はじめに
今年のヒーローズ・リーグ2023で「Cube Scrambler」という作品をエントリーしました。
最終的にオンライン決勝作品には選ばれたものの、受賞ならずという結果でした。
来年こそ受賞をめざし、今回の作品を振り返ってみたいと思います。
ちなみにCube Scramblerは以下のような作品で、ルービックキューブを自動で崩したり揃えたりする、レゴとM5Stackで作れるロボットです。
反省点
課題がニッチ
この作品が解決したかったのは「ルービックキューブを揃えたあと崩すのが面倒」という課題です。
ルービックキューブというテーマもニッチですが、さらにそれを「自動で崩したい」という要望がニッチの極みです。
実際この作品を作る過程をちょいちょいツイートしていたのですが、崩す動画と揃える動画ではいいね数が400倍違いました。
揃えるのはそこそこ需要があるようですが、崩すことはまったく需要がないようです。
崩す動画のツイート(10いいね)
揃える動画のツイート(4000いいね)
作品そのものの完成度だったり、ユニークさが大事だと考えていましたが、その作品が生まれた根底にある課題も重要だと感じました。
そしてその課題も「誰もが共感できる課題」であることが高いポイントに繋がるのではないかと思います。
誰もが共感できる課題の作品例:Type-C 危機一発
ポリシーがぶれた
私の芯の弱さが露呈しました。
上記のツイートのように揃える動画がバズったことで揃える機能も実装しましたが、個人的にはやはり不要な機能でした。
(ただルービックの状態を入力するUIの開発等はとても楽しかったです。けどがっつり工数かかりました)
この作品は「自動で崩す」ことが本質ですが「自動で崩したり揃えたりする」ロボットになりました。
このどっちつかずさが審査される方にも感じ取られてしまったのではないかと思います。
ネタなのか真面目なのか
Cube Scramblerは私が持っている課題に対して大真面目で実用的に作ったのですが、正直見た目からするとネタよりな作品なのは否めません。
パっと見ネタだけど機能もProtoPediaの内容もいたって真面目なところが、前述の「どっちつかずさ」をより強く感じさせてしまったのかもしれません。
見た目と機能、それらに一貫したコンセプトがあることで審査する側にも分かりやすく伝わりやすい作品になるのではないかと思います。
Cube ScramblerもUSBを指したらルービックキューブが吹っ飛ぶぐらいの機能があったら、また結果が変わってきていたかもしれません。
工夫したこと
写真の色を明るくした
スマホカメラで写真の画質は十分だとは思いますが、ProtoPediaのサムネ一覧を見たときにサムネの写真が暗く感じました。
なので白飛び一歩手前ぐらいなやり過ぎかもレベルで明るくしてみました(正直やりすぎた感あり)。
これは適切に明るくすれば効果的だと思います。
作品一覧のサムネ郡の中でも目を引きますし。
似た話で音楽における音圧があります。
楽曲制作の最終工程にマスタリングという工程があり、ここで音圧(音量ではないです)を上げる調整をします。
この音圧を上げる意図は、街中やラジオで音楽が流れたときに音圧が高い方が他の楽曲に比べて目立ち耳に残りやすいからです。
音圧を上げること自体は楽曲のクオリティを上げるためというよりプロモーションのためとなります。
作品の写真を明るくして見やすくすることも作品自体のクオリティには繋がりませんが、作品をみる方の印象に良い影響があるのではないかと思います。
デモ動画をほどよく速度アップ
キューブの状態を入力しているところや、キューブを揃えるところ等、デモ上流れを見せる上で必要だけど退屈なところは10倍速ぐらいにしました。
また動画の尺が足りなくなった場合は、通常速度でいい部分を1.5倍速ぐらいにして尺を確保しました。
1.5倍速ぐらいなら早送りしてるかしていないかなんとも言えない速さなので動画の尺圧縮にオススメです。
動画の3分制限はなかなか厳しい制限だと思いますので、上記のような尺を稼ぐ工夫は効果的だと思います。
3Dプリンタがないならレゴで作ろう
今回レゴを使った作品でしたが、レゴを使った理由としては3Dプリンタを持っていないからでした。
結果的にその色鮮やかさや一般的な親和性もあり作品の魅力に繋がったと思います。
作り方の説明書を作るソフトもあったりするので、オープンソースにもかなり適しています。
ヒーローズ・リーグ2024に向けて
動画BGMの選び方
今回の動画BGMはYouTubeの音楽ライブラリから雰囲気とかでクエリをかけて1つづつ地道に聴いていって選んだのですが、この作業は地味に大変でした。
しかし苦労のかいあってなかなか動画に合ったBGMをつけられたと自負しています(ただIoAT賞やオンラインリーグ決勝で早送り再生されていて悲しみ😢)。
上記のBGM作業の簡略法として思いついたのが、YouTubeでよくBGMに使われる音楽をまとめたYouTube動画を参考にすることです。
具体的には以下のURLの動画等になり、よく使われるBGMがまとまられているだけあって、良い曲ばかりです。
個人的にはしゃろう氏の曲が好みなので来年の動画で使ってみたいと思っています。
YouTubeでよく使われる大人気フリーBGM120選【探してる曲見つかる】(YouTube)
ちゃんと動いてる動画を作る
今回の動画作成でたまたまそうなってたのですが、ちゃんと動いてる動画がいいなと思いました。
今まで私が作ってた動画はスライド発表をまんま動画にしたようなものでした。
スライドの一枚一枚にメッセージをのせて画面を切り替えていく感じで、それは紙芝居のようです。
今回動画の中でGitHubやレゴの説明書作成ソフトをいじっているところをスクリーン動画キャプチャで撮って動画に入れてみたのですが、これがとても動きがあり動画感がありました。
UIの紹介部などでもこのように動きをつけることで見ていて楽しく、より作品について伝わりやすい動画になるのではないかと思います。
動画の動きを感じるシーン
おわりに
とまあ受賞を逃してしまったCube Scramblerでしたが、決勝・BINGO大会のあとの飲みの場でいわおかさんがヒーローズ・ビンゴのセンターにCube Scramblerを選んでくれていたことが発覚しました。
これがもうぶっちゃけ受賞するよりも何倍も嬉しかったです(受賞したことないけど)。
ちなみに私はNintendo Switchをはじめ過去3年間連続でビンゴ当選しているヒーローズ・ビンゴガチ勢なのですが、当選するためにはセンターを当てることが大前提なレベルで重要です。
センターに限らずビンゴ上に選ばれているだけでもとても嬉しいので、みなさんも来年ぜひヒーローズ・ビンゴに参加し選んだビンゴを晒して作者を喜ばせてあげてください!
(ちなみに私の今年のビンゴは↓で、Cube Scramblerは入れてませんでした)
つらつらと書いてきましたが以上の点を頭の片隅に留めつつ、来年も楽しく開発したいなと思います😆