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KDDIアジャイル開発センター(KAG)Advent Calendar 2024

Day 13

ユーザーの立場でしかできない技術アウトプットとは?

Last updated at Posted at 2024-12-12

「それって中の人に喋ってもらえばよくない?」

私はAWSを使ったシステム開発に業務で携わることが多く、仕事に生かすためにJAWS-UGなど社外の技術コミュニティに参加したり、自分もブログや登壇などのアウトプットをして情報共有を行っています。

利用者=ユーザーの立場で、技術や製品について他者にレクチャーをするようなアウトプットを行っていると「これって製品ベンダーさんに喋ってもらった方が良くない?」と思われる方もいるのではないでしょうか。

しかしながら、本家の「中の人」ではなくユーザー同士でレクチャーしあうことは、アウトプットする人の自己研鑽になるだけではなく、聞き手にとっても「本家の話より有益」 なケースが実はかなりあると思います。

あえて「ユーザー側」の話を聞くメリット

使う人の立場で、等身大の言葉で分かりやすく話せる

クラウドサービスでもソフトウェアでもSaaSでも、ベンダーさんの「中の人」のプレゼンやドキュメントって、なんか聞いていてつまらなくないですか?

抽象化されすぎていて「実際どうなの?」がイメージしづらかったり、耳障りの良い言葉ばかり並んでいたり、逆にドキュメントは厳密さを重視するがゆえに何言ってるのか過剰に分かりづらくなっていることも多いですよね。

技術の調べ物をする際、公式ドキュメントではなく最初にQiitaの記事などを見てしまう方はかなり多いでしょう。
なぜかと言うと、やっぱり平易で分かりやすいし、網羅性は気にせず「一番使われるこのケースだけでいいから手っ取り早く知りたい!」のニーズを的確に満たしているからだと思います。

どこにも忖度せず、デメリットや競合比較など赤裸々に共有できる

製品ベンダーさんはもちろん、自社の利益を上げることが必須のゴールですから、ビジネス上の不利益や自社ブランドのイメージに影響するような、ぶっちゃけすぎた正直ベースの話や、競合他社への言及は基本的にしてくれません。社内のマーケティングガイドライン等で厳密に禁止されている会社も多いでしょう。

ユーザーの立場であれば、「実際に使ってみてどうだったか」「自社の要件の場合、こういった理由からA製品と比較したうえでB製品を選定することとなった」等の知見を共有することは自由ですし、それこそ多くのユーザーが実際に聞きたいの話のはずです。

自由とはいっても、一般的な社会常識やビジネス上の関係性などを踏まえれば、無闇やたらに特定製品をけなしたり競合製品を煽るようなアウトプットが好ましくないのは当然です。良識は弁えましょう。

例えば製品比較のアウトプットでは「ダメなところ」よりも「各製品の良いところ」にフォーカスして表現すると、ネガティブな反響を避けやすいでしょう。

何よりポジショントーク不要のため、心から楽しく好きに話せる

ベンダーの「中の人」は、自社製品がいかに好きであったり、他者製品にいかに不満なところがあったり、もっと分かりやすい機能の例え話があっても、なかなか自社の看板を背負ったプレゼンやドキュメントでは表現に限界があるでしょう。

ところがユーザーの立場で、いち技術者としてのコミュニティにおけるアウトプットであれば、法規制やベンダーの各種ガイドライン、一般的な社会常識にさえ抵触していなければ表現方法は自由です。自分の経験や好きな技術について、好きな方法で分かりやすく・面白く語ることができます。

聞いていて楽しい話は、理解しやすく身にも付きやすいのは言うまでもありません。

まとめ

特定の技術や製品について学習するうえで、「教科書」として公式ドキュメントや中の人のプレゼンテーションが必要であることは言うまでもありません。

その前提で、ユーザーによる発信・アウトプットも同じぐらい重要な意味を持っており、それは長期的にみてベンダー・ユーザーの双方にとってWin-Winであると私は考えています。

技術的な発信をする人も、それを見て情報収集する人も、ベンダーの「中の人」だけでなくユーザーによるアウトプットをうまく活用して、ITの仕事をもっと楽しく・レベル高くできるといいですよね!

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