はじめに

会社のプロジェクトは会社のGitHubアカウントで、個人プロジェクトは個人のアカウントで管理するのが一般的です。
しかし、2つのアカウントを切り替えるのは手間がかかり、SSHキーの衝突によって認証エラーが発生することもよくあります。
この記事では、SSHの設定によってアカウントの切り替えを自動化し、安定して管理する方法をご紹介します。

デバッグ：どのSSHキーが使用されているか確認する

SSH接続時に使用されているキーを確認するには、以下のコマンドを実行します：

ssh -vT git@github.com
# 出力：...
#      debug1: Offering public key: /Users/you/.ssh/**id_ed25519_personal**
#      ...

このログから、GitHubに提供されているキーがどれかを確認できます。
もし意図したアカウントのキーと一致していない場合は、設定の修正が必要です。

SSHキーの作成

アカウントごとに別々のSSHキーを作成します：

個人用アカウント

ssh-keygen -t ed25519 -C "me@example.com" -f ~/.ssh/id_ed25519_personal

会社用アカウント

ssh-keygen -t ed25519 -C "me@company.com" -f ~/.ssh/id_ed25519_work

GitHubに公開鍵を登録する

各アカウントのGitHubのSSH設定ページで、上記で生成しt該当の公開鍵（.pubファイル）を登録します。

~/.ssh/configの設定

SSH接続時に使用するキーを明示的に指定することで、衝突を防ぎます：

個人アカウント用

Host github-personal
HostName github.com
User git
IdentityFile ~/.ssh/id_ed25519_personal
IdentitiesOnly yes

会社アカウント用

Host github-work
HostName github.com
User git
IdentityFile ~/.ssh/id_ed25519_work
IdentitiesOnly yes

HostはGitのリモートURLで使用する別名です。
IdentitiesOnly yesにより、指定したキーのみが使用され、エージェントやデフォルトのキーは無視されます。

認証テスト

設定が正しく行われているか、以下のコマンドで確認します：

ssh -T git@github-personal 
# 出力：Hi personal-github-username! You've successfully authenticated, but GitHub does not provide shell access.

ssh -T git@github-work
# 出力：Hi work-github-username! You've successfully authenticated, but GitHub does not provide shell access.

プロジェクトごとのGitリモート設定

各プロジェクトで正しいSSHキーが使用されるように、リモートURLを設定します。

個人プロジェクトの場合：

git remote set-url origin git@github-personal:your-username/your-repo.git

会社プロジェクトの場合：

git remote set-url origin git@github-work:company-org/repo.git

これにより、それぞれのプロジェクトが自動的に正しいSSHキーを使ってGitHubにアクセスします。