こちらのエントリを拝見して気づいたのですが、「レビュー」という概念が近いうちに消えるのでは?と思ったので書いてみたいと思います。
よくあるシーン
・「レビューは会議を設定して下さい」
・「いきなり机上レビューは不可です」
このような人が組織にいたら黄信号かもしれません。
なぜか
・同期、非同期コミュニケーションの使い分けに興味がない
・チームの効率化に興味がない
・つまり進歩や成長に興味がない
と、極論ぽいですがそういうことになるかと思います。
進歩や成長に興味がない人よりは、興味がある人と一緒に仕事をしたいですよね。(私だけでしたらすみません)
レビュー居酒屋とはなにか?
・仕事を飲み屋のような「安らぎのひととき」にしてしまうことです。
・居酒屋で政治などを熱く語っている方を見かけます。あれに近いものだと思います。
仕事というよりは「空間」「時間」
・お酒は議論というより、その場の空気を楽しむためのものですよね。
・つまり仕事への貢献や生産性というよりは、「その空間」が大事なのですね。
・キャバクラやテレクラにも近いかもしれません。
↑ものすごい懐かしい単語がでてきて自分でもびっくりしました。
机上レビューではそれができない
・文章を読んで添削して・・・という非同期コミュニケーションではそれができません。
・同じ時間を共有する、ということが(本人にとって)大事になってきます。
なぜ居酒屋にしてしまうのか
・実際の効率とか成果はともあれ、口で指摘すると「働いてる感」「仕事できる人」感がある
・電話とおなじで会議してると時間が早くたつ
リモートワークという環境のせいもある?
・奥さんや子供に聞こえるように声を出して論を述べることで、働いているパパを見せることができます。
・あるいは同僚へのプレゼンス。
・仕事の私物化といえばそれまでですが・・・
・それらをふまえて総合的に「居酒屋」と呼んでおります。
居酒屋化してくる兆候
・「毎週この時間に〇時間のレビュー枠をとって下さい」(長めなのがポイント)
・「いま時間空いたのでレビューを前倒しして下さい」(=今飲みたい気分です)(=マスターいま飲める?)
・令和の時代に「~くん」呼び
・呼び捨て、敬語なし
このあたりはレッドフラグです。
もし定常化しているのであれば、組織全体が問題を抱えています。
なにがまずいのか
・会話は記録に残しづらく、内容が蒸発してしまうケースが多いです。
・メモを取ったり、書き起こしたりすると、それだけでレビューの数倍の時間がかかります。
・チームの効率性と考えると、無駄が多くなってしまいます。
・つまり居酒屋レビューとは、チームや組織の犠牲の上にレビュアーだけが気持ちよい世界になりがちです。
「レビュー」は一方通行
・伝統的なレビューはキャッチボールでいえば1時間かけて1往復するイメージです。
・「ボールは丁寧に息でハーハーして磨いてから投げること!」みたいなことも。
・「私に対して時間をかけて」「場を設けて」というお客さんみたいな一方通行感があると思います。
・お給料をもらってお客さんになっている、ということだと思いますが。
・このマインドが上に書いた、進歩や成長への興味ということと関わっていそうです。
「レビュー」は自分が正解になれる
・指摘している側は、自分が正解者になれるというのもあると思います。
・プログラミングやビジネスプロセスでは、一つの正解しかないことも多いです。
・そんななか、答えのない分野で自分の発言が(その空間においては)正解になれるので、一服の清涼剤に。
・同じことは文章添削やWebデザイン添削などでもいえますね。
「レビュー」という概念が消えるかもしれない?
・その背景には、もちろんAIがあります。
・AIがすぐれた添削や指摘をしてくれるのはご周知のとおりです。
・そこには上に述べた、立場や家庭といった個人事情によるバイアスもありません。
・均質な結果を提供してくれます。
AI時代にはレビューという形をとらない?
・AIは全然使いこなしてないのですが、プロンプトエンジニア?というのが最近聞きますね。
・プロンプトつまり対話・議論のキャッチボールによる成果の醸成みたいなかんじなのかなと。
つまり
・キャッチボールの例でいうと、AIを使って数分で数往復したほうが良い結果になるのは当然ではないでしょうか。
・以上、レビューという概念が消えるのでは、というポエムでした。
例外はあります
・「これだけ活動時間をかけました」を報告して時間工数で稼ぐビジネスは元々そういうモデルです。
・従業員が進化や成長すると儲からなくなってしまいます。こちらは別枠でお考え下さい。
居酒屋にもメリットはある?
・2つあると思います。健康効果と感情効果。
・口に出すことでエクササイズになりますので、文字では不可能な健康効果があります。
・そして感情の交換によるモチベーションUP。
・文字だけの添削を何往復もするよりは、早いし瞬発力もあるといえます。
・けっきょくはバランスではないでしょうか。
自分だったらどうする
・毎日30分程度、できれば朝、レビューという形ではなくブレストの時間を作りますね。
・役職に関係なく一人一人が意見を順番に述べていくというものです。
・そして他人の意見に意見しないといったルールです(たしか)。
・朝の運動や価値観の共有により、一日のチームの効果が上がれば、って感じでしょうか。
まとめ
・結局は仕事をしているのか、仕事っぽく運動や飲酒をしているか、の2択になるのかと思います。
・ただ、仕事だけしてたら疲れてしまうのも人間。それは分かります。
・運動が体に良いのはもちろんですし、少量の酒も百薬の長といわれます。
・依存症にならない程度にうまく使いこなせば、組織全体としてもメリットはあると思います。