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コミュニケーションAdvent Calendar 2017

Day 5

批判に対する反応を認知で制御する

Last updated at Posted at 2017-12-07

概説

人と仕事をしていると批判を受けることが日常的にあります。

批判と聞くと個人的な認識としてはネガティブなイメージになってしまいます。

しかし辞書で調べてみると

良い所、悪い所をはっきり見分け、評価・判定すること。

といった意味なので決してネガティブなイメージではありません。

ネガティブなイメージを持つ言葉はどちらかと言うと 指摘 というほうがしっくり来るかもしれません。

何れにせよ、この記事ではネガティブ印象を持つ批判(≒攻撃)に対する反応について概説し、批判をポジティブに受け取るための考え方を提案したいと思います。

また、ここでは批判に対して上手く相手を言い負かすとかそういうテクニックは紹介しません。全て自分の中で完結する方法を説明します。

認知について

少し認知という言葉について説明します。

人は世界で発生したことを自分の知識や経験、思い込み、誤解などを通して認識しています。 その為、同じ物事でも人によって感じ方が変わります。

一方で、認知(※1)は無意識に起こっていることではないので制御可能です。 その為の認知を上手く手懐けることで批判に対する反応を制御することでストレスを減らし・物事を効率的に考えるようになり・より良く人と関わることができるようになります。

※1 思考は無意識に行われる速い思考、意識的に行われる遅い思考があり、ここでは遅い思考によって得られる認知を指します(下の中で一番右側の認知)。
事象 -> 知覚 -> 速い思考 -> 認知 -> 遅い思考 -> 認知

批判への反応

一般的に人は攻撃された時には怒り抑うつ喜びの3パターンの反応をすると言われています(1)。

それぞれどういった状況になるのか待ち受けている結果を右側に書きます。

  1. 怒り(=相手を攻める) -> 何も得られず、対人関係も悪くなり状況は更に悪化します。
  2. 抑うつ(=自分を攻める) -> 不安になり、自己評価が低くなり鬱になります。
  3. 喜び(=好奇心) -> 物事の問題点がわかり解決法もわかり状況が良くなる。

どの反応を選ぶべきかは一目瞭然ですね。

喜び(=好奇心)について

怒りと抑うつはなんとなくイメージが付くと思いますが喜びはちょっとイメージが付きにくいかもしれませんので詳しく説明します。

ここででの喜びは知的な好奇心をイメージしてもらうと分かりやすいと思います。

何か批判を受けたときに例えば以下のように反応したとします。こういった反応を好奇心のある反応といいます(僕が勝手に言ってます)。

  1. 「その視点はなかった」
  2. 「ではどうすれば良くなるんだろう?」
  3. 「これは知らなかった。どういうことなんだろう?」

これらの反応の良いところは、問題の焦点が常に自分でも相手でもない問題そのものに当たっているところです。

そのため、相手も自分も攻める必要が無いのでストレスを感じずに問題に取り組むことが出来ます(問題について考える事そのものに対するストレスはあるでしょうけど...)。

こういった反応をすることで問題の本質に集中し物事をより効率的に解決できるようになって非常に快適に過ごせるようになります。

批判を受けたときに喜びを感じれるなんて凄いと思いませんか?

まとめ

駆け足ですが、批判を受けたときに発生する反応とその結果について述べたあと、取るべき良い反応について説明しました。

エンジニアは仕様や Pull Request など議論することが多いと思いますので、生産性アップのためにもストレスフリーな考え方の参考になると幸いです。

補足: ヤジ的な批判あるいは意味をなさない批判に対する反応

この世には怒らせることを目的とするような批判もあります。 そういった場合にも、相手を言い負かしてやろうなどとは考えず、その批判や議題になっていること事柄に集中することで自然に受け止めることができます。

  1. なるほど良い質問ですね! -> 感謝を伝える
  2. 確かにそういった視点も重要です -> 相手の意見の勝ちを認める
  3. それについてはXXXが参考になるので調べてみてください -> 相手に解決方法を提案する
  4. あるいは後で私に質問してきてください -> 相手にあなたも大事な人であることを伝える

などと返答すると相手も自分も悪い気分がせずに回答することができます。


参考文献

  1. 〈増補改訂 第2版〉いやな気分よ、さようなら―自分で学ぶ「抑うつ」克服法: デビット・D・バーンズ
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