PCを特定のユーザーに紐づけないWin10/11の共有PCモードですが、最近OneDrive対応になったそうなので試してみます。
経緯
これまではこのモードをオンにすると、OneDriveの起動自体が禁止される仕様だったので、ユーザーには手動でバックアップしてもらったり少し不便だった。
結論
OneDriveを経由することでデータレスの共有PCが簡単に作れるようになった。
マニュアル
こちらの参考サイトの設定どおりに行います。
Configuring Shared PC mode with OneDrive sync enabled
https://www.petervanderwoude.nl/post/configuring-shared-pc-mode-with-onedrive-sync-enabled-and-configured/
構成プロファイルの作成
Intune管理者でログインし、Win10以降のテンプレートから作成。「カスタム」で検索します。
名前をつけます。
マニュアルサイトのパラメータどおりに設定します。OMA-URIは最初にドットが入るので注意して下さい。(ハマりました)
共有PCモードの追加設定
つづいて共有モード本体の追加設定をします。設定カタログから。
"Shared PC"でキーワード検索します。
「ローカルストレージの制限」 → オフが必須
ほかは任意ですが、検証では「削除ポリシー」は「今すぐ削除」が分かりやすいと思います。ユーザプロファイルがログオフごとに削除されます。
OneDriveの設定(オプション)
こちらも設定ピッカーから。オプションですが設定したほうが良さそうです。
・ファイルオンデマンド
・OneDriveに自動ログインさせる設定
・デスクトップなどを自動で同期
などがあるようです。
データレス運用にするなら、毎回ダウンロードするのを避けるために、ファイルオンデマンドは必須とおもわれます。
このように3つの構成プロファイルができました。
Intuneへの登録
仮想マシンでIntuneに登録します。ポータルサイトアプリからDEMアカウントで入ります。DEMについては最後のリンク集を参考にして下さい。
Intune管理画面に今回の端末が上がってくることを確認します。タイムラグあるので気長に待ちましょう。
動作確認
再起動し、ログイン画面で「他のユーザー」「ゲスト」が選択できるようになったら成功です。AzureADアカウントで入ります。
初回ログイン時は2段階認証と、PINの設定が求められました。
OneDriveに自動ログインになります。3つめの設定の"Silently..."の部分とおもわれます。
デスクトップのファイルがオンデマンド状態で表示されました。
C:\Windows\SharedPCSetup.logのファイルが存在していれば、共有PCモードで動いている形になります。
まとめ
共有PCモードはユーザーとPCの紐づけがなくなるので、情シスの負担が減りますし、異動時や一時利用時のPCの展開スピードも早くなるでしょう。
また、ユーザーにとってもどのPCにログインしてもいい、というのはメリットではないでしょうか。
ユーザーデータはログオフごとに自動削除されますが、OneDrive併用が解禁されたことで、バックアップの手間が減るのも良いですね。
参考にさせていただいたサイト
Configuring Shared PC mode with OneDrive sync enabled
https://www.petervanderwoude.nl/post/configuring-shared-pc-mode-with-onedrive-sync-enabled-and-configured/
IntuneでWindows共有デバイスを構成する
https://qiita.com/ao_Tetsu/items/e9930b285d8e7264a2f7
Device Enrollment Manager (DEM)を利用して、共有・ストックPC(Windows)運用を考えてみる
https://zenn.dev/tiripiri/articles/9c67adfbbb74fe
Intune - 共有コンピューター を Intuneに登録する
https://kurataku.com/intune-sharedpc-register-usingdem/
Silently Move Known Folders to OneDrive using Intune Settings Catalog
https://www.anoopcnair.com/silently-move-known-folders-to-onedrive-intune/