はじめに
AWSの難関試験の1つ、AWS Certified Solutions Architect Professional(SAP)になんとか合格できましたので、自分の行った学習の記録と当日の受験体験を残します。
試験の難易度
受験者の想定レベル
AWSの試験ガイドより「AWS のサービスを使用してクラウドソリューションを設計し、実装した経験が 2 年以上ある人が受験対象者となります。」とのことから、ある程度の実務経験がないと合格が難しそうです。私は40代後半ということもありシステム開発経験年数そのものはありますが、クラウドは2年弱という感じなので、ちょうど受験者の想定レベルと思われます。
他の試験との比較
私はこれまでAWS Security Specialty(SCS)と Google Cloud Professional Cloud Architect (PCA)を取得しています。その体験から難易度を比較すると SCS <= PCA << SAP の感じです。
初心者からいきなりSAPを合格するのは至難の技と思われます。まずは他試験から段階を踏んで挑戦していくのがよいと思います。
勉強時間
一般的に100時間〜200時間と言われています。私は3〜4ヶ月で100時間程度でした。
試験問題の特徴
AWSのサービス全般について問われます。また一部のサービスについてはかなり細かい設定に関する知識を問われます。問題文や選択肢が長文の問題があり、時間との戦いになります。どの選択肢も正解っぽく見えるような場合があり(いずれの選択肢も実現可能な場合がある)、問題文であたえられた要件や条件に一番マッチする答えを選ばせる問題はとても難しいです。
使用した参考書
クラウドの学習教材にはUdemyで英語を利用しています。教材を英語にする理由は、実務では英語で読めることが何かと役に立つからです。少し細かい情報を調べようとすると、日本語情報がない、翻訳が不完全なことに出くわします。また、クラウドの英語は難しくないと思います。下手なカタカナだらけの日本語よりも原文のほうが分かりやすい時もあります。ちなみリスニングやスピーキングはあまり出来ません。
私がSAPに使用した教材です。
教材 | コース名 | 価格 | 問題数 | 教師 | 感想 |
---|---|---|---|---|---|
A | [2024] AWS Certified Solutions Architect Professional Practice Test Questions [SAP-C02] Exam Simulator + Explanations | 1,800円 | 35問 × 6演習 | Neal Davis / AWS Certified Solutions Architect & Developer | 解説がとても丁寧で分かりやすいです。無料で利用できるチートシートも学習に便利です。 |
B | Be an AWS Solutions Architect Pro! AWS Certified Solutions Architect Professional Practice Tests for the SAP-C02 Exam | 1,200円 | 75問 × 4演習 | Amiel Palacol AWS Certified Solutions Architect, DevOps Engineer Professional | 本試験と同じ問題数で学習できます。問題の種類も豊富。少し解説に使用されている図表が古い気がしました。 |
C | Exam Prep Enhanced Course: AWS Certified Solutions Architect – Professional (SAP-C02) | 無料 | 20問 | AWS公式 Skill Builder | 無料なので利用しない手はないです。日本語もあります。 |
ETL +30
私は利用しませんでしたが、母国語でない言語で受験する場合、試験時間を30分延長できる制度があります。
学習記録
今回使用した教材で学習を行った記録です。
2023年9月〜10月
SCSを取得した直後で、力試しのつもりで問題集に挑戦。4割程度しか正解できず、難易度が高い試験であることを実感。
2024年4月
PCAを取得した直後でクラウドに自信がついてきたので、半年ぶりに問題集に挑戦。ところが結果は5割も正解できず、絶望感を味わう。
5月前半
一旦演習を進めるよりも、基礎学習をすることを優先した。教材Aの問題解説をしっかり読む、また、Aの教材の無料コンテンツ(チートシート)を使用してAWSの主要サービスの説明に目を通した。
5月15日〜7月14日
演習を再開し、ひたすらその繰り返し。1日1時間程度、土日はもう少し長めに時間を取った。少しずつ正答率があがり、時間にも余裕がもてるようになってきた。7月1周目で概ね合格ラインを超えてきたので、決心して試験申込み。
1単位の学習パターン
教材Aは1演習(30問)1時間。教材Bは25問を1時間、1回の演習を3回分に分けて実施。75問の演習は週の平日で、演習(3日に分ける)、解説を読む(1日〜2日)のパターン化ができた。
7月16日〜本番試験前
AWS Skill Builderのサンプル問題(20問)を2回、教材Aと教材Bの直近2回分の不正解問題の問題と解説の見直しを行った。
特にチェックした点
正解だけでなく、不正解の選択肢についても何故それが不正解なのかを説明できるようになっているかをチェックした。
前日〜当日は、AWSサービスの一覧を眺めた。
反省点
この時に、サービス終了予定のもの、知らないサービスがあることに気付いた。もう少し早めにAWSサービスの一覧はチェックしておきべきだった。
試験当日
試験開始前
試験が10:00開始でしたので、試験センター受付に9:40頃に行くとすでに人が一杯でした。トイレと水分補給(試験中は持ち込みできない)を行って試験開始。
試験中
最初の40分で25問、まずまずの出来。
65分経過で35問ほど、ペースが落ちてきている。まだ半分以上と思うとげんなりする。
90分経過で50問。あと3分の1。ゴールが見えてきた。
140分経過でコンプリート。残り時間を見直しに使う。
3〜4問ほど、回答を修正して試験終了。
問題集と同じ問題は2問ぐらい。7割は問題集のいずれかのパターンのように思えた。
残りはまったく新しいパターンや、AWSサービスの中で自分が知らない機能の問題など。
回答見直し時は、まず選択肢を見る
問題文は読まなくても、自分の選択肢を見ただけで、どんな問題だったか思い出すので、他の選択肢と比較し妥当な回答かどうかをチェックしていく。学習の成果により、問題が自分のなかでパターン化されたためと思われる。
反省点
レビューチェックボタンの使い方を決めておくべきだった。回答に自信がない問題にチェックをつけていこうとしたが、自信がない問題ばかりなのであまり意味がなかった。問題文や選択肢を時間をかけて読めば回答できそうだが、時間の節約のためにとりあえず回答した問題のチェックで利用したい。
試験後
試験のアンケートを入力後、結果は1日以内、長くても5日以内に送るよ的なメッセージでした。
終了後はのんびり過ごしていましたが、結果が分かるまでは気になってうわの空状態でした。
20時すぎにメールチェックしたら、合格の通知が来ていました。ホッとしました。
レポートでスコアを見たら791点でなんとか合格といった感じでした。後3問不正解だと不合格になっていたので、最後の見直しが成功したと思います。
以上、SAPを目指す方の参考になれば幸いです。