GCP - 複数リージョンに配置したGCEに負荷分散する

Assosiate Cloud Engineer 取得の勉強中にやった内容です。取得してしまうと、1ヶ月くらいで忘れてしまったので、残しておきます。

Overview

構成のイメージです。

ToDo

• 構築手順

  • プロジェクトを作る。
  • GCEインスタンスを作る。
  • 作ったインスタンスのスナップショットを取得する。
  • スナップショットからイメージを作る。
  • インスタンステンプレートを作る。
  • インスタンスグループを作る。
  • 負荷分散する。
  • プロジェクトを削除する。

• 更新

  • インスタンステンプレートの更新
  • ローリングアップデート

• 確認

  • 負荷分散
  • 縮退
  • オートスケール

Procedure

Create a new project

あとですぐに消せるように、一時的なプロジェクトを作成します。

1. 画面の上にある [Select a project] を選択する。
2. [NEW PROJECT] を選択する。
3. 「Project Name」に任意の名前を入れる。
   グローバルで一意になるように、IDには数字が付与される。
4. [Create]を選択する。

Create a VM instance

GCEインスタンスを作成します。

1. ハンバーガーから、「Compute Engine - VM instances」を選択する。

2. [Create]を選択する。

3. 任意で設定値を入れる(※今回の設定値は、下表)。

   Item	Default Value	Value	Comments
   Name	instance-1	←	任意の名前
   Labels	n/a	n/a
   Region	us-central1(Iowa)	←	Always Freeの範囲内で
   Zone	us-central1-a	←	同上
   Machine Family	General-purpose	←	同上
   Series	N1	←	同上
   Machine Type	f1-micro	←	同上
   Container	No	←	今回はコンテナは使わないので
   Boot Disk	Debian GNU/Linux 9 (strech)	←	とりあえずDebianで。
   Service Account	Compute Engine default service account	←	今回はデフォルト
   Access scope	Allow default access	←	同上
   Firewall	None	HTTP,HTTPS	HTTP(S)通信を許可

4. [Create]を選択する。

5. 一覧に「instance-1」が表示されて、がついていれば、OK。

Configure VM instance

GCEインスタンスの設定を行います。今回はnginxを入れて、HTTPリクエストに応答できるようにだけします。

1. ハンバーガーから、「Compute Engine」を選択する。

2. さっき作成したインスタンスの右にある[SSH]を選択する。

3. Stackdriver Monitoring Agent のインストール

   $ curl -sSO https://dl.google.com/cloudagents/install-monitoring-agent.sh
   $ sudo bash install-monitoring-agent.sh
   

4. Stackdriver Monitoring Agent の状態確認(active(running)ならOK)。

   $ sudo systemctl status stackdriver-agent
   

5. パッケージの最新化を行う。

   $ sudo apt update && sudo apt -y upgrade
   

6. nginxをインストールする。

   $ sudo apt -y install nginx
   

7. nginx の状態を確認する(active(running)ならOK)。

   $ sudo systemctl status nginx
   

8. HTMLファイルの書き換え

   $ echo "OK" | sudo tee /var/www/html/index.nginx-debian.html 
   

9. nginx 動作確認(OKと出ればOK)。

   $ curl http://localhost/
   OK
   

10. GCEインスタンスのシャットダウン

    $ sudo shutdown -h now
    

Create a snapshot of VM instance

作ったGCEインスタンスのスナップショットを作成します。

1. ハンバーガーから、「Compute Engine - Snapshots」を選択する。

2. [Create snapshot]を選択する。

   Item	Default Value	Value	Comments
   Name	snapshot-1	←	任意の名前
   Description	n/a	←
   Source Disk	-	instance-1	さっき作ったGCEインスタンス
   Location	Multi-regional - us	←

3. [Create]を選択する。

4. 一覧に「snapshot-1」が表示されて、がついていればOK。

Create a VM Image

作ったGCEインスタンスのスナップショットから、VMのイメージを作成します。

1. ハンバーガーから、「Compute Engine - Image」を選択する。

2. [CREATE IMAGE]を選択する。

3. 以下の項目を入力する。

   Item	Default Value	Value	Comments
   Name	image-1	←	任意の名前
   Source	Disk	Snapshot
   Source snapshot	-	snapshot-1	さっき作ったスナップショット
   Location	Multi-regional - us	←

4. [Create]を選択する。

5. 一覧に「image-1」が表示されて、がついていればOK。

Create a VM instance template

インスタンステンプレートを作ります。

1. ハンバーガーから、「Compute Engine - Instance Template」を選択する。

2. [Create instance template]を選択する。

3. 以下の項目を入力する。

   Item	Default Value	Value	Comments
   Name	instance-template-1	←	任意の名前
   Machine Family	General-purpose	←	Always Freeの範囲内で
   Series	N1	←	同上
   Machine Type	f1-micro	←	同上
   Container	No	←	今回はコンテナは使わないので
   Boot disk	Debian GNU/Linux 9 (stretch)	image-1	さっき作ったイメージ
   Service Account	Compute Engine default service account	←	今回はデフォルト
   Access scope	Allow default access	←	同上
   Firewall	None	HTTP,HTTPS	HTTP(S)通信を許可

4. [Create]を選択する。

5. 一覧に「instance-template-1」が表示されて、がついていればOK。

Create a Instance group

インスタンスグループを作ります。

1. ハンバーガーから、「Compute Engine - Instance Group」を選択する。

2. [Create instance group]を選択する。

3. 以下の項目を入力する。

   Item	Default Value	Value	Comments
   Name	instance-group-1	←	任意の名前
   Description	-	←
   Location	Single Zone	←	今回は単一ゾーンで
   Region	us-central1 (Iowa)	←	今回はここで
   Zone	us-central1-a	←	同上
   Instance template	-	instance-template1	さっき作ったテンプレート
   Number of insrances	Based on autoscaling configration	←	オートスケールに依存
   Autoscalling mode	Autoscale	←
   Autoscalling metric	CPU utilization 60%	←	CPU60%でスケール。余裕を持った設定なので要件に応じて調整。
   Cool down period	60sec	←
   Minimum number of instances	1	←	ひとまず、1台から
   Maximum number of instances	10	2	動きが見られればよいので、2。
   Autohealing - health check	No health check	http-check(TCP:80)	TCPレベルでのヘルスチェックを追加
   Initial delay	300sec	←	とりあえずデフォルト。5分あれば上がってくるでしょう。

4. [Create]を選択する。

5. 一覧に「instance-template-1」が表示されて、がついていればOK。

6. 同様に別リージョンのグループも作っておきます(異なる項目のみ記載)。

   Item	Default Value	Value	Comments
   Name	instance-group-1	instance-group-2	任意の名前
   Region	us-central1 (Iowa)	us-west1 (Oregon)	リージョンわける
   Zone	us-central1-a	us-west1-b	同上

7. [Create]を選択する。

8. 一覧に「instance-template-2」が表示されて、がついていればOK。

Create a Load balancer

負荷分散装置を作ります。

1. ハンバーガーから、「Network services - Load balancing」を選択する。

2. [Create load balancer]を選択する。

3. 「HTTP(S) Load Balancing」の[Start Configuration]を選択する。

4. 「from internet to my VMs」を選択する。

5. [continue]を選択する。

6. 以下の項目を入力する。

   Item	Default Value	Value	Comments
   Name	-	load-balancer-1	任意の名前

   Backend Configuration1

   Item	Default Value	Value	Comments
   Name	-	backend-1	任意の名前
   Backend type	Instance group	←
   Protocol, named port & timeout	HTTP,http,30sec	←
   Instance group	-	instance-group-1	ひとつめのグループ
   Port numbers	80	←
   Balancing mode	Utilization	←	とりあえずデフォルト
   Maximum backend utilization	80%	←	同上
   Capacity	100%	←	同上
   Healtch check	http-check(TCP)	←	HTTPでヘルスチェック
   Logging	yes	←

   Backend Configuration2(異なる項目のみ)

   Item	Default Value	Value	Comments
   Instance group	-	instance-group-2	ふたつ目のグループ

   Frontend Configuration

   Item	Default Value	Value	Comments
   Name	-	frontend-1	任意の名前
   Protocol	HTTP	←
   Network Service Tier	Premium	←
   IP Version	IPv4	←
   IP address	Ephemeral	←
   Port	80	←

7. [Create]を選択する。

8. 一覧に「load-balancer-1」が表示されて、がついていればOK。

Delete the project

無駄に課金されることを避けるため、プロジェクトを削除します。

1. ハンバーガーから、「Home」を選択する。
2. [Go to project settings]を選択する。
3. [SHUT DOWN]を選択する。
   30日間は消えずに残っている。

Update

Update Instance template

1. ハンバーガーから、「Compute Engine」を選択する。

2. 最初に作成したインスタンスの右にある[SSH]を選択する。

3. HTMLファイルの書き換え

   $ echo "Hello!" | sudo tee /var/www/html/index.nginx-debian.html 
   

4. nginx 動作確認(Hello!と出ればOK)。

   $ curl http://localhost/
   Hello!
   

5. GCEインスタンスのシャットダウン

   $ sudo shutdown -h now
   

6. 更新後のインスタンスのスナップショットを取得する(異なる項目のみ記載)。

   Item	Default Value	Value	Comments
   Name	snapshot-1	snapshot-2	任意の名前

7. 更新後のスナップショットから、イメージを作る(異なる項目のみ記載)。

   Item	Default Value	Value	Comments
   Name	image-1	image-2	任意の名前

8. 更新後のイメージから、インスタンステンプレートを作る(異なる項目のみ記載)。

   Item	Default Value	Value	Comments
   Name	instance-template-1	instance-template-2	任意の名前
   Boot disk	Debian GNU/Linux 9 (stretch)	image-2	さっき作ったイメージ

Rolling Update

サービス提供を途切れさせずに、順繰りに更新をかけていきます。

1. テスト用Linuxマシンから、curlでレスポンスを確認します。

   $ while true;do curl http://[LB FrontendのIPアドレス]/;sleep 1;done
   

2. ハンバーガーから、「Compute Engine - Instance Group」を選択する。

3. 「instance-group-2」を選択する。

4. [ROLLING UPDATE]を選択する。

5. 以下の項目を入力する。

   Item	Default Value	Value	Comments
   Template	-	instance-template-2	さっき更新したテンプレート
   Target size	100%	←	すべてのインスタンスを更新
   Update mode	Proactive	←	即時反映
   Replacement Method	Substitute	←	新旧バージョンを同時に走らせながら更新する
   Maximum surge	1 instance(s)	←	とりあえずデフォルト
   Maximum unavailabel	1 instance(s)	←	同上
   Minimum wait time	0 sec	←	同上

6. [Update]を選択する。

7. 新しいテンプレートを使ってインスタンスが追加され、立ち上がったら、
   既存のインスタンスが削除される。

8. テスト用linuxマシンのレスポンスを確認すると、途切れずに新しいレスポンスに切り替わったことがわかります。
   

Confirmation

Create test client

1. 「Create a VM instance」と同じ手順で、テスト用のインスタンスを作ります(今回は、アメリカ東部と東京に、それぞれひとつづつ作りました)。

2. 作成したインスタンスの右にある[SSH]を選択する。

3. パッケージの最新化を行う。

   $ sudo apt update && sudo apt -y upgrade
   

4. Apacheユーティリティ をインストールする(Apache benchを使うため)。

   $ sudo apt -y install apache2-utils
   

5. Apache bench の確認(バージョン情報が表示されればOK)。

   $ ab -V
   This is ApacheBench, Version 2.3 <$Revision: 1757674 $>
   Copyright 1996 Adam Twiss, Zeus Technology Ltd, http://www.zeustech.net/
   Licensed to The Apache Software Foundation, http://www.apache.org/
   

Load Balancing

負荷分散の確認をしてみます。

1. ハンバーガーから、「Network services - Load balancing」を選択する。

2. [load-blancer-1]を選択する。

3. 「Frontend」に表示されているIPアドレスを控える。

4. 先程作ったテスト用Linuxマシンから、5多重で1,000リクエストを送信する。

   $ ab -c 5 -n 1000 http://[LB FrontendのIPアドレス]/
   

5. 「load-balancer-1 - Monitoring」タブを表示する。

6. 図のような感じで、2つのリージョンに負荷分散されたことが確認できました。
   

Degradation

縮退の確認をしてみます。

1. 先程作ったテスト用Linuxマシンから、curlでステータスコードを確認します。

   $ while true;do curl -LI http://[LB FrontendのIPアドレス]/ -o /dev/null -w '%{http_code}\n' -s;sleep 1;done
   

2. 「instance-group-2」の方のインスタンスに、SSHでログインし、シャットダウンします。

3. テスト用Linuxマシンでは、一部のリクエストが502(Bad Gateway)を受けて、その後正常レスポンスを受けていることがわかります。
   

4. ロードバランサーのMonitoring画面でみると、「instance-group-1」に振り分けられていることがわかります。
   

Autoscalling

オートスケールの確認をしてみます。

1. 「instance-group-1」の方のインスタンスに、SSHでログインします。

2. CPU使用率をお手軽に上昇させるため、stressをインストールします。
   ※イメージから生成したインスタンスに直接変更を加えるのは、構成管理の観点から、原則として、やらない方がよい。

   $ sudo apt -y install stress
   
   
   

3. CPU使用率を上昇させます。

   $ stress -c 1
   

4. インスタンスが追加されました(おおよそ、2〜3分)。
   

5. CPU使用率の上昇が収まった後、何分かすると追加されたインスタンスは削除され、インスタンスグループのMinimum instancesの数に収まります。