工場の休憩室にて
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ずんだもん(製造業):「めたん、ちょっと聞きたいことがあるのだ!最近、うちの工場で使ってるPCが新しくなったけど、これってぼくたちが専用で使うことになるのか、それともみんなで共有するのか、どういうルールなのだ?」
めたん(情シス):「いい質問ね、ずんだもん。こないだ私たちが苦労して全台をEntra参加させたのよ!実はそれって、Microsoft 365のライセンス運用に関わる重要なポイントなのよ。ずんだもんたちのログインIDにはF1/F3ライセンスを使っているのだけど、その使い方次第で違反になることもあるの。詳しく説明するわね。」
ずんだもん:「なんだか難しそうなのだ。でも、ちゃんと知っておかないと困るから教えてほしいのだ!」
めたん:「ではEntra参加済みのPCについて、Microsoft 365 F1/F3ライセンスでの運用について説明するわ!このライセンスは、製造・医療・小売り・物流といった現場向けに設計された特別なプランよ。ただし、そのルールはちょっと複雑なの。」
ずんだもん:「そうなのか。具体的にどんな条件で使えるのか、教えてほしいのだ。」
F1/F3ライセンスの使用制限
めたん:「まず、F1/F3ライセンスにはいくつかの制限があるわ。例えば、『専用デバイス』を持たないユーザーにしか使えないのよ!」
ずんだもん:「専用デバイスって何のことなのだ?」
めたん:「専用デバイスというのは、画面サイズが10.xインチ以上で、90日間のうち60%以上、そのユーザーが使うデバイスのことを指すのよ。こういうデバイスを常にもちあるいている人にはF1/F3ライセンスは割り当てられないわ。」
ずんだもん:「なるほどなのだ。たしかにそれはイメージ的にめたんみたいなオフィスワーカーになるのだ。あと、F1/F3ではデスクトップ版Officeアプリが使えないって聞いたけど?」
めたん:「その通りよ!F1/F3プランではOfficeアプリはWeb版やモバイル版だけしか使えないの。デスクトップ版を使いたい場合は別のプランが必要ね。」
ライセンス違反になり得るケース
ずんだもん:「じゃあ、具体的にどんな場合にライセンス違反になる可能性があるのだ?」
めたん:「例えば、以下の場合よ:
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ユーザーが専用デバイスでF1/F3ライセンスを使っている場合(90日間で60%以上そのデバイスを使っている場合)。
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業務内容が現場ワークではなく、オフィスワーク中心の場合。この場合はBusiness Basic/Standard/PremiumやE1など他のプランを選ぶべきね!」
ずんだもん:「なるほどなのだ。それ以外にも特徴はあるのだ?」
めたん:「F1/F3ライセンスは主に共有環境向けに設計されているわ。例えば、ずんだもんみたいに工場で同じPCを使うシナリオや、シフト制で働くユーザーさん向けね。」
ユーザーアフィニティありPCとは
ずんだもん:「じゃあ、『ユーザーアフィニティありPC』ってどういうものなのだ?」
めたん:「これは特定のユーザーが主に使うPCを指すわ。例えば、IntuneでそのPCと特定ユーザーを紐づける場合、そのPCは実質的に『専用デバイス』と見なされる可能性があるわ。」
ずんだもん:「つまり、そのPCはその人専用みたいな扱いになるということなのだ?」
めたん:「その通りよ!この運用形態はF1/F3ライセンスのルールと相性が悪いと言えるわね。」
結論
ずんだもん:「要するに、現場作業者向けでない運用や専用デバイスでの使用はNGってことなのだ?」
めたん:「その通りよ!もし運用内容が条件を満たしていれば問題ないけれど、不明点があればMicrosoftや専門家に相談するべきね!」
運用について
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めたん:「Microsoft 365 F1/F3ライセンスでPCを運用する場合、追加のIntuneデバイスライセンスが必要になることがあるわ!これがコスト効率に影響を与える理由を説明するわね!」
ずんだもん:「それって具体的にどういうことなのか、詳しく教えてほしいのだ。」
F1/F3ライセンスとIntuneの組み合わせにおける課題
めたん:「まず、F1/F3ライセンスにはMicrosoft Intune Plan 1が含まれているわ。これはIntuneの機能としては問題なく使える。でも、さっきも言ったようにFシリーズは共有デバイスの利用を前提としているの。」
ずんだもん:「なるほど。F1/F3ライセンスをつかってPCを個人にひもづけちゃいけないから、もしIntuneのフル機能を使うとバイオレーションになる可能性がある、ということなのだな。」
めたん:「その通りよ!つまりF1/F3だけでは運用できず、『デバイス単位』で追加でIntuneデバイスライセンスを購入しないといけないのよ。」
追加コストと運用の複雑さ
ずんだもん:「追加でライセンスを買うと、どれくらいコストが増えるのだ?」
めたん:「Intuneデバイスライセンスは1台ごとに月額課金されるから、ユーザー数分だけF1/F3ライセンスに加えてデバイスライセンスも必要になるわ。これによって、F1/F3ライセンス本来のコストメリットが薄れてしまう可能性があるのよ。」
ずんだもん:「それだけじゃなくて、運用も複雑になりそうなのだ!」
めたん:「そうね。ユーザー単位とデバイス単位のライセンスを組み合わせることで、管理や設定がややこしくなるし、追加のリソースも必要になるわ。」
コスト効率を考えた選択肢
ずんだもん:「じゃあ、どうすればもっと効率的に運用できるのだ?」
めたん:「選択肢は2つあるわ!」
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BusinessまたはEライセンスへの移行
- 「Business Basic/Standard/Premiumや、E1/E3/E5ライセンスなら専用デバイスでの利用を許容しているから、追加でIntuneデバイスライセンスを買う必要がないわ。それに加えて、デスクトップ版Officeアプリなども使えるから、長期的にはコスト効率が良くなる場合もあるわね。」
- 「Business Basic/Standard/Premiumや、E1/E3/E5ライセンスなら専用デバイスでの利用を許容しているから、追加でIntuneデバイスライセンスを買う必要がないわ。それに加えて、デスクトップ版Officeアプリなども使えるから、長期的にはコスト効率が良くなる場合もあるわね。」
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共有PCモードへの切り替え
- 「現場作業者がシフト制で同じPCを共有し、ユーザーベースで差異をもたないような運用に切り替えれば、F1/F3ライセンスだけで対応できるようになるわ。この場合、『Shared Computer Activation(共有PCアクティベーション)』を使って適切に設定すれば問題ないわよ!」
Officeアプリとの組み合わせ
ずんだもん:「なるほどなのだ。でも、もし現場の共有PCでログインしながら、ExcelとかOutlookも一緒に使いたい、って場合はどうなるのだ?」
めたん:「Entra ID Plan 1はF1/F3に含まれているから、それを使ってPCやモバイルにログインすること自体は問題ないわ。でもOfficeのデスクトップ版の利用には注意点があるわよ!」
ずんだもん:「どんな注意点なのだ?」
めたん:「F1/F3ユーザーが使うと想定されている共有PCには、Microsoft 365 Apps for Businessをインストールはできないわ。Apps for EnterpriseならOKよ!」
ずんだもん:「なるほどなのだ。for Businessよりお高いようなのだ。だったらブラウザでWeb版のOfficeで事足りそうなのだ。」
めたん:「そうね。工場や店舗で高度なExcelマクロを開発するシーンもちょっと変よね。スポットでどうしてもF1/F3ユーザーにOfficeデスクトップアプリを使ってもらいたい!というシナリオに限ったほうがいいかもしれないわ。」
結論
ずんだもん:「つまり、『ユーザーアフィニティありPC』でF1/F3ライセンスは規約上、使えない。共有PCでは使えるが、ユーザーベース・デバイスベースの2種類の計算が必要になる。そしてOfficeアプリはコスパが良くない。ってことなのだ?」
めたん:「その通りよ!アフィニティありの専用デバイスで使うならBusiness/Eライセンスが必須。共有環境 + Web版Officeで使うのならF1/F3でも対応できる。そしてOfficeアプリはそれぞれのシナリオで適切なプランがある。自分たちの運用スタイルに合わせて選ぶべきね!」
まとめ
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めたん:「Microsoftのライセンス要件を守りながら、コスト効率と運用効率を両立させる運用方針について説明するわ!」
ずんだもん:「それぞれのポイントを詳しく教えてほしいのだ!」
1. 現場用PCはあくまで共有デバイスとしてログインさせる
めたん:「F1/F3ライセンスはフロントラインワーカー向けに作られていて、共有デバイスモードでの利用が前提になっているわ。このモードなら複数のユーザーが交代で同じPCを使えるから、コスト効率が高いわね!」
ずんだもん:「それなら現場作業者に必要な最低限の機能(Teamsやメールなど)も使えるし、ライセンス費用も抑えられるということなのだ!」
2. オフィスワーク用に転用させない
ずんだもん:「もし、そのPCをオフィスワークで使ったらどうなるのだ?」
めたん:「それはダメよ!F1ライセンスは専用デバイスでの利用を想定していないから、オフィスワーク用PCとして使うとライセンス違反になる可能性が高いわね。」
3. オフィスワークPCは別ライセンス体系でログインさせる
ずんだもん:「オフィスワーク用PCの場合はどうすればいいのだ?」
めたん:「オフィスワークでは専用デバイスとしてのユーザー紐づけ(アフィニティ)が必要になるわね。Entra ID P1やIntune Plan 1といった個別ライセンス、またはBusiness Basic/Sandard/Premiumなどのパッケージライセンスを割り当てるべきよ。これならユーザーごとの認証やデバイス管理ができるし、高度なセキュリティ機能も使えるわ!」
4. 転用する場合はAutopilotでリセット
ずんだもん:「もし現場用PCとオフィスワーク用PCとで、転用したい場合はどうするべきなのだ?」
めたん:「その場合はIntune Autopilotを使うといいわよ!これならPCを簡単にリセットして新しい用途に合わせた設定を適用できるから、とても柔軟な運用が可能になるということね!いちばんシンプルなのは、Autopilotの構成プロファイルで「現場用PC」「オフィス用PC」ってシナリオを2種類をつくることね。」
利点
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コスト効率:適切な計算による共有/専門デバイス運用のコスト削減。
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運用効率:AutopilotやIntune構成ポリシーによるシナリオベース展開での管理負担軽減。
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コンプライアンス:Microsoftルール遵守。
注意点
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現場作業者とオフィスワーカー間で明確な区分けが必要。
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AutopilotやIntune構成ポリシーには専門知識が求められる。
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共有デバイスモードでは一部機能制限あり。(セキュリティや管理性は向上)
ずんだもん:「この運用方針なら現場作業者とオフィスワーカーそれぞれに最適な環境を提供しつつ、コストと機能性のバランスを取れるということなのだ?」
めたん:「その通りよ!Microsoft 365環境で効率的かつルール遵守した運用ができるベストプラクティスと言えるわね!」
ランチタイムにて
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ずんだもん:「なるほどなのだ!でもめたん、もしこのルールを知らずに、ぼくがPCに「ずんだもん専用」ってシール貼って、ずんだ餅の壁紙にして使っちゃったらどうなるのだ?」
めたん:「それは大変よ!Microsoftの監査が来て、『これはライセンス違反です!』って言われちゃうわよ!」
ずんだもん:「えっ!?監査って、もしかして黒いスーツでサングラスの人たちが『ライセンスを見せてもらおうか』とか言ってくるのだ?」
めたん:「そうよ、きっと違反金でずんだ餅一年分没収されるわよ!」
ずんだもん:「えぇぇ~!ぼくのお小遣いじゃ払えないのだ!これからは絶対みんなで共有するのだ!」
めたん:「ふふふ、それが一番よ。何かあったら、いつでも相談してちょうだいね。」
ずんだもん:「了解なのだ!でも監査の人、本当にサングラスしてるのか…ちょっとだけ会ってみたいのだ…」
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