5
5

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 5 years have passed since last update.

FUJITSUAdvent Calendar 2018

Day 7

Site to Site VPN with RRAS

Last updated at Posted at 2018-12-13

FUJITSU Advent Calendar 2018 7 日目の投稿です。

遅刻しました。
言い訳をすると、7 日は朝から頭痛が酷くてベッドから出られず。。。会社も休みました。
回復したらしたでスマブラを (以下略)

※本エントリは個人の見解であり、組織を代表するものではありません。

導入

例によって Azure のお話。
とは言っても今回は Azure からは微妙に離れます。

Azure の VNET 上のシステムと、オンプレあるいはプライベートクラウドをプライベート接続したい、とします。
方法はいくつかあるのですが、今回は Site to Site VPN (以下、S2S-VPN) 、要は IPSec VPN がいい、という場合にお役に立てれば幸いです。

通常というか一般的というか、IPSec したい、という場合に真っ先に思い浮かぶのが、VPN 機器の導入ですね。
しかしまぁ、これが結構なお値段するわけです。冗長化しようとすると単純計算で 2 倍のお金がかかりますし。
さらに、「誰が管理するの」「誰がメンテできるの」っていう運用面での課題も出てきますよね。

そんな時、なかなか高確率で挙がってくるワードがRRASです。
Windows に精通している方はご存知かと思いますが、Windows Server に標準搭載されている VPN が使える機能の略称です。
正式名称:Routing and Remote Access Service

Azure VPN Gateway 側も RRAS をちゃんとサポートしているので、Windows Server のライセンスさえあれば実現できそう!って思うのも無理はありません。

検索すると似たようなエントリがたくさんありますが、如何せん情報が古いものが多い印象です。
これが本エントリを書いた理由です。

そんなわけで RRAS の設定やらなにやらをご紹介したいと思います。

対象読者

  • Azure VPN Gateway と S2S-VPN (IPSec VPN) したい
  • 対向は VPN 機器用意できないから RRAS で
  • RRAS 構成スクリプト使うとエラーになるんだけど?
  • RRAS 構成スクリプト使うと GUI 使えない!困る!

前提条件

  • RRAS サーバーの OS は、現時点で最新版の Windows Server 2016 とする
  • RRAS 側の構築が完了しているものとする (特に以下)
    • プライベート接続したいサブネット
    • RRAS の Global IP を確保済み
    • RRAS サーバ
      • OS が入った状態であること
      • RDP 接続できること
      • プライベートネットワークに接続されていること
      • パッチ当てが終わっていることが望ましい
  • Azure 側の構築・設定が完了しているものとする (特に以下)
    • プライベート接続したいサブネット
    • VPN Gateway の Global IP
    • PSK

RRAS にフォーカスするので悪しからず。

1. 構成スクリプトの入手

RRAS の構築・設定は MS が公開しているスクリプト (PowerShell) を使います。
以下のページから Git に飛んでダウンロードしましょう。

サイト間 VPN ゲートウェイ接続用の VPN デバイスと IPsec/IKE パラメーターについて

「検証済みの VPN デバイスとデバイス構成ガイド」のテーブルの左端列「ベンダー名」に Microsoft とあります。
その行にある「構成のサンプル」をクリックします。

あれ?って思った方もいることでしょう。
Windows Server 2016 用のスクリプトはありません。
ここでは 2012R2 用のものをダウンロードしましょう。

2. 構成スクリプトの修正

ではダウンロードしたスクリプトを 2016 用にカスタマイズします。
このままでも動きますが、GUIが使えなくなります

正直なところ GUI は使えなくても特別問題があるわけではありませんが、CUI で管理することに慣れていない方には抵抗があるかもしれません。

XSLT を PS1 へ

そもそもなんで XSLT 形式にしたんだ、という話はありますが...。
「こうやってこう使え」的な文書も無いですし、さすがに不親切すぎるんじゃあないですかねぇ MS さん。

というわけで、XML タグや XSL タグを抹消し、PowerShell の変数としましょう。
もっとスマートな変換方法があれば教えてください。(土下座)
変数名はお好きに変えていただいて結構です。
保存するときは拡張子から.xsltを消すことも忘れずに。

完成版はいずれ Git に上げておきます。

1~5 行目

# Before
<?xml version="1.0" encoding="utf-16"?>
<xsl:stylesheet version="1.0" xmlns:xsl="http://www.w3.org/1999/XSL/Transform">
  <xsl:output method="text"/>
  <xsl:template match="/"># Microsoft Corporation
# Windows Azure Virtual Network
...

# After
# Microsoft Corporation
# Windows Azure Virtual Network
...

81 行目

# Before
Add-VpnS2SInterface -Protocol IKEv2 -AuthenticationMethod PSKOnly -NumberOfTries 3 -ResponderAuthenticationMethod PSKOnly -Name <xsl:value-of select="/Data/SP_AzureGatewayIpAddress"/> -Destination <xsl:value-of select="/Data/SP_AzureGatewayIpAddress"/> -IPv4Subnet @(<xsl:for-each select="/Data/VnetSubnets/Subnet">"<xsl:value-of select="SP_NetworkCIDR"/>:<xsl:value-of select="/Data/SP_AzureNetworkMetric"/>"<xsl:if test="position() != last()">,</xsl:if></xsl:for-each>) -SharedSecret <xsl:value-of select="/Data/SP_PresharedKey"/>

# After
Add-VpnS2SInterface -Protocol IKEv2 -AuthenticationMethod PSKOnly -NumberOfTries 3 -ResponderAuthenticationMethod PSKOnly -Name $SP_AzureGatewayIpAddress -Destination $SP_AzureGatewayIpAddress -IPv4Subnet $SP_Subnet -SharedSecret $SP_PresharedKey

85 行目

# Before
Set-VpnS2Sinterface -Name <xsl:value-of select="/Data/SP_AzureGatewayIpAddress"/> -InitiateConfigPayload $false -Force

# After
Set-VpnS2Sinterface -Name $SP_AzureGatewayIpAddress -InitiateConfigPayload $false -Force

88, 89 行目

# Before
Set-PrivateProfileString $env:windir\System32\ras\router.pbk "<xsl:value-of select="/Data/SP_AzureGatewayIpAddress"/>" "IdleDisconnectSeconds" "0"
Set-PrivateProfileString $env:windir\System32\ras\router.pbk "<xsl:value-of select="/Data/SP_AzureGatewayIpAddress"/>" "RedialOnLinkFailure" "1"

# After
Set-PrivateProfileString $env:windir\System32\ras\router.pbk $SP_AzureGatewayIpAddress "IdleDisconnectSeconds" "0"
Set-PrivateProfileString $env:windir\System32\ras\router.pbk $SP_AzureGatewayIpAddress "RedialOnLinkFailure" "1"

95 行目

# Before
Connect-VpnS2SInterface -Name <xsl:value-of select="/Data/SP_AzureGatewayIpAddress"/>

# After
Connect-VpnS2SInterface -Name $SP_AzureGatewayIpAddress

変数定義の追加

xsl:value-ofをすべて抹消して、PowerShell の変数に変えたので、各々の変数を定義しましょう。
前項にてパラメータ名を任意のものに変えた方は読み替えてください。

先頭に追加

$SP_AzureGatewayIpAddress = "xxx.xxx.xxx.xxx" # VPN GatewayのGlobal IP
$SP_Subnet = @("xxx.xxx.xxx.xxx/xx:xxx") # Azure 側のサブネット 配列であることに注意 @("xxx", "xxx", ...)
$SP_PresharedKey = "abcdefghijklmnopqrstuvwxyz" # VPN Gateway構築時に入力したPSKと同じもの

テコ入れ

ここまでの修正をして、スクリプトを実行してもインストール、構成は可能です。
が、GUI を使いたい場合はこの修正もしましょう。

ついでに待ち時間(sleep)も入れておくと、エラーメッセージが出てこないので心臓にやさしいです。

60行目付近以降

# Install RRAS role
Import-Module ServerManager
Install-WindowsFeature RemoteAccess -IncludeManagementTools
Add-WindowsFeature -name DirectAccess-VPN,Routing -IncludeManagementTools
sleep 10 # <- 追加

# Install S2S VPN
Import-Module RemoteAccess
if ((Get-RemoteAccess).VpnS2SStatus -ne "Installed")
{
  Install-RemoteAccess -VpnType VpnS2S -Legacy # <- '-Legacy'を追加
}
sleep 10 # <- 追加

# Add and configure S2S VPN interface
Add-VpnS2SInterface -Protocol IKEv2 -AuthenticationMethod PSKOnly -NumberOfTries 3 -ResponderAuthenticationMethod PSKOnly -Name $AzureGetewayIPAddress -Destination $AzureGetewayIPAddress -IPv4Subnet $Subnets -SharedSecret $PresharedKey
Set-VpnServerConfiguration -TunnelType IKEv2 -EncryptionType MaximumEncryption
Restart-Service RemoteAccess
sleep 10 # <- 追加
Set-VpnS2Sinterface -Name $AzureGetewayIPAddress -InitiateConfigPayload $false -Force

# Set S2S VPN connection to be persistent by editing the router.pbk file (required admin priveleges)
Set-PrivateProfileString $env:windir\System32\ras\router.pbk "$AzureGetewayIPAddress" "IdleDisconnectSeconds" "0"
Set-PrivateProfileString $env:windir\System32\ras\router.pbk "$AzureGetewayIPAddress" "RedialOnLinkFailure" "1"

# Restart the RRAS service
Restart-Service RemoteAccess
sleep 10 # <- 追加

# Dial-in to Azure gateway
Connect-VpnS2SInterface -Name $AzureGetewayIPAddress

これでスクリプトの修正は終わりです。
忘れずに保存しましょう。

3. 構成スクリプトの実行

あとは RRAS サーバでスクリプトを実行するだけです。
PowerShell 起動時は管理者として実行しましょう。

以上で RRAS の構築は完了です。

補足

手順通りに構築しても、「VPN は張れてるけど繋がらねぇ...」という場合、RRAS のサービスそのものが原因の可能性は低いです。
パケットキャプチャ等を駆使して原因を特定してください。

おわりに

RRAS、意外と簡単だなぁというのが初めて構築したときの印象です。
IPSec VPN って聞くと「結構大変そう...」という印象なのですが、まぁやってみるもんですね~。

この RRAS のおかげで Azure と手軽に VPN 接続できます。
みなさまも一度お試しあれ。

ちなみに Azure VM として RRAS を建てるのは、Azure としてサポートしておりませんのでご注意ください。
Microsoft Azure 仮想マシンのマイクロソフト サーバー ソフトウェアのサポート

それから、RRAS (Windows) じゃなくて Linux がいい、という場合でも接続できるので、こちらはまたいずれ。

5
5
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
5
5

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?