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令和6年度の2回目の受験でITストラテジストに合格しました。

令和5年度の受験では午後Ⅱの小論文がC評価で、事前の対策の方法もわからず玉砕しましたが、令和6年の受験ではChatGPTを活用することで午後Ⅱの小論文の対策を行い、無事合格することができました。
私は元々国語(といううか文系教科全般)が学生の頃から苦手で、小論文はどのように書いていいかわからなかったです。そんな状態でもChatGPTを使って対策を行うことで、ITストラテジストの小論文を突破できたので、高度情報処理試験の小論文の対策に困っている人の参考になれば幸いです。

ITストラテジスト試験概要

ITストラテジストとは、IPAの定義によると以下のような人材を指します:

高度IT人材として確立した専門分野をもち、企業の経営戦略に基づいて、ビジネスモデルや企業活動における特定のプロセスについて、情報技術(IT)を活用して事業を改革・高度化・最適化するための基本戦略を策定・提案・推進する者。(IPA HP引用)

つまり、この資格はIT自体の知識や技術だけでなく、IT技術を用いてビジネスモデルの策定や改革を実施できる能力を問うマネジメント系の資格です。

試験は以下の構成で行われ、午前Ⅰが免除でなければ、9:30-16:30の試験です。

試験時間 出題形式 解答数/出題数(問)
午前Ⅰ 9:30~10:20(50分) 多肢選択式(四肢択一) 30/30
午前Ⅱ 10:50~11:30(40分) 多肢選択式(四肢択一) 25/25
午後Ⅰ 12:30~14:00(90分) 記述式 2/3
午後Ⅱ 14:30~16:30(120分) 論述式 1/2

去年実施した小論文対策

ALL IN ONE オールインワン パーフェクトマスター ITストラテジスト 2023年度版

を使って試験対策を行いました。

ITストラテジスト.jpg

この本自体はとてもよく良い本だと思います。実際午前Ⅱ、午後Ⅰの対策はこの本だけで実施して、特に困ったことはなかったです。※このブログを書いているときには2024年度版も発売されていました。この記事は2023年度版の内容を元に書いています。

ただ、小論文に関しては別でした。論述のネタに関しては、業務上論述のネタになるものはいくつか経験があり、書く内容には困らなかったです。しかし、そもそもの私の文章力が低く回答例などを読んでもそれを自分の経験に置き換えて記述しようとしたときにうまく書くことができませんでした。そのため、初回の試験のときは今思い返すとなんの対策もできていない状態で臨んだに等しかったと思います。

個人的にテキストで小論文の対策ができなかった原因は以下です。

  • 文章の構成という概念を私の文章理解力が低く把握できない
  • ステップ法という方法が紹介されていたが、ちゃんと理解できず全く活用できない
  • 回答例の経験内容と自分の経験内容に乖離が大きく記述のポイントが理解できない

おそらく国語がある程度できる人であれば、特に問題なくテキストを使って対策できる内容だったのかもしれないのですが、私は書いてある内容が全く頭に入ってこなかったです。

ただなにも対策をしないわけにはいかないので、なんとなく今までの経験を元に問題文の文字数を満たしている回答を作成いくつか作成しました。書いた結果として、今見返すと題材的には問題ないものの、質問された内容に沿っておらず、到底合格できる回答にはなっていなかったです。ただ、合格する小論文がどのようなものかイメージできていなかった私は、「まあテーマにあった内容で書いたし受かるだろう」と思って2個程度過去問を解いてろくに採点もせずに試験へ臨みました。

結果としては当然、C評価(内容が不十分である。問題文の趣旨から逸脱している)でした。

採点基準.png

ChatGPTを使った小論文対策

本題です。去年テストに落ちてから、小論文対策をしっかりやらなければというマインドに変わりました。(遅い)私は普段業務で生成AIの活用支援のような業務も行っており、ITストラテジスト以外の資格勉強でも元々生成AIを利用していました。そのため、なんとなく不合格になった小論文を思い出しながらChatGPTに入れて評価してもらいました。(スクリーンショットは業務情報に関連する部分はマスキングしています。)

GPT1.png

適当に貼り付けただけでもとりあえず回答のポジティブな要素と改善が必要な要素を示してくれました。

GpT2.png

なんとなく、自分の文章のだめなところはわかりました。

しかし、ここまでだとぶっちゃけ私には「っで??」という感じで具体的に何をどんな感じで書けばいいのかわからなかったです。

あと「ポジティブなところもあるなら、採点されたらどんなもんなの?少し改善しつつ思い出して書いたから試験のときより良くなっててすでに合格レベルなのでは??」と思っていました。

なので、実際のテストのように採点してみてもらいました。

GPT3.png

A~Dって言ってるのにB+ってなんやねん…

ITストラテジストの合格基準がChatGPT側に伝わっていないため、IPAの採点基準を伝えて評価し直してもらいました。

GPT4.png

いい感じです。(結局不合格ですが。)

ChatGPTがある程度小論文の内容と試験の合格基準を把握できることがわかったので、ChatGPTに私の回答をベースに合格となる回答を作成してもらいました。

GPT5.png

修正された回答は私自身の業務内容が多く載っているため、お見せすることはできないのですが、自分の経験に沿った内容をベースにいい感じのサンプルの小論文を生成してくれました。

生成された小論文はもちろん私がかけていなかった部分に関しては、ChatGPTが勝手に適当な内容で作成しています。なので、ChatGPTが生成した回答結果をほぼ写すような形で、自分の経験から外れているところのみを自分の経験に置き換えて小論文を作成しました。

とりあえず、ChatGPTの回答内容をベースに書き直した回答を採点してもらった結果が次になります。

GPT6.png

+や-などの実際の試験では存在しない判定も出ていますが、いくつかの設問は合格するものが増えてきました。(まだ不合格ラインですが。)

ここからは不合格だった項目ごとに回答例をもらって改善を進めます。

GPT7.png

GPT8.png

個人的に流れを掴み始めたのは↑の回答例でした。

今までは、設問単位でまるっと雰囲気各項目が入っているような感じで記載していたので、項目に沿っているのか沿っていないのか書いている私もなんかよくわからない状態でしたが、自分の回答が明確にテーマに沿って区切られたことで、回答を行うときのポイントを理解することができました。自分の回答が質問のどの内容に対応したことについて言及しているのかを明確にしながら聞かれていることを回答するということを意識することができるようになりました。

実際の試験のときには、セクションごとに改行を挟んで空白を多く開けて書くことが許可されているかはわからないです。私は自分で実質の文字数をカウントするためにも、空白は作らずに記述を行いました。しかし、試験勉強を進めるにあたっては設問の項目の中で出てくるものに対して、セクションを分けて、「今記述しているものは、設問のこの質問内容に対しての回答であることを明確にする。」という記述方法で練習し、聞かれたことに対して回答がずれないようにすることを意識して論述する練習をしました。セクションを意識し始めてからは少しコツをつかんだように感じて、そもそも文章が書きやすくなりました。例えば以下のような設問の場合

設問ア あなたが携わった個別システム化構想の策定において、背景となった事業目標、事業戦略に掲げられている変革の概要、関係するステークホルダについて、業務特性とともに800字以内で述べよ。

「背景となった事業目標、事業戦略」「確変の概要」「ステークホルダについて」「業務特性」という4つの回答のセクションで字数をあまり気にせず回答を書いて、ChatGPTに採点してもらいました。

そうしたところ無事にChatGPTから合格をもらうことができるようになりました。

GPT9.png

このあとは、セクションごとに記述する方法を何年か分の過去問の題材に沿って繰り返しました。

何度か繰り返すことで、明確にセクション分けをしなくても、聞かれている内容に対して、流れの中で回答できるようになると思うので、そこからは文字数制限を意識しつつ回答する練習をしてChatGPTに採点とフィードバックをしてもらってください。

安定してChatGPTの採点結果がA判定になれば実際のテストでも合格基準には到達していると思います。

個人的には一度コツをつかんだ後は、問題のテーマが大きく自分の経験から乖離していない限りはほとんどA判定をもらうことができるようになったので、一度書き方のコツをつかむと他の試験よりも安定して合格点を取れるようになると思います。

午後Ⅱの傾向について

年度によってはテーマが自分の実施しているものと少し関連が低い年度もあり少し論述することが難しいと感じる年度もあるかと思います。しかし、3問の中から1つの題材を選択することができるのと、本番になれるためにも少し自分の業務の中で経験が少ないものでも想像を交えながら書く練習をするのもいいと思います。2024年度から少し出題形式が変わり3つの設問の中から1問ではなく、2つの設問から1問選ぶ形式に変わっていました。試験中少し焦ったものの、前の年度に比べると設問の抽象度が上がっているように感じたので、逆に自分の経験に寄せやすい形式となったかと感じました。ただ、毎年テーマなども変わるので、なるべく自分の業務を事前に整理しておいて、広いパターンでかけるように準備しておくことが重要かと思います。

おすすめの生成AI

今回の記事ではChatGPTを使っていますが、最近よく話題に上がるAnthropic社が提供しているClaude3.5もおすすめです。業務でも使っていますが、個人的にはChatGPTよりも日本語が全体的に自然でプロンプト理解力も高いと感じています。

試しにChatGPTでA判定をもらっていた回答をClaude3.5に採点してもらいました。

GPT10.png

なんとなくChatGPTよりも厳し目に採点されるようです。文章構成の段落分けに関してはストラテジストの試験に関してはあまり重視されない項目になるかと思いますが、より厳しい判定で合格点に到達する論述が準備できると当日の安心感にもつながるのでいいかと思います。

経験上、ChatGPTの採点がA判定のレベルの回答が行えていれば、合格することは可能かと思いますが、より良い回答を行いたい場合には、深津貴之さんが紹介しているパワハラプロンプト(生成AIに生成させた回答に対して、「この回答を60点として100点の回答を出力してください。」を繰り返す)などを試していただいて、回答の精度を上げて対策を行うことができると思います。

おわりに

生成AIは資格の勉強だけでなく、実際の業務でのコーディングやちょっとした調べものなど多くの人にとって手放すことができないツールになってきていると思います。

私は普段、生成AIを使ったDXによる業務改善を行う仕事をしています。生成AIの活用方法などに悩んでいる方がいましたら気軽にコメントなどでご連絡いただければと思います。

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