先ほど日本時間2024/3/4(月)夜、生成AIモデルGPTシリーズの対抗馬と言われるAnthropic社の最新モデルClaude 3が発表されました。
発表まとめ
上記のAnthropic公式ニュースを元に、日本語でかいつまんでご紹介します。
ビジョン対応
流行りのマルチモーダルに対応。画像+テキストを両方用いたチャット対話などが利用できます。
3種類のモデルがある
コンテキストウィンドウは旧モデル同様、すべて20万トークンに対応。
モデル名 | コンセプト | 入力コスト | 出力コスト |
---|---|---|---|
Claude 3 Opus | パワフル | 15ドル/百万トークン | 75ドル/百万トークン |
Claude 3 Sonnet | がんばりや | 3ドル/百万トークン | 15ドル/百万トークン |
Claude 3 Haiku | 軽量高速 | 0.25ドル/百万トークン | 1.25ドル/百万トークン |
参考まで、旧モデルの価格と比べてみましょう。
モデル名 | コンセプト | 入力コスト | 出力コスト |
---|---|---|---|
Claude 2.1 | パワフル | 8ドル/百万トークン | 24ドル/百万トークン |
Claude Instant | 軽量高速 | 0.8ドル/百万トークン | 2.4ドル/百万トークン |
ちなみにOpusはクラシック音楽の「楽曲番号」、Sonnetは「定型詩」、俳句は言わずもがなということで、Claudeという名前よろしくなんだかオシャレでハイソな感じの命名ですね。
複数のベンチマークでGPT-4を上回る賢さ
レスポンスが速い
- Opus:Claude 2.1と同等速度を維持
- Sonnet:Claude 2.1の2倍速い
- Haiku:チャートやグラフ入りの論文(約1万トークン)を3秒以内に読める
「答えられません」が減った
安全機構(ガードレール)に近い微妙な回答でも、なるべく応答を拒絶しなくなったようです。
回答精度がアップ
Opusモデルの場合、自由形式の質問への回答精度がClaude 2.1の2倍の精度に向上したようです。
大量の入力に対応
コンテキストウィンドウは旧モデル同様20万トークンですが、キャパ的には100万トークン超に対応しており、一部の顧客に提供する可能性があるとのこと。
また、大量の入力があっても必要な箇所を正確に抽出できるようになったようです。
AWSのBedrockにもスタンバイ中?
Amazon側のニュース記事として、早速Amazon Bedrockへのリリース案内がされていました。
お客様は、Amazon Bedrock 上のビジョン対応モデルの Claude 3 ファミリ (Claude 3 Opus、Claude 3 Sonnet、および Claude 3 Haiku) にアクセスできるようになります。Sonnet は現在利用可能です。記録破りの Opus モデルと Haiku モデルは、今後数週間以内に利用可能になる予定です。
ミドルレンジのSonnetはすでに利用可能と書かれています。
早速AWSマネジメントコンソールを見ると、オレゴンリージョンにいました!
(この記事を書いている間に「利用不可」→「リクエスト可能」になりました)
何ならGoogleのVertex AIでも使える?
Mistral Largeと違って?、ClaudeはAWS独占という訳でもなさそうです。
実際に使ってみよう
Claude公式ならOpusとSonnetが利用可能
Claude Pro(月額20ドル)に課金すると、最上位のOpusもWebチャットとAPIで最新モデルが利用可能になります。軽量高速のHaikuは近日リリース予定。
私も早速課金してみましたが、ChatGPTのように画像添付してのテキスト質問へ的確に回答してくれました。
AWSのBedrockではSonnetが利用可能
モデルアクセスを有効にして、オレゴンリージョンのプレイグラウンドでチャットを試してみます。
Claude 2.1ではハルシネーションが発生していた質問も、ウソを付かないように品質向上している印象です。日本語で、かつかなり速いレスポンスでスムーズに回答してくれました。
なんと、画像添付してマルチモーダル入力にも対応していました。
その他情報
APIコール検証
ローカル画像解析
ナレッジベース対応状況
Step Functions対応状況