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コーディング規約チェッカーを運用してみた使用感 (C#(Unity) JavaScript(CocosCreator), PHP(FuelPHP))

Last updated at Posted at 2020-06-03

はじめに

コーディング規約を自動的にチェックしてくれるコーディング規約チェッカーは、
複数人で開発する際の可読性向上や各人の書き方の癖を平準化できる便利なものです。

コードレビュー等で生産性のない指摘をし合わないよう、
チェックはシステムにやってもらうというのはとても合理的。

一方で、規約に縛られた書き方を窮屈に感じたりすることもあると思います。
そこで、各開発環境における規約チェッカーを使ってみた所感を書き残します。

C# (Visual Studio)

規約チェッカーであるStyleCopは、
・プロジェクトにNuGetパッケージとしてインストール
・Visual Studioの拡張機能としてインストール

という2種類の方法があります。
前者が適用できるならそちらのほうがベターなようです。

・プロジェクトにNuGetパッケージとしてインストール

NuGetでインストールするとプロジェクト内に管理される形となり、
自動でチェックが走るため扱いやすいです。

また、NuGetではStyleCopの後継であるStyleCop.Analyzersが使用できるため、
その点でもオススメできる方法です。

規約のカスタマイズはソリューションにファイルを追加することで可能です。
https://anderson02.com/cs/cs-rules/cs-rules19/

・Visual Studioの拡張機能としてインストール

拡張機能としてインストールした場合はVisualStuioの右クリックメニューから、
「Run StyleCop」を選択することでファイルのチェックを走らせることができます。

規約のルール設定は右クリックメニューの「StyleCop Settings」からGUIで行うことができ、
編集結果はXMLファイル「Settings.StyleCop」として保存されるため、
このファイルをGitで共有するなどすれば、
チームでカスタマイズされたルールを共有できます。

Unityでの利用

Unityのプロジェクトで利用する場合、NuGetによる導入はやや煩雑です。
https://t-tutiya.hatenablog.com/entry/2019/11/07/200330

拡張機能のほうはテキストファイルを検査するだけなので、
Unityプロジェクトであっても、通常のC#プロジェクトと同様の使い方ができます。

Unityの場合は、とりあえず拡張機能のほうを使うのが現状は無難かと思います。

JavaScript (Visual Studio Code)

C#と違ってフレームワーク等により様々な書き方の流儀が存在するJavaScriptにおいては、
チェッカーもいくつかあり、それを適用するIDEも選択肢が多いため、
今回はVisual Studio Code + ESLintという組み合わせを選択しました。

npmでESLintパッケージをプロジェクトにインストールし、
Visual Studio Codeの拡張機能としてのESLintをインストールする、という流れです。
https://qiita.com/yohei_nakamura/items/4cf4876b3e36a46f3750

設定は「.eslintrc.json」というファイルに記述します。
npmのパッケージ設定とルールファイルをGitで共有することでチーム内でルールが共通化できる点については、StyleCopとほぼ同じです。

チェッカー本体とIDEの連携機能を別々にインストールする必要がある、という点がStyleCopとは異なります。
上手く動作しないときの原因切り分けが少々厄介です。

Cocos Creatorでの利用

Cocos Creatorで利用する場合であっても、C#のようにプログラム側にプロジェクトの概念がないため(単なるJavaScriptファイル群)、
Webサービス等でJavaScriptを使用する場合と同じ使い方ができます。

ただし、Cocos Creatorの形式(クラス定義型とか)とルールがマッチしない部分もあるので、
必要に応じてルールをカスタマイズする等の対応は必要になります。

PHP (Visual Studio Code)

PHPの場合もJavaScriptのように、複数のポリシーとIDEの組み合わせが想定されます。
今回はPHPの標準っぽさがあるPSR-2を使ってみました。

導入等は他記事を参照してください。
https://mseeeen.msen.jp/php-codesniffer-with-vscode/

PHPの場合、使用するフレームワークそのものが規約のような縛りがあったりするので、
ルールを調整して運用する必要がありそうです。

FuelPHPでの利用

FuelPHPでも、フレームワークでクラスの書き方(スネークケースで書くなど)等が決まっているので、パスカルケースを使うようなルールになっているとそれだけで正しくかけないといった問題が発生します。

FuelPHP準拠のルールを使用するか、PSR-2のようなルールをベースにフレームワークに合わせてカスタマイズしていくか、

いずれにしろ運用に工夫が必要になります。

おわりに 複数言語の比較

複数言語を比較してみると、言語やチェッカーの特性などが見えてきます。

C#は.NET Frameworkの統一感があるため、規約チェッカーを導入する場合もあれこれ悩む必要が
少なかったです。

Unityで公式に使えるようになると、もっといいですね。

JavaScriptとPHPは言語仕様が緩いことに加え、フレームワーク毎にまったく違う書き方があり、またエディタのデファクトも決定打がないため、様々な選択肢を試行錯誤する必要がありました。

カッコで改行するかどうか、など、細かいところも差異がでてくるため、しっかりと統一したルールを策定し、共有し、運用することが重要だと思います。

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