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HCD-Net 70デザイン項目基礎講座 参加メモ

Last updated at Posted at 2016-07-04

HCD-Net (人間中心設計推進機構)のセミナー「70デザイン項目基礎講座」に参加してきました.

概要

開催日:2016年7月4日(月)
講師:山岡俊樹氏(京都女子大学 教授)
HCD-Netとは:人間中心設計(HCD)に関する研究,教育,広報などを行っているNPO法人で,人間中心設計専門家の認定をしていたりする団体.

70デザイン項目

70デザイン項目とは

70デザイン項目とは,山岡教授が提唱しているデザインや仕様を決めるために検討すべきスペックで,下記の項目がある.
マーケティング・リサーチ,人間工学,認知科学,工業デザイン,ユーザビリティ工学,統計(多変量解析)などの観点を統合し,従来,直感に頼っていた製品開発のプロセスをできるだけ定量的な視点で見直して検討漏れがないようにするためのもの.

  1. ユーザインタフェース関係 :29項目
  2. 感性デザイン関係 :9項目
  3. ユニバーサルデザイン関係 :9項目
  4. 安全性関係(PL)関係 :6項目
  5. ロバスト(頑強性)デザイン関係 :5項目
  6. メンテナンス(保守性)関係 :2項目
  7. エコロジーデザイン関係 :5項目
  8. その他・ヒューマン・マシン・インタフェース関係項目(5デザイン項目)

以下,分類ごとに項目を書いておきます.
各項目の内容は,項目名から思い描く内容で大体合っている感じです.

ユーザインタフェースデザイン関連 :29項目

ユーザにとって良いUIシステムの構築

  1. 寛容性・柔軟性
  2. 習熟度対応
  3. ユーザの保護
  4. ユニバーサルデザイン
  5. 異文化対応

ユーザのやる気の醸成

  1. 楽しさ
  2. 達成感
  3. ユーザの主体性の確保
  4. 信頼感

効率の良い情報入手

  1. 手がかり
  2. 簡潔性
  3. 検索容易性
  4. 一覧性
  5. マッピング
  6. 識別性

理解・判断の容易化

  1. 一貫性
  2. メンタルモデル
  3. 情報の多面的提供
  4. 適切な用語・メッセージ
  5. 記憶負担の軽減

快適な操作

  1. 身体的負担の軽減
  2. 操作感
  3. 操作の効率

共通手段

  1. 強調
  2. アフォーダンス
  3. メタファ
  4. 動作原理
  5. フィードバック
  6. ヘルプ

ユニバーサルデザイン関連 :9項目

  1. 調節
  2. 冗長度
  3. 仕様、機能が見える
  4. フィードバック
  5. エラーに対して寛容
  6. 情報の入手
  7. 情報の理解・判断
  8. 操作
  9. 情報や操作の連続性

感性設計関連 :9項目

  1. デザインイメージ
  2. 色彩
  3. フィット性
  4. 形態
  5. 機能性・利便性
  6. 雰囲気
  7. 新しい組み合わせ
  8. 質感
  9. 意外性

メンテナンス(保守性)関連 :2項目

  1. 近接性の確保
  2. 修復性の確保

安全性(PL)関連 :6項目

  1. 危険の除去
  2. フール・プルーフ(fool proof)設計
  3. タンパー・プルーフ(tamper proof)設計
  4. 保護装置(危険隔離)
  5. インターロック機能
  6. 警告表示

エコロジーデザイン関連 :5項目

  1. 耐久性があること
  2. リサイクリングが可能
  3. 材料を少なくする
  4. 最適な材料の選定
  5. フレキシビリティのある設計(部品の交換など)

ロバスト(頑強性)デザイン関連 :5項目

  1. 材料を変える
  2. 形状に配慮する
  3. 構造を検討する
  4. 応力に対し逃げのデザインをする
  5. ユーザの無意識な行動に対応したデザインにする

その他・ヒューマン・マシン・インタフェース関係項目:5項目

  1. 身体的側面:(a)位置関係,(b)力学的側面,(c)接触面
  2. 頭脳的(情報的)側面:(a)メンタルモデル,(b)わかりやすさ,(c)見やすさ
  3. 時間的側面:(a)作業時間,(b)休息時間,(c)反応時間
  4. 環境的側面:(a)気候,(b)照明,(c)騒音,振動,臭気
  5. 運用的側面:(a)方針の明確化,(b)情報の共有化,(c)自律的行動の確立

まとめ

新しいHCDの視点や考え方を提供するものではなく,チェックリスト化することで,観察や設計をする際の抜け漏れや失敗を防ぐためのもの,という位置づけのものです.
対象とする製品は,アプリケーションやサービスというよりは電化製品・電子機器が主眼にあるのだろうな,という感じ.
もちろん,アプリやサービスをデザインする時にも使える内容も多い.
でも基点にするガイドには,私は別のものを使うかな….

関連情報

第13回 70デザイン項目を活用してシステム、製品の使用実態や問題点を探る(1) | 行動観察研究所ブログ | 行動観察研究所
第14回 70デザイン項目を活用してシステム、製品の使用実態や問題点を探る(2) | 行動観察研究所ブログ | 行動観察研究所
第15回 70デザイン項目を活用してシステム、製品の使用実態や問題点を探る(3) | 行動観察研究所ブログ | 行動観察研究所
第16回 70デザイン項目を活用してシステム、製品の使用実態や問題点を探る(4) | 行動観察研究所ブログ | 行動観察研究所
第17回 70デザイン項目を活用してシステム、製品の使用実態や問題点を探る(5) | 行動観察研究所ブログ | 行動観察研究所
第18回 70デザイン項目を活用してシステム、製品の使用実態や問題点を探る(6) | 行動観察研究所ブログ | 行動観察研究所
第19回 70デザイン項目を活用してシステム、製品の使用実態や問題点を探る(7) | 行動観察研究所ブログ | 行動観察研究所

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