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Elixirのforはpythonのforとは違ったというお話

Last updated at Posted at 2018-02-28

弊社ではpythonを使った開発が主流ですが、ここ最近はelixirでの開発にも取り組んでおります。
そこでelixirの勉強をしているのですが、現時点で一番ハマったことを共有します。

問題

リスト[1, 2, 3, 4, 5]の各要素の合計を求めるプログラムを実装しなさい。
(ただし、Enum.sum()は使わない)

実装

pythonで実装したらどうなるかを考えて、それをelixirで書き直せばいいんじゃないかなと思った(のがそもそもの間違いだった)。

sample.py
total = 0
for i in [1, 2, 3, 4, 5]:
    total += i
print(total)

これをelixirで書くと・・・(なお、間違いです)

sample.ex
total = 0
for i <- [1, 2, 3, 4, 5] do
    total = total + i
end
IO.puts total

結果

IO.puts total は0でした。

なぜ?

かなり回りくどい書き方になってしまいますが、私が理解した順番に記述します。

スコープの問題だった

for の中と外でスコープが異なるため、IO.puts totalのtotalは、forの外側のtotalでした。

湧き上がる疑問

じゃぁforの中ではちゃんとリストの要素を足してるんだろうなぁ。

sample_2.ex
total = 0
for i <- [1, 2, 3, 4, 5] do
    total = total + i
    IO.puts total
end

結果

2018年2月-1.png (本気で「!?」でした)

そもそもの誤解

generator.ex
for i <- [1, 2, 3, 4, 5] do
    ...
end

これはelixirではループではなく、[1, 2, 3, 4, 5]のリストから要素を取り出す、内包表記と呼ばれる記述方法でした。
なのでforの中で足し算するものの、毎回その結果は捨て去られている(という表現が適切かわかりませんが)。
ですので「スコープの問題だった」という見出しを作りましたが、根本的に間違っていたということになります。

で、elixirで実装するとしたら?

Enum.reduce()を使って

reduce.ex
total = Enum.reduce([1, 2, 3, 4, 5], fn(x, acc) -> x + acc end)
IO.puts total

と書く感じでしょうか。

ちなみに封じていたEnum.sum()は?

気になったので見て見たらこのように定義されてました。

enum_sum.ex
def sum(enumerable) do
    reduce(enumerable, 0, &+/2)
end

&+/2 とは一体・・・

なんすかこれ!?と思って調べたところ・・・

&記法

elixirでは無名関数をよく使うため、省略記法として、&記法というものがあるそうです。
&以降の式を関数に変換する演算子とのこと。
なので、「&+/2」は「+/2」という無名関数・・・「+/2」とは?

+/2

実現させたいのは2つの数の和です。
それは下記のように書けます。

summary.ex
fn x, y -> x + y end

この無名関数は引数が2つあって、それの単純に足しています。
これをelixirは &+/2 と書けてしまうのだそうです。
(ちなみに「/2」という記述は「アリティが2つ」を意味してます。)

&+/2と書けてしまう、ではなく・・・

elixirではそもそも「+」という関数が定義されておりました。
https://hexdocs.pm/elixir/Kernel.html#+/2
引数2つの「+」という関数を渡す際に &+/2 と表記するようです。

話が脱線してしまいましたが・・・

せっかくelixirで便利な関数が用意されているのだから、使用を禁止せずに素直に使った方が楽ですね(当然ですよねw)。

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