事の始まり
スクラムの重要なイベントであるレトロスペクティブ。私の所属するスクラムチームでは毎回KPTを少しアレンジしたフレームワークで進めていたのですが、大きな課題が発生していました。
それは一部メンバーから全く課題が出てこないこと。KPTのPにあたるものを全然出さないメンバーが出てきてしまいました。
もちろん全く課題がないのならいいのですが、正直そんなことはありえないと思っています。課題はあるはずなのに、ふりかえりの場で全く思いつかないという現象が起きているのではと推測しました。
原因を考える
ではなぜあるはずの課題が思いつかないのか。現在使っているフレームワークを眺めて考えました。
そこで気づいたのが今使っているフレームワークはざっくりと何か課題ありますかと聞いているだけということ。ざっくり質問って答えづらいですよね…
そこでざっくり質問を脱出するためのフレームワークを探すことにしました。
採用したフレームワーク
先輩スクラムマスターの意見なども聞きながらフレームワークを探し、たどりついたのが「スクラムイベントごとに点数をつけてもらう」というやり方でした。
図のようにスクラムイベントをずらっとならべそれぞれに10点満点で点数をつけてもらうという形式です。
このやり方なら「スプリントプランニングはどうだったかな?」「デイリースクラムに問題はないだろうか?」といったようにそれぞれのイベントにフォーカスして考えることができるため、課題に感じていることを発見しやすいのではと考えました。
やってみた
早速このフレームワークを試してみました。スクラムイベントだけだと絞りすぎかなと思ったので開発チームで取り入れているペアプログラミングなども採点対象に加えてトライ!
すると普段のレトロスペクティブでは一つもプロブレムを上げないメンバーの採点が結構厳しめ。
点数を一通りつけてもらった後に深堀りすると今まで見えていなかった課題がいくつも浮かび上がってきました。
個人的にはかなり手ごたえありなレトロスペクティブを行うことができました。
最後に
スクラム開発にたずさわって1年以上。何十回もレトロスペクティブに参加していますが、課題を見つけるというのはとても難しいです。ノーテーマで「さぁ、改善したいことを話してみて!」ってすごい無茶ぶりに思えてなりません。課題を見つけることが苦手なチームに対して適度に対象を絞ってあげることで考えやすくするこの手法は有用なのではないかなと思います。
この手法の欠点としては対象を絞るため、それ以外の取り組みに対する課題が浮かび上がりづらいということがあります。毎回このふりかえりをやるとマンネリ化一直線なので最近いまいちだなというときに気分転換程度にやるのがよいように思えました。