はじめに
とりあえず、本を読んでもネコにはなれませんでした。ネコになることはできなかったけど、本の中にいくつか面白い話があったので、紹介したいと思います。
組織のネコとは
組織のネコとは、組織に属していてもネコのように自由な人。自分の意志があり、縛られるのが嫌いで、会社の指示もたまに聞かないような人のことを言います。
働き方4つのスタイル
それ以外に、組織のイヌ、組織のトラ、組織のライオンというのがあって以下の図のような関係性になっています。(イヌだけネコ科じゃないじゃん、という野暮なツッコミはやめましょう。)
ネコ以外のスタイルが気になる方や4つのスタイルの関係性などはこの著者のインタビュー記事に少し書かれています。もっと細かく知りたい人は、是非、本を読んでみて下さい。
ちなみに組織のネコ度チェックリストを試してみたら、10項目中9個当てはまって、私は立派な組織のネコでした。
本には組織のネコを組織として上手く活かす方法や、組織のネコから組織のトラへステップアップする方法などが書かれています。
キャリアの加減乗除の法則
組織のネコから組織のトラに進化していく働き方には足し算、引き算、掛け算、割り算の4つのステージがあって、仕事のステージを変えながら成長していくという話です。
「加」のステージ
仕事を始めたばかりのステージ、「できることを増やす」ところから始めるという話です。
新入社員時代はどんなことでもより好みせず、とりあえず「できるまで」やってみる。新卒社会人は学生時代に身に付けた「自分はこれが得意」って分野であっても、社会に出るとそれが通用しないこともよくあります。
向き不向きはとりあえずやてみないとわからないので、とりあえずやってみてから判断すれば良いと言うことです。なので、チャンスがあれば積極的に手を上げて、この時期にいろいろな経験をしましょう。
自分が得意と感じている事でも、周りにもっと得意な人がいたらそこに優位性は生まれません。反対に、自分が苦手と感じている事でも、周りがもっと苦手と感じている人ばっかりだったら、そこに優位性が生まれチャンスに繋がるかもしれません。
また、苦手なことでもこのステージで触れておくことで、次のステージ以降で思いもよらず、それが役に立ったりします。
この話は私が以前書いたこちらの記事でのメンバーの勉強法「とにかく経験の絶対値を増やす事で7・2・1の法則の経験による学びを最大限に得る。」の話に近いように感じました。
「減」のステージ
「加」のステージでいろいろなことができるようになると、自分の得意な事や好きな事、やってて楽しい事が分かってきます。そうなったら、苦手な事、興味のない事は手放していきましょう。選択と集中でやることを絞り込み、自分の強みを磨き上げましょう。
得意な事に関しては、それを周りに認知してもらえると、「あの仕事はあの人が得意なので任せて、それ以外の仕事はこっちで引き取ってあげよう」となったりします。
これは本に書かれていないエンジニアとしての自分の観点ですが、技術的スキルに関しては賞味期限や需要を見極めることも重要です。
自分のWill(やりたいこと), Can(できること), Need(必要とされていること)の3つの円の重なる部分にあるものや、Fun(やってて楽しいこと), Learn(やってて学びになること)になるものを選択して、それを極めるのが良いと思います。
「乗」のステージ
「減」のステージを経て自分の強みを手に入れると、そこに注目した人から「一緒に組みませんか?」というオファーをいただく事があります。そこで、自分の持ってない強みをもった人たちとチームを作り、新たな価値を創造しましょう。エンジニアであればセミナーやカンファレンス、勉強会、ブログ等のアウトプットで社外の仲間と出会う機会があります。
また、自分の中で「自分の強み」を掛け合わせることもできます。ある1つの分野で「100万人の中の1人のエキスパート」になるのはとても難しいですが、1つの分野で「100人の中の1人」であれば、なんとなく目指せそうな気がします。そして「100人の中の1人」の分野を3つ作ってそれを掛け合わせれば「100万人の中の1人」になることができます。
「除」のステージ
先に言っておくと、私自身まだこの「除」のステージには到達できていません。なので、私もちゃんと理解できているかちょっと怪しいです。
「乗」のステージで出会った人が増えてくると、関わっていくプロジェクトが多くなりすぎてどれも中途半端になってきます。「加」のステージで仕事が増え、「減」のステージでそれを減らして、「乗」のステージまた関わる仕事が増えたのを「除」のステージで減らしていきます。減らす方法としては、割り算のイメージで仕事を因数分解して共通の要素で一括りにします。
自分の強み(得意分野)で括ってもいいし、理念(目的)で括ることもできます。そして括れない仕事は手放してのが、「除」のステージとなります。
因数分解で括った一つの作業をしていると、他の複数の仕事が進むようです。(正直私は、やったことないので、あんまりイメージ湧きません…)
本の中で私が一番好きな一文
「自由な働き方」について考えて来た末に行き着くところは、
仕事を面白がれていない人を自由にすると、サボる。
仕事を面白がれている人を自由にすると、もっと働く。
これは孔子の「これを知る者はこれを好む者に如かず。 これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。」(物事を知ってるだけの人は好きでやっている人には及ばない。好きでやっている人も楽しんでやっている人には及ばない。)という言葉に近いように思えます。
好きでやっている人や楽しんでやっている人は放っておくと、いくらでも働きますからね。
おわりに
ネコになることはできなかったけど、組織のネコにはなれました。