時系列データ分析のお手伝い

Last updated at Posted at 2020-12-14

#ちょっと修正 2021年6月29日
友人から厚生労働省のデータをアクセスしたサンプルが動かないと連絡を頂きました。
調べてみると、CSVのカラム名が変?。

カラム名、「日付」の所にtabが追加されている。"日付\t"という感じ。
カラム名にtabが含まれている状況はどういう事なんだろうか?
私の理解では、カンマ区切りのCSVファイルのカラム名にtabを含めるという手法はあまりエレガントとは思えない。

でも、オープンデータなんてものはそんな物かもしれないので、さっさとカラム名を変更するで対応する事にした。

具体的には、CSVファイルを受け取った後にカラム名変更を行うことにしました。
cols = names(df); cols[1] = "DATE"; rename!(df, cols)
ta = TimeArray(df,timestamp = :DATE)
DataFramesのカラム名をスマートに変更する方法が見つかっていないので、このように力業で書いているが、若干納得が出来ていない。

#前振り
かなり前にデータ収集デバイスから得られた時系列データ(具体的には1時間毎)を集計するミドルウェアを作った事がありました。
JSONで受け取ったデータを分解しOracleに格納、必要に応じてゴリゴリSQL文で取り出していたのです。
環境はLinux、動作形態はDaemonというUnix系プログラマにとっては割とよくあるスタイルです。
もっとも全データも別サーバに送っているので、そのサーバで集計処理すれば良いじゃ無いかと思っていましたが、発注主にはかなわない。仰せの通り、へへー、毎度ありがとうございます。メモリリークも無く頑張って動いているようです。流行の言葉で言えばIoTのエッジサーバという事でしょうか。
#Juliaならどうする?
ふと思い立ってJuliaで書いたらどうなるのか試してみました。
JSON廻りは既にJSON.jlがあり、RESTful廻りはHTTP.jlで何とかなる。
データを受信したらDataFrames.jlで処理すればよさげ。
RESTful関係は良いとしてデータ処理で面倒なのはSQLで頑張っていた時系列データの処理
週次、月次をどう扱うか。後は何とでもなりそうです。
DataFrameMeta、Queryを組み合わせて作成し順調だったのですが、既存のライブラリを探してみると、TimeSeriesとその周辺のライブラリを発見。
#本題のTimeSeriesとTimeSeriesResampler
TimeSeries.jl は https://github.com/JuliaStats/TimeSeries.jl

TimeSeriesResampler.jlは、https://github.com/femtotrader/TimeSeriesResampler.jl
です。

TimeSeries.jlの最終更新日は数ヶ月前、TimeSeriesResampler.jlは2年前。
若干の不安を不安を抱えつつトライ。GitHubを見るときはいつ更新されたかを見るのも一つの判断材料と考えています。

当方の環境は以下です。
OS OSX Catalina
開発環境 ATOM + Juno + Julia 1.5.3になります。

#実践
調べてみるとhttps://github.com/femtotrader/TimeSeriesResampler.jlにサンプルがありました。
ちょっと改造してコメントを追加

using MarketData: AAPL        # サンプルデータ
using Dates                   # 日付データ処理用
using TimeSeriesResampler     # 時系列計算用ライブラリ
using Statistics              # 統計処理用ライブラリ
ta = AAPL # サンプルデータを読み込む

# 1週毎のデータを集計する。対象となるカラムは :Volumeとなる
tsum  = sum(resample(ta[:Volume], Dates.Month(1)))

tohoc = ohlc(resample(ta[Symbol("AdjClose")], Dates.Month(1)))

ohlcとは、株価の表示などで使うローソク足の事です。
私は使ったことはありません。
これだけではサンプルにもならないし面白くないので実践的な時系列データ表示をやってみます。

その前に説明をすると、これらのライブラリが使うデータ型はTimeArrayが基本となっており
その構造はTimeArray{Float64,1,Date,Array{Float64,1}}です。
途中の1は時間格納カラムを除くカラム数です。
従ってデータの扱いはTimeArrayを中心とする演算になります。
時系列だけ扱うのであれば良いのですが、やはりDetaFrame型に比べると見劣りがするので、
相互変換を行ってみます。
先ずはDataFrameからの変換は必須と思いますのでやってみる。簡単でした。

julia> using DataFrames
julia> ta = AAPL	
julia> tadf = DataFrame(ta)    # Convert to DataFrame from TimeSeries
8336×13 DataFrame. Omitted printing of 9 columns
 Row   timestamp   Open     High     Low     
       Date        Float64  Float64  Float64 
├──────┼────────────┼─────────┼─────────┼─────────┤
 1     1980-12-12  28.75    28.88    28.75   
 2     1980-12-15  27.38    27.38    27.25   
 3     1980-12-16  25.38    25.38    25.25   
 

【重要】日付データが :timestamp というカラム名になっています。これは固定のようです。

逆はもう少し面倒くさい

ta = TimeArray(df,timestamp = :DATE)

これは、DataFrameの中でどのカラムを時間カラム?として扱うかを指定する訳です。
joinっぽい変換の方法です。

#時系列データの集計
サンプルが用意されているので、実際に実行してみます。
サンプルにはコメントが無かったので追加、ついでにグラフ表示も追加してます。

using MarketData: AAPL       # サンプルデータ
using Dates                  # 日付データ処理用
using TimeSeriesResampler    # 時系列計算用ライブラリ
using Plots                  # グラフ表示用
ta = AAPL                    # サンプルデータを読み込む

# 1日毎のデータを集計する。
tsum  = sum(resample(ta, Dates.Day(1)))
p0 = plot(tsum)

# 1週毎のデータを集計する。
tsum  = sum(resample(ta, Dates.Week(1)))
p1 = plot(tsum, label = "")
# 1月毎のデータを集計する。
tsum  = sum(resample(ta, Dates.Month(1)))
p2 = plot(tsum, label = "")

# 1年毎のデータを集計する。
tsum  = sum(resample(ta, Dates.Year(1)))
p3 = plot(tsum, label = "")

plot(p0, p1, p2 , p3)

スクリーンショット 2020-12-14 2.06.44.png
すごく簡単。もう少し説明すると

resample(ta, Dates.Day(1))
resample(ta, Dates.Week(1))
resample(ta, Dates.Month(1))
resample(ta, Dates.Year(1))

Dates.**Week(**1)で指定するのは集計する単位(日、週、月、年)
最後の数値は2日単位とか3ヶ月単位とか指定できる。
これは簡単で便利。
取得するカラムを指定する場合には
ta[:Volume]のように指定することが出来る。当然複数をカンマで区切って指定することも可能。
全体を指定する場合には、resample(ta, Dates.Week(1))のように指定する

sum(resample(ta, Dates.Week(1)))は、週単位の合計値となる。
週単位の平均値はmeanを使う
mean(resample(ta, Dates.Week(1)))

でも平均という概念は難しい。欠損日があった場合にはその日数を含めるのか
それとも週なら7で割って良い事案なのか。これはビジネスロジックに影響するので仕様検討を事前に行う必要がある。平均というと加算平均が多いが加重平均とか色々あるし。

ついでにStatistics.jlに渡してみると上手く動作しない。
多分DateFrame等に変換してから使った方が良いかもしれない。

こんな感じです。

sum(resample(ta, Dates.Week(1)))
mean(resample(ta, Dates.Week(1)))

さて、サンプルを作ってみます。
簡単なのでコメント少なめですが・・・

#=
    時系列データ分析用テストプログラム
    2020/12/13
    Julia 1.5.3 on MacBook Air 10.15.7

=#
using HTTP, CSV                 # Webサイトからデータを取得するために使用
using DataFrames                # 取得したCSVを加工用にDataFrameとして扱うために使用
using Plots                     # グラフ描画用
using Dates                     # 日付データ処理用
using TimeSeries                # 時系列計算ライブラリ
using TimeSeriesResampler       # 時系列集計ライブラリ

# 厚生労働省からCOVID-19の入院治療を要する者のデータを持ってきています。
df = CSV.File(HTTP.request("GET","https://www.mhlw.go.jp/content/cases_total.csv").body; dateformat="yyyy/mm/dd") |> DataFrame

# DataFrame型からの変換
# ta = TimeArray(df,timestamp = :日付)
# DataFrame型からの変換
cols = names(df); cols[1] = "DATE"; rename!(df, cols) 
ta = TimeArray(df,timestamp = :DATE)

# 1日毎のデータを集計する。
tsum  = sum(resample(ta, Dates.Day(1)))
p0 = plot(tsum)

# 1週毎のデータを集計する。
tsum  = sum(resample(ta, Dates.Week(1)))
p1 = plot(tsum)

# 1月毎のデータを集計する。
tsum  = sum(resample(ta, Dates.Month(1)))
p2 = plot(tsum)

# グラフ3つを表示。年単位は今回意味が無いのでパス
# グラフの見た目を映える作業は面倒なのでパス
plot(p0, p1, p2 , label = "")

# That's all folks.

スクリーンショット 2020-12-14 2.33.42.png

以上

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