メリット
・余計な機能がないので動作が軽い
・OS容量がすくない(20GB以下)
・さまざまなサーバー機能が検証できる
・Hyper-Vの完全版がつかえる
・サーバーOSなので安定している
デメリット
・GPUドライバのインストールのハードルが高い
・180日まで(延長可)
- バージョンなど
OSバージョンですが、2019と2022はほとんど変わらないのでどっちでもいいと思います。2019が気持ち軽めな気がします。
同じくStandardとDatacenterはクライアントとして使う分にはどっちでもいいと思います。
例1 VHDネイティブブート
Hyper-VでWin10/11の仮想マシンを作り、ブート領域を編集することでマルチブートできます。仮想マシンとの違いは、ネイティブブートなのでGPUが使えたり、サンドボックス的に検証できることです。
個人的にはIntuneの検証で便利ですが、ゲーム開発・ドライバ開発などでもメリットがあると思います。
VHDXファイル単位でOSを管理するので、もし壊れてもバックアップやVSSから復元しやすいのもいいですね。重複排除機能もつかえます。
- 参考になるサイト
Windows 10 のVHD ブートを設定する方法~デュアル ブート
https://nasunoblog.blogspot.com/2015/07/windows-10-how-to-set-vhd-boot.html
Boot from VHD 機能で Windows Insider Preview を安全に試す
https://qiita.com/ksasaki/items/4e802da17f51d602b17d
例2 記憶域スペース
Win10/11では記憶域プールとも呼ばれます。
SSD/HDDをあとから自由に追加ができたり、サーバー版なのでPowerShellで細かい調整ができます。検索すると情報が見つかりやすいのもいいです。
また、記憶域スペースは情報をディスク本体に書き込むので、他のWindowsマシンに繋ぎ変えができます。これにより、VHDブートしたWin10/11からも認識ができたり、ServerのOSディスク2枚構成にして1枚をコールドスタンバイにしたりといったメリットがあり、RAIDとは違うアプローチでの障害対策がしやすいです。また、Bitlockerも有効にできます。
ただ記憶域スペースに置いたVHDXファイルからVHDブートはできません。例としてはNVMEのパーティションCにベアメタルWindows Serverを入れ、DをVHDX専用領域とします。パーティションE以降を別の物理ディスクで束ねた記憶域スペースにするのが良いでしょう。
7/14追記
ReFSボリュームからの起動ができないだけで、記憶域スペースの制約ではないようでした。大変失礼いたしました。
- 参考になるサイト
記憶域スペースとReFS
https://roy-n-roy.nyan-co.page/Windows/%E8%A8%98%E6%86%B6%E5%9F%9F%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B9/
記憶域スペースの容量が足りなくなってきたので、ディスクを交換してみた
https://satsumahomeserver.com/blog/301509
例3 開発環境を持ちあるく
開発環境としてLinux仮想マシン(Proxmox)を使っているのですが、これをHyper-V上にネスト仮想化してインストールすることにより、ノートPCでも使えるのがメリットです。
ちなみにWin11でこれをやったところ重すぎてダメでした。サーバーOSだと実用速度で、フル機能がつかえます。
PC間で仮想マシンVHDXファイルを移動するだけという分かりやすさも便利で、Docker DesktopやWSL2よりおすすめです。
注意点としましては、Hyper-Vのネスト仮想化する場合、各PCのCPUはAMD/Intelで統一をおすすめいたします。現時点ではIntelのほうが安定しているようです。
個人的にはPコアとか複雑にしているインテルの迷走が嫌いなのでAMD派です。(コア数が2倍でわかりやすい)
ドライバの入れ方
Windows Serverはドライバがないことがありますが、チップセットやサウンドはWindowsUpdateでどうにかなることが多いです。LANドライバだけ準備してください。
プリンタ系もプリントサーバー需要があるのでほぼ用意されているほか、マルチメディア系ではSteamやSamsung Dexも問題なく使えました。
GPUドライバだけはハードルが高いです。以下のサイトが参考になります。
CUDA Tool Kit for Windows Server 2019を使用
https://philm-community.com/nobi/user/diary/2023/02/13/15352/
Microsoft Windows 用 CUDA インストール ガイド
https://docs.nvidia.com/cuda/cuda-installation-guide-microsoft-windows/index.html
Windows Server 2019にRadeon RX 570のグラフィックドライバをインストールする方法
https://mk499490.hatenablog.com/entry/how-to-install-radeon-rx-570-drivers-on-windows-server-2019
※Intel APUでもINFを手動インストールの方法で利用ができています。
まあ、どうしても動かないドライバがあったらHyper-VかVHDブートのWin10/11を起動すれば良いので・・・
追記:nVidiaドライバのインストール方法
ダウンロードしたWin10/11用ドライバを7ZipやWinRARで解凍します。
この手の展開はlmdiskというソフトでRAMDISKを作っておくと速いです。
https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/imdiskvdiskr/
GeForce GTX系ならこの方法で行ける可能性が高いです。
ヒント・コツ
Server2019/2022をVHDブートして使うことももちろんできますよ。その場合はベースOS(=ベアメタルインストールしたOS)は、ブート領域編集とHyper-Vだけの機能にし、汚さないほうがいいです。
これにより理論上は半恒久的にOSのベアメタルインストールが不要になり検証環境の柔軟性が上がります。
そのあたりは文字だけですと説明がむずかしいのですが、こちらに良い説明をされている記事がありましたので、ご参考ください。
Hyper-V 仮想マシンと実機で同じ SSD から起動する 〜Path through disk の使い方〜
https://qiita.com/hiro20180901/items/8b0a0363d9870abe0d88
USBからのベアメタルインストールを省くために、Hyper-Vで準備するというアプローチは好きですね。PCのキッティングで同じ作業を何百台もやったことがある人なら分かると思います。
つい先日の記事なようで、お仲間がいたようでうれしいです!
まとめ
- 以上サーバーOSをクライアントOSとして使うメリットを紹介しました。
- Server2019以降は非常に安定していて、Win11のGUIの大幅変化のようなとまどいもなく、安心してつかえます。
- 試用版なので、理解したうえで企業の情シスや開発者の方が使うには非常におすすめな選択です。